マルシン コルト SAA Cal'45 ピースメーカー DX
写真&解説 YAS
解説
1980年代後半にガスリボルバーを立て続けにリリースしたマルシンの第四弾となるモデルが、今回紹介するコルト SAA ピースメーカーだ。
SAA、シングルアクションアーミーと言えば、コルト社が1873年に発売し、M1911の登場まで米陸軍にも使われていたリボルバーだ。
日本におけるSAAのイメージはやはり西部開拓時代のガンマン、カウボーイの銃といった印象が強いだろう。1960年代の西部劇映画や名作ドラマが多数公開され、ファンが増加、モデルガンブームを支えた立役者的なモデルと言える。
一方、80~90年代のサバゲー全盛期ファンからすると装弾数が少ないうえに、パワーもオートマチック拳銃に及ばないため、オールドファンのコレクション的なポジションであったが、最近では東京マルイからもSAAがモデルアップされたり、当時からマルシンのライバル的存在だったタナカからペガサス2システム搭載のSAAが発売されるなど再び脚光を浴び、トイガンホビーの定番ジャンルとして若い世代の西部劇ファンも増加している。
マルシンのガスリボルバーシリーズの中ではずば抜けて外観の再現度が高く、デフォルメも少ない。あえて言うならばシリンダー径が少し小さいようで、全体的にスリムに見える。
メタルフィニッシュのバレル、フレーム、シリンダーと、シルバーのトリガー&ハンマー、真鍮カラーのトリガーガード、木製グリップなど、デラックス度合いはとても高く、美しい仕上がりだ。
シビリアンスタイルの4.75インチバレルは経年劣化からチタン焼けのような美しい変色が発生している。側面にはCOLT SINGLE ACTION ARMY.45の金色刻印。バレル下のエジェクターロッドも実際に可動しカートを取り出せる。インナーバレルは真鍮製でフォーシングコーンに連動して可動するシリーズ共通の仕組み。
ハンマーノーズは短いながらも樹脂の引き込み式で再現されている。もとは黒々としたメタルフィニッシュだったのだろうが、経年劣化によって変色し、さながらケースハードゥンのような美しい味わいを醸し出している。マルシンのSAAは同社ガスリボルバーのなかでも設計が新しく、シリンダーストップ(ボルト)がライブで再現されているのも特徴だ。
金属製のハンマーをハーフコックにしてケースをエジェクトする。
左から.45LCのダミーかと、スタンダード付属のプラカート、DX付属の真鍮カート。実弾サイズに比べてマルシンのカートは細く少しだけ短い。真鍮カートは耐久性や重量が増すのでSAAに限らずリボルバーエアガンの定番カスタムとなっている。BB弾はリム側のパッキンにセットする。
中心から左側に寄っているSAA独特のトリガーも金属で再現されている。トリガープルは780gで、ハンマーのコッキングもスムーズだ。
美しい金色のトリガーガードとバックストラップは真鍮製かと思いきや、なんと樹脂製メッキ仕上げ。経年劣化もあるだろうが、その色味は実に美しい。シリンダー前側はベベルカットがあり、ベースピンストッパーは横方向となっている。
DXモデルには標準でスムースタイプの木製グリップが付属する。
グリップ内にはガスタンクがあり、マルシンのガスリボルバーシリーズ共通の構造だ。
実射はHFC134a、PHOTON 0.16g弾を使用して行った。
マルシンのライブカートガスリボルバーの場合、カートのコンディションによる弾道差が激しい。実際にBB弾を込めてみると、ゆるゆるのパッキンもあれば、キツキツで発射できないパッキンのカートもある。
命中精度は5m先のA4用紙中央にビシッと着弾することもあれば、発射と同時に弾が逸れてペーパーに当たらず、といった弾道もあった。
DXモデルのパッケージ。
スタンダードモデルのパッケージ。
スタンダードをベースに美しくカスタムされたマルシンSAA。フレームはケースハードゥン仕上げが施され、跳ね馬とアメリカンイーグルのレリーフが入ったグリップパネル、バレルやシリンダーもブルーイング風の塗装が施されている。
取説。操作方法のみならず、分解方法やパーツリストも掲載されている。
取扱説明書.PDF (2.8MB)
DATA
発売年 | 1988年11月 (スタンダード) 1989年夏 (DX) |
発売時価格 | ¥7,800 (スタンダード) ¥14,800 (DX) |
全長 | 実測 259mm |
重量 | 実測 500g ※木製グリップ、真鍮カート含む |
バレル長 | mm |
発射方式 | ライブカート ガスリボルバー |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 6発 |
平均初速 | 37.22m/s (0.2g、22.3℃、HFC134a) |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
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