マルシン ウージーサブマシンガン ガスオペレーションシステム
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
思えばマルシンは、常にカートリッジという物にこだわって来たメーカーではないだろうか。ハンドガンから長物まで、カート式のガスブローバックガンをこれほど多く製品化したのはマルシンだけだ。現時点ではデュアルマキシでひと通りの完成形となったようだが、そこに至るまでの系譜上にあったモデルが、このウージーサブマシンガンなのである。
BB弾の発射とエンプティカートリッジの排莢をフルオートで楽しめるというのは、トイガンファンにとって究極の夢だといっても過言ではないだろう。だが、ボルトの往復作動とBB弾発射に要するガスの供給を2系統に分ける、という斬新な設計がアダとなったようだ。結果的に機構が複雑化し、ガスルートの接点も多くなり、そのぶんガス漏れの可能性が増えてしまった。設計や試作の段階では作動していたとしても、すべての量産品を一定以上のクオリティで作り続けるというのは難しいことだ。
もちろん、ボルト作動のガスを外部ソースにしたり、各部の気密などを強化した上で、快調な作動を楽しんでいるユーザーも一部には存在する。しかし、一般的なエアガンファンが手軽に楽しむには、少々気難しいモデルだったのは確かなようだ。
モデルガン時代からUZIといえばマルシンの看板商品だった。そのリアルさはエアガンにもしっかりと引き継がれている。セミ・フルオートのセレクティブファイアが可能だ。
マルシンの高い設計力が、全体的なディティールを崩すことなくガスオペレーションという複雑なメカを内包させた。
リアサイトは2段階の切り替え式。このあたりも決して手は抜かれていない。
モデルガンゆずりのしっかりとしたスチール製フォールディングストック。
レシーバー下部にはBB弾発射用のガスタンクがあり、ここからリキッドチャージをする。
フォアエンド下部にはボルト作動ガスオペレーション用のガスタンク。ホース直結の改造をして外部ソース化するマニアもいたようだ。
レシーバーカバーを取り外すと、複雑な内部メカニズムが顔を出す。
エジェクションポートから見えるカートリッジに、ガンファンの心は踊るものだ。
プラスチック製のマガジンとプラカート、アルミカート、マルシン純正のBB弾。カートはガバやCZ75などのハンドガンとも共用だった。
シンプルなパッケージ。ガスブローバックではなく、ガスオペレーションシステムとしたところにマルシンのこだわりを感じる。
パーツリストしか入手出来なかったが、モデルガン(もしくは実銃)とはまったく違うメカニズムがお分かり頂けるだろう。
manual.pdf (853KB)
DATA
発売年 | 1988年8月31日 |
発売時価格 | ¥16,500 |
全長 | 実測 657mm / 475mm(ストック折畳時) |
重量 | 2,600g カタログ値 |
バレル長 | 266mm カタログ値 |
発射方式 | ガス カート式ガスオペレーション |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 18発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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