台灣初公開の「戦術戦闘傷害・災害救助訓練センター」でVR訓練
レポート 王清正
2024年8月23日に台灣の「戦術戦闘傷害・災害救助訓練センター」で初公開された救助訓練をレポート。
台湾の台北市にある戦術戦闘傷害・災害救助訓練センター。
本施設ではコンピューター&AIに接続してさまざまな傷害をシミュレートでき、瞬きしたり「呼吸」することもできる高性能の「戦争負傷ダミー人形」を多数導入する。昨年末の開設以来、「戦術戦闘傷害・災害救助訓練センター」は2,700人以上の軍人訓練生を訓練し、戦闘傷害応急処置における中華民國台灣軍の専門戦術戦闘医療能力を効果的に強化したという。
訓練ルームのスクリーンには戦場の状況が投影され、フロアも振動するようになっている。
昨年12月に開設された国防医科大学の「戦術戦闘傷害・災害救助訓練センター」は、中華民國台灣初の「戦術戦闘負傷者および災害事故救助訓練センター」である。AI人工知能技術を導入し、「戦術的戦闘負傷シナリオシミュレーション訓練システム」、「大規模災害事故シナリオシミュレーション訓練システム」、「車両ケアシミュレーション訓練システム」、「多機能救助技術訓練教室」、「危険環境および物質救助訓練」などの施設がある。
VRゴーグルを装着して戦場をシミュレート。負傷者の人形を使用して訓練する。
敵の砲撃下での状況をシミュレーションし、自力救出、相互救出、負傷者収容所のケア活動を行うことを可能にする。訓練生は仮想現実環境で大量出血の負傷患者を治療し、出血制御、気道の確保、気胸の治療、点滴と注射、低体温管理などの戦闘傷害救助処置を実施した。
負傷者を担架で運び、車両へ搬送する。
搬送された車両内でもメディックが治療を続ける。
これらの車両は油圧システムを備えたシミュレーターで、移動中の振動下でも適切に救助処置ができるように訓練できる。
車両シミュレーターはハンビー救急車、8輪装甲車CM32、AAV-7。
こちらはUH-60ブラックホークヘリのシミュレーター。
車両同様に、油圧システムにより搬送シミュレーションを行える。
「戦争で負傷したダミー人形」の緊急症状への対応能力
戦闘負傷者救出の現実性を高めるために、医療訓練センターが多数の高性能「戦傷者ダミー人形」を導入。教官の軍醫軍曹は、これらの「戦争で負傷したダミー人形」は、まばたき、顔面蒼白、ショック、発熱、舌の腫れ、喉頭浮腫、気胸などの症状や、大量出血を再現シミュレートし、士官や兵士を訓練することができると述べた。
こちらは花蓮空軍基地に展示された実際のハンビー救急車(左)。
ハンビー救急車のカーゴ内。
花蓮空軍基地にてメディック隊員が負傷者を救護する訓練。
訓練風景を動画でもどうぞ。
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