マルゼン　コルト ガバメント カスタム

写真&解説　YAS

解説

マルゼンが1980年代に一世を風靡したカート式のエアガン、その一翼を担っていたのが、これまでも紹介してきたカート式のプッシュコッキング式ハンドガンシリーズだ。
今回は1984年12月に発売されたコルト ガバメント カスタムを紹介しよう。

マルゼンのガバメントと言えば以前に紹介した初の6mmBB弾を使用したエアガン、マークスマンガバメント(1979年発売)がある。スライド上部がチップアップする単発式で、ナショナルマッチ仕様も発売されていた。その後、このマークスマンガバメントの製造販売権はチヨダに移る。

マルゼンのプッシュコッキングのライブカート方式は、当初10歳以上対象のパワーでM59やルガーP08が発売されていたが、すぐにリニューアルされ18歳以上対象のパワーとなり、その人気もアップした。
このコルト ガバメント カスタムは1984年秋にフルモデルチェンジしたコルト ガバメント パワーアップモデルのバリエーションで、フレームがシルバーメッキで、ワンピースラバーグリップを標準装備した豪華版だ。

マークスマンガバメントに比べると格段にディティール再現度はアップし、カートがイジェクトされるそのアクションは、多くのモデルガンファンをも魅了した。

本シリーズ、翌年にはHK P7M13が発売され、その後もSIG P226や、ワルサーP38、ベレッタ 92SBと続き、80年代中ごろまでにエアコッキングハンドガンの一大勢力となっていく。



マークIV シリーズ'70のコルトガバメントをモデルアップ。旧モデルのマークスマンガバに比べると、当時のガバメントとしてはかなりリアルなスタイルに生まれ変わったといえるだろう。


フロントサイトはランプタイプ。スライド上面には反射防止のグルーブが彫られている。マズルは.45口径にしては小さめで、スライドに対して少し下のほうに偏心している。


リングタイプのハンマーは可動式だが、コッキングはされない。スライド内に大きめのシリンダーがあるためか、スライドエンドの再現はイマイチだが、プッシュしやすい形状ではある。グリップセフティも動くがセフティとしての機能はない。


金属製のトリガー。トリガープルは2.8kgとかなり重めだが、ストロークは短く、ほとんど遊びがなくシアが切れる。マガジンキャッチとサムセフティは実際に機能する。スライドストップは別パーツだがダミー。


跳ね馬のゴールドメダリオンが入ったワンピースラバーグリップ。当時のカスタムの定番といえばシルバーフレームにラバーグリップだった。本個体は保存状態が良く、今でも十分にグリップする。


スチールプレス製のマガジンはリアルサイズよりも少し小さめ。装弾数は7発とリアルカウントだ。


カート自身が9mm弾ほどの大きさしかない。これはシリーズ共通のカートを使用しているためだ。カートの全長は23.3mm、ケース部の直径は10.5mm、重量1.4gだ。


トリガーを引くとガツンと激しくスライドが後退する。弾を装填したマガジンを入れると少し奥まった位置だが茶色のカートが見える。スライドをググっと手で前進させてカートをチャンバーに送り込む。再びトリガーを引けば弾が発射されると同時にカートが飛び出し、スライドは後退位置で止まる。
初速は50m/s程度だが、真っ直ぐ飛ぶ。サバゲーで使用するためのカートキャッチャーも発売されていた。


同梱のマルゼンの純正BB弾。グレーのプラケースに入った白いBB弾で、重量は0.16gだ。


パッケージは本体、マガジン、カート6発、BB弾が付属する。装弾数7発のガバだが付属カートが6発というのが残念。


取扱説明書はシンプルで分かりやすい図説入り。ブローバックピストルの常である顔を近づけすぎて撃たないように注意書きがある。マニュアル.PDF (4.5MB)

DATA

撮影協力：FIRST 中古侍