コクサイ パイソン .357
写真&解説 YAS
解説
コルト パイソンと言えば、昔も今も人気のリボルバーだ。エアガンの世界でも実銃の世界でも、オートマチックが主流だが、カートリッジを一発ずつ装填するライブカート式リボルバーにはロマンが詰まっている。そしてハリーキャラハンや冴羽獠、次元大介といったキャラクター達が使うリボルバーは、より一層ファンの想像力を掻き立てるのだ。
アメリカを代表する二大銃器メーカー、コルト社とS&W社はそれこそ西部開拓時代からリボルバー製品を競い合って作ってきた。
話はトイガンにかわるが、リボルバーのコクサイと呼ばれるほど、リボルバーのトイガン作りに情熱を注ぎ込んだコクサイ。S&Wの主要リボルバーからガスガンをモデルアップし、1991年にはコルト パイソンもラインアップに加わった。
外観はモデルガンメーカーだけあって、非常にシャープな作りでディティールの再現性も素晴らしい。
実射性能ではオートマチックに対して構造上不利なリボルバーであるが、発売後もカートリッジ弾頭部の素材変更、内径6.1mmのインナーバレル採用、固定ホップアップのスナイピングシステム搭載など、細かいアップデートが施され、性能面でも向上されていった。
6インチモデル。ベンチレーテッドリブが付いたバレルはパイソンの外観の特徴の一つだ。コクサイのパイソンは各種バレル長がラインアップされていた。
こちらは4インチモデル。漫画『シティーハンター』の主人公、冴羽獠が使用するモデルとしても知名度が高い。ラウンドバットにパックマイヤータイプのラバーグリップ仕様。
さらにバレルの短い3インチモデル。バレルの刻印はCOMBAT PYTHONとなる。4インチ同様のラウンドバットにパックマイヤータイプのラバーグリップ仕様。またこのモデルはスナイピングシステムが搭載されていない初期型。
シルバーモデルも発売された。ギラギラしすぎないマットステンレス調仕上げはとても上品だ。
コクサイならではのカッチリとした造形。レッドランプ入りのフロントサイトは金属製の別パーツ。バレルとフレーム上面には反射防止の梨地加工も再現されている。
リアサイトはフルアジャスタブル。ハンマーを起こすとハンマースパーがバックストラップ側まで倒れる。もちろんシングル、ダブルアクション可能で、どちらも非常に滑らかな作動だ。エアガンオリジナルのセーフティはハンマー後ろにスイッチ。トリガープルはSAで750g、DAで3.5kgほど。
スイングアウトもスムーズ。シリンダーラッチはS&Wと異なり、後ろに引いて作動させる。1991年の発売当時には無かったが、スナイピングシステムと呼ばれる固定ホップアップ機構が90年代中頃に追加された。またフォーシングコーンはシリンダーの回転に伴い前後に動いて密着し、ガス漏れを防いでいる。
6インチモデルのグリップはスクエアバットで木目調の樹脂製。黒地に金色のランパントメダリオンが珍しい。グリップ底部にガスの注入口がある。
ラバーグリップの底部にはパックマイヤーとコクサイの刻印が入っている。
カートリッジはメッキされた真鍮製。弾をセットする弾頭部の素材は二種類あり、初期型は緑色で少し固めの樹脂、のちに黒の柔らかいゴム製となった。どちらもリムには.357 MAGNUMの刻印が入っている。
先が細いのは当時のASGKの自主規制でシリンダー内にスリーブインサートを入れる必要があったからだ。
なお、今回の個体はどれも経年劣化によって十分な初速が出なかったので実射は行わなかった。
各モデルカラーが異なるパッケージ。
DATA
発売年 | 1991年夏 |
発売時価格 | ¥12,800 → ¥13,800 (3" ブラック) ¥12,800 → ¥14,300 (4" ブラック) ¥13,500 → ¥14,800 (6" ブラック) ¥14,800 (3" ステンレス) ¥15,300 (4" ステンレス) ¥15,500 (6" ステンレス) |
全長 | 実測 218mm (3") 実測 246mm (4") 実測 293mm (6") |
重量 | 実測 670g (3" カート含む) 実測 706g (4" カート含む) 実測 741g (6" カート含む) |
バレル長 | -mm |
発射方式 | リキッドチャージ式ガス |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 6発 |
平均初速 | -m/s (-J) |
撮影協力:ミリタリーグッズ.com
■関連リンク
ビンテージ エアガン レビュー TOP
トイガン史 1963 ~ 1993 - あるガンマニアの追憶 -
モデルガン&エアガンとトイガン業界の歴史
考察 ブローバック・ガスガン