コンパクト・トレーサーの魅力
蓄光弾を使用してBB弾を光らせるトレーサーユニットはローライトコンディションのインドアゲームや、ナイトゲームで人気のアイテムだ。また、タクトレやUABなどのスピード競技においてもその効果を発揮し、使用率が高まっている。
【過去記事】トレーサーの魅力
これまでのトレーサーはライフルを前提とした比較的大きめのサプレッサー形状で、ハンドガンに装着すると長くて重いうえに、ブローバックの作動に影響することもあった。
2017年暮れにACETECHより従来より小型のトレーサー、LIGHTERが発売されて以降、その種類も増えてきたので、今回はいくつかのコンパクトトレーサーを紹介しよう。
今回紹介するトレーサーはいずれもUV LEDを使用しており、より効率的に、明るく蓄光BB弾を光らせるようになっている。UV(紫外線)はとくにグリーンの蓄光弾に対して効果的だ。
また白色ストロボ式に比べて正面から見た時に発光が目立たないのもUV LEDの特徴だ。
ACETECH LIGHTER
ACETECH LIGHTER 9,800円(税別)
パッケージ内容は本体、USBケーブル、取扱説明書(中、英)。
これまでのトレーサーと違うのはバッテリーが乾電池ではなく内蔵式になったこと。これにより小型化が実現している。
リアキャップに電源スイッチがある。その横の小さい穴はバッテリー状態を示すインジケーターランプ。
バッテリー残量に応じて緑、オレンジ、赤のLEDが点滅。さらにバッテリーが少なくなると赤LEDがゆっくりと点滅する。また、40分間撃っていないと自動的に電源オフ、低電圧時の自動電源オフ機能がある。
M14逆ネジ仕様のキャップに11mm正ネジオスのアダプターが取り付けられる。
UV LEDは片側9個の配列となっている。
フロントキャップを取り外すと充電用のUSBマイクロBポート、充電インジケーターランプがある。
フル充電で12,000発射撃可能。
ライフルに取り付けてもシンプルなスタイルで、コンパクト。
重量はM14逆ネジ仕様で59g、11mm正ネジアダプターを付けると62g。
XCORTECH XT301 COMPACT
ACETECHのLIGHTERの発売から後を追いかけるかのように発売されたXCORTECHのXT301 CPMPACT。
XCORTECH XT301 COMPACT 定価 9,000~10,000円程度
XT301のパッケージ内容。本体、M14逆ネジアダプター、マイクロファイバークロスがオマケで付いていた。
もはやフラッシュハイダーサイズと言えるほどの小ささ。
リア側にLEDインジケーターを兼ねる電源スイッチがある。電源オン時、ボタンは緑色に点滅する。
またバッテリー残量に応じて緑、黄、オレンジ、レッドの4段階の点滅で知らせてくれる。
またモーションセンサー内蔵で自動電源オフ機能も備える。
XT301 COMPACTもバッテリー内蔵式。フロントキャップを外すと充電用USBマイクロBポートがある。内部ユニットはUV LED。バッテリーフル充電で2万発発射可能。また、秒間35発の連射に対応する。
UV LEDライトは左右に3個ずつ配置されている。
M14逆ネジアダプターが長いので、ライフルに付けると不格好。
11mm正ネジ仕様のピストル装着時に最適化されるような設計なのだろう。
重量は11mm正ネジで43g、M14逆ネジアダプターを装着して52g。
ACETECH LIGHTER S
XCORTECH XT301 COMPACTに触発されてか、ACETECHからも超小型のトレーサーが2018年9月に発売された。
ACETECH LIGHTER S 9,800円(税別)
パッケージ内容は本体に、M14逆ネジアダプターが装着。充電用のUSBケーブルと取扱説明書。取説は中、英に加え、日本語も記載されている。
さらに小さくなったLIGHTER S。こちらもフラッシュハイダーサイズと言ってよいほど。
ただ、M14逆ネジアダプターを付けるとどうしても不格好になってしまうのが残念。同径のアダプターでもあればよいのだが。
LIGHTER Sは、LIGHTERに比べて全長が3cmも短くなり、直径も3mm細くなった。またLIGHTER SはXT301よりわずかに長いが直径は少し細く、11mm正ネジ部分の形状はほぼ同じ。
フロントキャップはプラ製、リアキャップはアルミ製11mm正ネジオスで、電源ボタンとバッテリーインジケーターがある。
