マルゼン 44オートマグ
写真&解説 YAS
解説
.44マグナム弾を使用する世界初のオートマチックピストル、.44オートマグは1970年に発売され、1984年日本公開の映画『ダーティハリー4』でクリント・イーストウッド演じるハリーキャラハンがM29 .44マグナムの代わりに使用するなど人気映画にも登場、当時日本でも高い人気を誇る大口径オートマチックだった。
現在で言うならばデザートイーグル.50AEのような存在で、MGC、コクサイ、マルシンのモデルガンのほか、マルコシ、マルシン、東京マルイ、ヨネザワ、そして今回紹介するマルゼンなど、エアガンも多くのメーカーからモデルアップされた。
マルゼンは1986年からガスガン製品をハイペースで増やし、本モデルで第7作目となる。
当時はまだブローバック式のガスガンで実用に耐えられるものが存在せず、サバゲーマーを中心とした多くのユーザーは固定式ガスガンを使用していた。
マルゼンはトリガーを引くとインナーバレルが前進し、レットオフと共に後退、バルブを叩く独自のメカを前作UZIピストルで投入し、本製品にも同じユニットが搭載されている。
ユニットがコンパクトでパーツ点数も少なく、低価格ガスハンドガンのラインアップを構築し、MGCの高級路線のガスガンに対抗していた。
固定スライドガスガンと言うこともあり可動部は少ない。バレルが少し短かったり、逆にグリップが少し長かったりするが、当時の4,200円という価格を考えればなかなリアルな外観だ。
フロントサイトは固定式。ベンチレーテッドリブ付きのアウターバレルでインナーバレルは真鍮製。
内部ユニットは前作UZIピストルから採用された新システムで、トリガーを引くとチャンバー&インナーバレルが前進し、レットオフと同時に後退、BB弾をチャンバーへ送り、その後退の勢いで後方のバルブを叩きガスを放出して発射する仕組み。
フレームは左右張り合わせのモナカなので、リアサイトやハンマー、エジェクションポートも全て固定されており動かない。もちろんスライドも固定式だ。フレーム右にはマルゼンとASGKの刻印がある。
フレーム左側にあるセーフティレバーは金属製で、実銃とは逆の下げるとトリガーがロックされる構造。ガバメントなどとは逆なので慣れないと戸惑う。
フレーム左の刻印。.44 AMP MODEL 180や、オートマグコーポレーション(AMC)のメーカーアドレスも再現している。
ダブルアクションのトリガーは金属製で、トリガープルは約2.6kgほど。やや重いがスムーズに引ける。
グリップは大きいが薄いのでそれほど握りにくくはない。マガジンキャッチは実際に機能し、グリップ底部にガスの注入口がある。
マガジンは細身の割りばしタイプ。装弾数は17発で、マガジンリップもあり、マガジンフォロアーを底部でロックできる仕組み。
初速は50m/s前後で安定しており、命中精度も5mで4~5cmにはまとまった。経年劣化を考慮すればかなり精度の高いガスハンドガンと言える。
パッケージ。当時主流だったフロン12を使用するガスガンであることが記載されている。
また、44 AMP MODEL 180であることや、当時マルゼンが加盟していたASGKの認証シールが貼られている。シルバーモデルもほぼ同時発売、のちにホップアップ機構を追加されるなどマイナーチェンジもされた。
DATA
発売年 | 1987年7月25日 (ブラック) |
発売時価格 | ¥4,200 (ブラック) ¥5,000 (シルバー) |
全長 | 実測 280mm |
重量 | 実測 390g |
バレル長 | mm |
発射方式 | 固定ガス |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 17発 |
平均初速 | 50.41m/s (0.2g、22℃、HFC134a) |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
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