サバゲー用にトランシーバーを買った。免許いらずで使用できる特定省電力型だ。KENWOODのUBZ-LJ20と悩んだが、オプション機器の豊富さと安さでアイコムのIC-4008Wに決定。米国国防省や海兵隊でも使用されているものだ。 秋葉原で本体約9000円/1台くらい。オプションは2割引きで入手した。単3電池3本で60時間可動。背面に付属のベルトクリップを付けられる。 |
本体だけでも使用できるが「雰囲気」を重視するため、まずは外部スイッチ「VS-1」を装着する。これで本体はポーチの中に入れておいてもPPTボタンを操作できる。もちろんヘッドセットは別途必要。 VS-1の横にPTTとVOXの切り替えスイッチがある。VOXで試してみたが、ちょっと感度が悪い。感度調節を最大にしてもスロートマイクとの組み合わせでは結構大きな声を出さないと反応しない。 |
つづいて、VS-1からマイクとイヤホンをのばす。とりあえず、スロートマイク HS-97をチョイス。喉にマイクを当て、発声時の振動を直接マイクに送り、クリアな音声を送信できるらしいのだが。 |
やはり、感度や反応速度を考えると、VOXよりPTTのほうが確実っぽい。また、アイコム純正スロートマイクHS-97は本体のマイクで交信するよりも音が小さいので、普通のヘッドセットのほうが確実かもしれない。 とくに、ささやき声とか、抑え気味の声がスロートマイクでは拾われにくい。 |
実際にIC-4008Wをゲームで使用してみた。場所は相模湖ピクニックランドのSPLフィールド。フィールドとセフティゾーンでの交信を試みたが、その間にあるうっそうと茂った竹藪で電波が届かない感じ。使用者同士が同フィールド内にいれば良く聞こえる。森の中では100mも離れたら聞こえなくなりそうだ。また、尾根を挟んだ状態でも電波が届かない可能性もある。ただし、ある程度平坦で、フィールド内メンバー間での会話はクリア。サバゲーで味方同士が50m以上離れることはあまり無いので、そういった意味では使えるのではないかと思う。また、今回35人VS35人程度の中規模なゲームで、味方同士が初顔合わせ+無線の使用者が2人しかいない状況であったため、トランシーバーはほぼ飾りと化したが、雰囲気は抜群でドレスアップ効果もある。
気のあった仲間同士で10vs10名以下のゲームであれば、有効活用できそうな予感。チーム全員が所持というのが理想。
また、アイコム純正のスロートマイクHS-97は喉に密着しにくく、手で押さえつければクリアな音声が聞こえるが、PTTのスイッチも押さなくてはならないため、使いづらいことが判明した。首バンドやタートルネックを着用すれば良いかもしれない。VOXはしゃべりはじめが途切れるのと、最大感度でも大きな声を出さないと認識しないので使えない。次回はブームマイクを買って使用してみることにする。
今回、最後のゲームではスイッチボックスを取り外し、サスペンダー左肩フックに取り付けて上の海兵隊の写真のようにしゃべっていた。そちらのほうが入力感度も良いし確実だった。ただし、スピーカーボリュームが大きいと、味方の声が周囲に響き渡るわけで、その点ではイヤホンだけあれば良いかなあ、と感じた。
今回参加したのはアームズマガジン主催のイベントで、総勢70名程度だったが、主催者が連絡用に無線を使用している以外、無線使用者は見かけなかった。
ブームマイク HS-94を購入した。かなり良い。マイク感度も高く、音声もクリアだ。VOXでも結構使用できる。ただしVOXだと喋り始めが途切れやすく、その他のノイズ(電動ガンの射撃音とか)を拾いやすそう。それはそれでなんか臨場感があるが。感度調整が微妙なので、ブツブツと、とぎれとぎれに受信する可能性も高い。耳で固定するマイクなのだが、激しい運動ではちょっとずれたり、はずれたりしそう。そこで写真のようにゴーグルのバンドに引っかけると頭部に密着して良い。VS-1とこのマイクに決定!!
IC-4008Wの液晶表示。 |
チーム5人がiCOMの特小を装備したゲームを行った。導入当初は無線のやりとりになかなか慣れずに交信無口なメンバー達だったが、1年経過した今となってはなくてはならない必需品。
ゲームの開始合図から、ゲーム中の各自位置の報告、戦術の連携通知、ゲーム終了時の連絡と、とにかく非常に便利。ホイッスルを吹きまくって近所迷惑になることもないし、ゲームが終わったのに迷子になって、フィールドから出てこないメンバーもいなくなる。
さらに追加で対戦チーム用に別の1対の特小を用意したので、ゲーム開始はとてもスムーズ。
持ち運び、装備したときのかさばり具合を考えると、IC-4008Wの折畳みアンテナは便利。価格も安いし、到達距離も変わらないIC-4008Wをサバゲーではオススメする。
4008Wはボディカラーが黒とはいえ、若干グレー。それに比べて4088は完全に黒。ボディは同様の樹脂だが、シボ加工がされていてハードな印象を受ける。デザインも直線的で業務機器然としている。液晶ウインドウはわずかに4088が大きい。 |
4088の特徴がこのロングな固定式アンテナ。16.6cmもあり、10mWの出力ながら、送信受信感度が4008Wに比べて良いとのこと。野外にて感度の調査を行った。場所は河原、間にブッシュを挟んでの送受信となった。4008Wはある程度の距離を離れるとサーっという薄いノイズ音が混じるようになった。4088は受信音質は良く、限界近くになると同様のノイズが混じるが聞き取りやすい。最大到達距離差はそれほど感じられず、どちらも前述の条件で800mは飛んでいる。間に車が走っていると、スパークノイズにより受信がとぎれとぎれになった。 |
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4008Wと4088ではアンテナの位置が逆で、ボリュームつまみの配置も異なる。 |
外部スピーカー&マイクのコネクタは同一。 両方とも、JIS保護等級4防まつ形で若干の雨や雪でも大丈夫。 |
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PTT(PushToTalkの意)スイッチは4088のほうがやや小振り。押したときの感触は4088のほうが柔らかい。アンテナが折りたためる4008Wはなにかと便利だが・・・。 |
4088はACアダプターを使用して家庭電源を使用できるコネクタが側面に付いている。 |
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両者共に背面のカバーを開けるとアルカリ単3電池3本で駆動、送信:受信:待受が1:1:8で、約60時間動作する。また、4088、4008W共に別売専用のニッカドバッテリーパックも使用できる。 |
4088と4008Wの大きな機能の違い
秋葉での価格は4088が13,000円、4008Wが9,000円とその差は4千円。デザインは4088が好みだが、機能と値段差を考えると4008Wでも十分。デザインの無骨さと、少しでも感度を良くしたいユーザは4088を選ぶ???。ちなみにマニュアルに記載されている交信距離の目安はどちらもまったく同じ。 秘話機能とは、その設定をしていない相手には、雑音として聞こえるだけで、通話内容が聞き取ることが出来なくなる機能。 |
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IC-4088の液晶表示。4008Wとの違いは(3)の秘話機能表示、(4)のRPT(復信)表示と(7)のローパワー表示(1mW選択時に点灯)。 |
秘話機能をonにすると、offのレシーバーで同じチャンネル、グループでも、受信した音声が「ギュルルルル・・、ウニョーン・・」と言った感じで聞き取れなくなる。なかなか面白いが、サバゲーではあまり使わない機能かも。
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