マルコシ ウージーピストル
写真&解説 YAS
解説
1985年にエアガンのパワーソースとしてフロンガスが採用されるとトイガンメーカー各社はガスガン製品化を急いだ。折しもサバイバルゲームブームが到来し、トリガーを引くだけで連射できるガスガンに猫も杓子も夢中だったのだ。
ガスガンの先陣を切ったのはJACとMGCだったが、その後WA、マルゼン、マルシンなども立て続けにガスガンを発売した。
そんななか、サバゲーブームの一時代を築いたUXスーパー9(SS9000)を抱えるマルコシは焦りを感じていたはずだ。1984年のタカトク・マツシロ倒産からUXシリーズとして復活したばかりのマルコシだったが、ついに1986年秋にマルコシ初となるガスガンを3機種発売するに至った。
UZIピストル、ミニウージー、KG9の3モデルはいずれもバレル後座式のリキッドチャージ式ガスガンで、ケースレス自然落下式マガジンによる多弾数、低価格も売りだった。
とにかく当時はサバゲーでのファイアパワーが求められた。ジャラジャラと弾の音がしようが、敵より多くのBB弾を撃つことが最優先だったのだ。
UZIピストルと言えば映画『地獄のコマンド』(1985)で、主演のチャック・ノリスが両手にフルオート版のマイクロUZIをもってバリバリと撃ちまくっているシーンが印象的。
エアガンでもUZIシリーズは当時人気モデルだった。マルコシのUZIピストルは残念ながらショルダーストラップを通すテイクダウンピンは貫通してないが、これを二丁買って、サバゲーで戦うことを夢見たユーザーは多かったはずだ。
質感こそチープなのは否めないが、形状はウージーピストルの雰囲気をうまく再現している。当時のガスセミオートユニットは非常に小型なので、こういったコンパクトなSMGでもデフォルメを少なくモデルアップできた。
フロントサイトは固定式。真鍮製インナーバレルがマズルから見える。トリガーに連動してインナーバレルが前後してBB弾をチャンバーに送る後座式と呼ばれる仕組み。
リアサイトも左右調整できそうにみえるが一体の固定式。
グリップは実銃同様かなり太く角ばっている。押し込み式のグリップセフティは可動するがダミー、グリップ左上にあるセーフティレバーはライブ。Fで発射、Sで安全装置が掛かりトリガーロックされる。
マガジンとマガジンキャッチはフレームと一体のダミー。
バレル後座式のトリガーは重いことが欠点。このウージーピストルも4kg近くのトリガープルがある。
マガジン部分底部にガスの注入口がある。1チャージで約170発が撃てると謳っている。
レシーバートップにはコッキングハンドルがあり、これが自然落下式マガジンの給弾口となっている。
コッキングハンドルを引くと給弾口があらわれる。ここからジャラジャラとBB弾を70発ほど装填する。
このタイプの給弾方法は多弾数な半面、給弾が不確実で、次第に採用する製品は減っていった。
パッケージは製品が大きく描かれ、スペックや何発撃てるかも書かれている。
パッケージに付属するBB弾は0.12gの軽量弾。UX Superターゲットペーパーや愛用者カードも付属する。
マニュアル。代替フロンのHFC134aが普及する前はガスガンはフロン12を使用していた。
マニュアル.PDF (2.5MB)
DATA
発売年 | 1986年11月末 |
発売時価格 | ¥3,980 (完成品) ¥3,000 (キット) |
全長 | 実測 243mm |
重量 | 実測 389g |
バレル長 | -mm |
発射方式 | リキッドチャージ式ガスセミオート |
使用弾 | 6mm弾 |
装弾数 | 約70発 |
平均初速 | 66.51m/s |
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