富士総合火力演習は、静岡県の東富士演習場で開催される国内最大の陸上自衛隊の実弾射撃訓練。
今年は2011年は8月28日(日)に実施され、人員 約2,400名、戦車・装甲車 約80両、各種火砲 約80門、航空機 約30機、その他車両 約600両が参加し、実弾約44トン(約3億5千万円相当)を使い、約2万8千人の見学者に迫力の演習を披露される予定。
今年は8月25日に予行演習を見学をしてきた。
8月25日はあいにくの雨。むしろ土砂降り。演習場は川のように雨水が流れていた。
雷を伴う豪雨により、演習は40分ほど遅れて開始された。まずはF-2支援戦闘機による対地攻撃デモだが、天候不良によりF-2は飛来せず、あらかじめ地上に設置された爆薬のみ爆発。
会場広場に水しぶきを上げながら進入してくる特科部隊を率いる82式指揮通信車。
陸上自衛隊最大の火砲、203mm自走りゅう弾砲。最大射程は通常弾で約23km。
99式自走155mmりゅう弾砲。最大射程は約30km。御殿場から小田原や熱海までを砲撃可能。
203mm自走りゅう弾砲が射撃。
155mmりゅう弾砲 FH70も射撃。有効射程約24Km、西ドイツ、イタリア、イギリスの参加国によって開発されたものを日本製鋼所がライセンス生産している。
21門すべての火砲による100分の1秒単位での精度が求められる、二段山、三段山上空に富士山を描く同時弾着を披露した。
81mm迫撃砲 L16を射撃。
89式装甲戦闘車の砲塔側面に搭載された79式対舟艇対戦車誘導弾発射装置、通称「重MAT」の射撃。
CH-47J輸送ヘリコプターでファストロープを使って降着し、爆破ミッションが行われる。
爆破ミッション完了後はエクストラクションロープを使用して隊員を吊り下げ、緊急脱出する。隊員はライフルを構え地上を警戒したまま。
軽装甲機動車のルーフから01式軽対戦車誘導弾(軽MAT)を射撃。
近距離目標に対して低伸弾道モードと、遠距離の目標に対して目標を上空から追尾するダイブモードの2種類の飛翔モードで射撃を行った。
96式装輪装甲車が、96式40mm自動てき弾銃と12.7mm重機関銃M2で射撃。
その後、96式装輪装甲車の後部ハッチから隊員が下車し散開、89式小銃およびミニミ軽機関銃による射撃、06式小銃てき弾の射撃を行った。
06式小銃てき弾は国産の22mmライフルグレネード。
実弾を使用して発射するとグレネード後部でライフル弾を受け止めグレネードが発射される仕組み。
対空火力の87式自走高射機関砲。双連のスイスのエリコン社製35mm対空機関砲を撃つ。
愛称は「スカイシューター」。ガンタンクとか87AWとも呼ばれる。
偵察バイク(カワサキKLX250)が進入し、猛スピードで演習広場を横切る。
観客席の目の前で華麗なジャンプを披露!!
87式偵察警戒車。6輪装甲車ってカッコイイよね。
砲塔に搭載したエリコン社製の25mm機関砲を射撃。
89式装甲戦闘車によるエリコン社の90口径35mm機関砲KDEの射撃。
90式戦車。第11旅団、第11戦車大隊所属。北海道札幌市の真駒内駐屯地に駐屯する機甲部隊。
十一を意味した「士魂」と砲塔にマーキングされている。
走行しながら射撃、停車してすぐに射撃などを披露。
90式戦車の迫力の発砲炎。全身に響き渡る実弾の射撃音は大迫力。
90式戦車が稜線沿いに射撃。戦車砲は光の線となってターゲットに吸い込まれる。
74式戦車の射撃。今後は10式戦車に代替されていくのでその姿を火力演習でみられるのもあまり長くはないだろう。
ド派手な煙幕で演習はフィナーレを迎える。
今年も夜間演習を見学した。夕暮れ時の東富士演習場。この頃には昼間の雨もなんとか止んだ。
横一列に並んだ戦車が次々に射撃。曳航弾が一直線に的へ飛んでいく。
74式戦車の夜間射撃。真っ暗闇にビカッ、ドムッと放たれる閃光はちょっとした花火観覧の感覚。
90式戦車の夜間射撃。
演習場が照明弾に照らされると幻想的な雰囲気になる。
照明弾で照らしたところへ特科部隊が射撃。
最後は機関銃を一斉射撃して終了。
今年は雨で航空機はCH-47しかみられず、豪雨でびしょ濡れになり大変だったが、雨天の火力演習もなかなか迫力があって面白かった。