フロントキャップを外せばUSBマイクロB充電ポート、充電インジケーターランプがある。2.5時間で充電完了、フル充電で22,000発発射可能、秒間35連射に対応。コンパクトになったにもかかわらず、取説情報だと発射可能弾数が倍近くに増えている。
UV LEDの配列は左右3個ずつとXT301と同じ。40分間使用しなければ自動的に電源オフ、低電圧時の電源オフ機能、バッテリー残量に応じて緑、オレンジ、赤のLEDが点滅するなどの基本機能ははLIGHTER同様だ。
本体重量は33g。M14逆ネジアダプターを付けても42gと、今回紹介するモデルの中では一番軽い。
DCI Guns ULT Match
DCI GunsのULT(ウルトラ・ライト・トレーサー) "Match"。
今回、国内メーカーのDCI Gunsが開発中である、ULTの試作品をお借りできた。
本体、11mm正ネジキャップ、USBケーブルが付属する。
リア側はM14逆ネジ仕様のキャップになっている。このリアキャップを付属の11mm正ネジキャップに変更すればピストルタイプにも装着可能。
フロントキャップを開けると充電用のUSBマイクロBポートと、スライド式の電源スイッチがある。
電源インジケーターも装備。
段差がなくバレル側にギリギリまで寄せられるデザイン。また今回紹介した製品中、直径が26mmと最も細い。
重量はM14逆ネジで44g、11mmで42g。
このMatchは今回は試作品ということで試射は行わなかった。
総評
最近のトレーサーのトレンドは小型化、リポバッテリー内蔵USB充電式、UV LED、バッテリー残量インジケーターを兼ねた電源スイッチ、自動電源オフ機能装備というのが主流。
また、電源ボタンとインジケーターが銃口側キャップにあると、電源操作や、電源が入っているかが視認しやすいので便利。
ACETECHの3モデルと、XCORTECH XT301を比べてみたが、肉眼で見る限りBB弾の明るさの差は感じられなかった。動画で比較するとAT1000が僅かに明るい気もするが、まあ、発光性能で言えばどれを選んでも問題なし。あとは形の好みだろう。
XT301は本体長が短いためか、撃った音が破裂音に近く、やや大き目の音がした。
参考までに東京マルイの電動ガン、グロック18Cに各トレーサーを装着し、銃口から1mの距離で空撃ちし、音の大きさを測定した結果を載せておく。Matchは試作品のため除外。
音圧レベル | |
ACETECH LIGHTER | 93.9db |
ACETECH LIGHTER S | 94.1db |
XCORTECH XT301 COMPACT | 94.5db |
ACETECH AT1000 | 90.6db |
東京マルイ フルオート・トレーサー | 94.5db |
この中ではXCORTECHのXT301が最も全長が短かく、DCI GunsのMatchが一番細い。最軽量はACETCHのLIGHTER Sだ。
11mm正ネジ規格は日本ではあまり普及していないのでアダプターを介すると不格好になってしまうのが残念だが、これだけ小さくなったらお気に入りのサプレッサーに内蔵することも出来そうだ。
スペック比較
重量(M14/11mm) | 直径 | 全長 (M14/11mm) | |
ACETECH LIGHTER | 59/62g | 30mm | 101/110mm |
ACETECH LIGHTER S | 42/33g | 27mm | 67/87mm |
XCORTECH XT301 COMPACT | 43/52g | 29mm | 63/82.4mm |
DCI GUNS ULT MATCH | 44/42g | 26mm | 75/81mm |
ACETECH AT1000 | 187g | 37.5mm | 155mm |
東京マルイ フルオート・トレーサー | 169g | 37mm | 132mm |
今回紹介したコンパクト・トレーサーはどれも直径が30mm以下なのでライフルのレールハンドガード内に引っ込めて装着することができる。
先日のインドアゲームでチームメイトが使っていたハンドガン。CQBではハンドガンにロングマガジン+トレーサーが強い!!
実際にハンドガンに装着してみればその軽さと取り回しの良さに驚くはず。
コンパクト・トレーサー、ぜひ一つ、二つは持っておきたいサバゲーアイテムだ。
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