エルエス ステンマーク2 ウッドストック キット
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
いきなりバラバラ状態の写真を見て驚かれた方もいると思うが、今回紹介するビンテージエアガンはLSのキットモデルである。
過去にも何度か触れた通り、LSはかつて岐阜県に存在したプラモデルメーカーで、ラインナップ全体から見ても完成品よりキットの方が圧倒的に多かった。
このステンも、キットとしての作りは完全にプラモデルであり、基本的には2分割されたパーツを接着して組み上げるタイプの製品だ。材質もおそらくスチロール系のプラスチックだと思われ、強度はかなり低い。
成形色のダークグレーと梨地の地肌は、まさしく昭和50年代に大ヒットしたLSのプラモデルガンそのもの。この質感を見て懐かしいと感じたなら、間違いなくオールドガンファンの称号を与えられるだろう。
冗談はともかく、プラモデルとして作るなら、やはりストライカーガンにしたのは正解だったと思われる。これがもしエアコッキングガンだったら、コッキングした途端にヘシ折れてしまうはずだ。
ウッドストックタイプということだが、実銃ステンマーク5の木製ストックとはまったく違い、どうも形状がヘンテコだ。実銃にこんなタイプはないと思うのだがどうだろう。
強度不足を補うため、幅広のストックを無理やりデザインして強引に取り付けたようにしか見えないのだが、もし本当に実銃にこういうタイプがあったとしたら、ボクの勉強不足だ。
そういう感覚になるのはこれがLSの製品だからであり、かつて、モデルガンをもしのぐ超絶にリアルなプラモデルガンを量産していたメーカーだからこそ、これがリアルなのでは?との思いが拭いきれない。
まあ、あまり深く突っ込んで考えるのはヤボというものだ。いつかオーナーのサタデーナイトスペシャル氏が意を決して組み立て完成させ、このコーナー再び紹介することがあれば、そのへんについても考察してみよう。
とりあえず主要部品だけを並べてみた。パイプ状のレシーバーも左右2分割構造で、撮影のためセロテープで仮止めされている状態。どのパーツも指2本でつまみ上げられるほど軽いが、プラモデルとして考えれば当然の話だ。
フロントサイトは一体。マガジンハウジングが取り付けられる部分にエジェクションポートが空いていないので、この状態だとステンには見えないかもしれない。
上の部分にこのマガジンハウジングを被せるように取り付ける。エジェクションポートが完全なダミーであることがわかる。
マガジンハウジングの裏面にも刻印が。こういうところにLSのこだわりが見え隠れするようで面白い。マガジンキャッチスプリングもダミー。
レシーバーは、メインのパイプ、アンダーレシーバー&カバー、トリガーガードまですべて一体成形。
少しでも強度をかせぐためか、コッキングハンドルの切り欠きが途中までしか再現されていない。レシーバー上にはなぜかスコープマウントと思われる突起がある。
ソフトビニール製の7mmつづみ弾。B117というネーミングにどんな意味があるのかは不明だが、当時はヨネザワのつづみ弾にも「P26」や「L27」など、謎のナンバーが多かった。
未開封のキットパーツ。主にマガジンとストライカー関係のようだが、部品点数はかなり少ない。
上箱を開けた状態。このパッケージの感じも往年のLSプラモデルガンそのまま。
スポーツターゲットアームズシリーズという仰々しいネーミングと、「弾が飛ぶ!」というキャッチフレーズが時代を感じさせる。同シリーズにはステンマーク2マシンカービン、(パイプストックタイプ)、M16A1、XM177E2、M655があったようだ。
組み立てマニュアル.PDF (13MB)
DATA
発売年 | 1985年頃 |
発売時価格 | ¥3,800 |
全長 | -mm |
重量 | -g |
バレル長 | -mm |
発射方式 | ストライカー |
使用弾 | 7mmつづみ弾 |
装弾数 | 10発 |
平均初速 | -m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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