コクサイ S&W M5904 M5906 ポイントゲッター
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
コクサイのS&W M5904(M5906)は、S&Wサードジェネレーションオートマチックのエアガンとしてはかなり出来の良い製品だった。
発射機構は固定スライドのガスガンで、メカはとくに目新しいものではないが、外観の再現性はなかなかのものだ。
実銃では、アルミ製のフレームとスチール製のスライドという異なる素材で色味が違う。それをM5904ではABS樹脂の表面処理で、M5906ではメッキの質感でうまく表現していた。
今回紹介するのはその両モデルに大型のスタビライザーとマズルブレーキが装着された、ポイントゲッターなるメーカーカスタムモデルだ。
パッと見の印象はロボコップオート9の小型版、とでもいえば聞こえはいいが、なんだろう、いまひとつ中途半端なイメージはぬぐえない。
仰々しいスタビライザーにレーザーサイトが内蔵されたバージョンもあり、当時としては近未来的なイメージを目指したようだが、インナーバレルなどは特に延長されておらず実射性能はノーマルのまま。しかしこれがよく当たり、命中精度はなかなかのものだ。
オーナーのサタデーナイトスペシャル氏が実射した標的紙を見ると、距離5mで5発のグルーピングは25mm。プリンキング用としてはもちろん、これはマッチにも使えるレベルといっても過言ではないだろう。
性能自体は決して悪くないのだが、サバゲーのサイドアームとしてはいまひとつだし、近未来SFガンとして考えても、ロボコップのように明白な設定が存在せず、どこか生気が薄いというか、強い訴求力がないと感じてしまうのは私だけだろうか。
上、M5904。下、M5906。大型のスタビライザーに目がいってしまい、せっかく出来の良い本体のイメージが薄れてしまうのは残念だ。
スタビライザーとマズルブレーキはアルミ製。マットグレーの表面処理自体はいいのだが、M590、M5906共に本体との色味が違うため違和感が大きい。
スライド上面はマット仕上で全体的な質感はリアルだ。リアサイトは左右調整が可能。
チャンバーカバーには粗めのヘアーラインが入っている。斜めにへこんだエキストラクターの再現も秀逸。コクサイ独自のホップアップシステム、スナイパーシステムを内蔵する。
ラップラウンドグリップの質感も素晴らしい。Smith&Wessonの刻印は入っているのに、ロゴマークはKとSを組み合わせた(国際産業?)オリジナル。
スタビライザー内にレーザーサイトが収納されたモデルは¥11,000高かった。全体的にSF銃の雰囲気を表現したかったようにも見える。
M5904とM5906でマガジンの色を変えてあるのはさすがだ。パテント回避のためかマガジン内に放出バルブはなく、銃本体からのびるノズルと連結するデザイン。
オーナーのサタデーナイトスペシャル氏が5mから5撃った標的紙。グルーピングは25mmで、命中精度はかなり高い。
パッケージはとくに特徴のない発砲スチロールと厚紙製の上箱。
マニュアルは小冊子になっており、コクサイの他の製品マニュアルもすべて1冊にまとめられた物。
マニュアルPDF (2MB)
DATA
発売年 | 1991年1月中旬 (M5904) 1991年春 (M5906) 1994年2月 (ポイントゲッター) |
発売時価格 | ¥14,800 (M5904) ¥15,800 (M5906) ¥20,000 (M5904 ポイントゲッター スタンダード) ¥31,000 (M5904 ポイントゲッター レーザーサイト付) ¥21,000 (M5906 ポイントゲッター スタンダード) ¥32,000 (M5906 ポイントゲッター レーザーサイト付) |
全長 | 実測 285mm |
重量 | 実測 824g |
バレル長 | 95mm (4") / 145mm (6") |
発射方式 | リキッドチャージ式ガス |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 14発 |
平均初速 | 51.5m/s |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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