JAC AR18
写真&解説 小堀ダイスケ
解説
昭和40年代前半、今はなきカスタムモデルガンメーカーの六研が製品化して以降、AR18のトイガンとしてはこのJACのガスガンが2作目であり、現在に至るまで最後の製品となっている。
M16のような人気がなかったせいかもしれないが、こうしたマイナー銃好きのガンファンにとっては、少々寂しい状態が続いているというわけだ。
かつて、日本の豊和工業が実銃のOEM生産をしていた事もあり、JACの刻印はまさにその豊和工業製をコピーしているというのが興味深い。
というのも、前述の六研製モデルガンは、豊和工業製の実銃レシーバーを改造して作られており、JACがガスガンの設計をする際、国内に現存しているその六研製モデルガンから採寸した、と言われているのだ。
今となっては確かめようもないが、トイガン界の都市伝説として、非常に面白い話ではある。
JACのAR18はBV式のガスガンだが、全体的に作りが華奢で剛性に乏しいため、当時、筆者の周りでサバゲーに使うゲーマーはほとんどいなかった。
激しく扱うとあっという間に壊れてしまうような銃で、完全な状態で残っている物は少ない。
現在、BV式は規制値以上のパワーが出てしまう可能性があるため、紹介した個体は内部ユニットが取り外され、発射不能な状態となっている。
今後、海外のメーカーなどがモデルアップしない限り、AR18ファンの寂しい思いはまだまだ続く事になるのかもしれない。
一瞬、フラットトップのM16に見えない事もないが、実銃はガスオペレーション作動のスチールプレス製で、発展途上国でも作りやすいように設計されていた。
JACガスガンの外観は実銃とウリふたつと言っても過言ではない。本文中にもある通り、実銃ベースの六研製モデルガンから採寸したとすればそれも納得だ。
豊和工業製をコピーした刻印。実銃ではMFG FOR ARMALIEとなるところにJACと入っているのが面白い。さらに実銃ではBY HOWA JAPANの刻印が入る。
ドラム式のピープサイトはいかにも動きそうだが無可動だ。レシーバー上面の板状パーツはスコープマウントベース。
フロントサイトも無可動だが別パーツなので雰囲気は十分。アウターバレルが根元からポッキリ折れる事もよくあった。
フラッシュハイダーは金属製。旧型M16のチューリップハイダーをより直線的にしたようなデザインだ。
アルミ製のマガジン。BV式はマガジン内部にも気密を保つ必要があるため、本体ユニットとの接合部にゴムのOリングがある。
折りたたみ式のストック。AR18は89式小銃のルーツでもあるため、空挺仕様の銃床と折りたたみ方がよく似ている。
ストックを折りたたんだ際、この穴に本体側のスタッドが入る事で固定される。
かなり薄いストックだがこれでも実銃通り。ネジ類がダミーである事以外、リアルに再現されている。
DATA
発売年 | 1987年8月15日 |
発売時価格 | ¥19,800 フルセット |
全長 | カタログ値 997mm / 736mm(ストック折畳時) |
重量 | カタログ値 2.5kg |
バレル長 | カタログ値 350mm |
発射方式 | 外部ソース式ガス |
使用弾 | 6mmBB弾 |
装弾数 | 30発 |
平均初速 | - |
撮影協力:サタデーナイトスペシャル
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