陸上自衛隊 富士学校 開設59周年記念行事 2013 予行

陸上自衛隊 富士学校 開設59周年記念行事 2013

2013年7月5日に静岡県駿東郡小山町の富士学校・富士駐屯地にて開催された開設59周年記念行事の予行演習をレビュー。本番は7/7の日曜日に開催される。

濃霧か雲か視界は真っ白
今回は金曜日に催された予行演習を取材した。しかし、富士の麓の変わりやすい天気でこのとおり、濃霧か雲か視界は真っ白。

戦国自衛隊のタイムスリップシーンみたい
真昼なのにまるで夜間演習のごとく幻想的な雰囲気。戦国自衛隊のタイムスリップシーンみたい。

10式戦車も8両登場
10式戦車も8両登場。

戦車が横列駐車
戦車が横列駐車してると迫力がある。

第2ロット
取材でお会いした月間パンツァー編集の方によると現在26両の10式が納入されていて、今回の車両は第2ロットということだった。

水しぶきを上げて行進する10式戦車
土砂降りの中、水しぶきを上げて行進する10式戦車。

90式戦車
90式戦車も観閲行進に参加。やはり存在感がある。

74式戦車
74式戦車も少数ながら登場。いずれ10式戦車に換わっていくのだろう。

99式自走155mmりゅう弾砲
99式自走155mmりゅう弾砲。陸上自衛隊の装備する最新鋭の火砲。その最大射程は約30km。

捜索評定レーダ装置 JTPS-P15
捜索評定レーダ装置 JTPS-P15。88式地対艦誘導弾に随行し、海上の敵艦船などを索敵する。捜索範囲は120度、数10km。評定方式は自動評定/手動評定。レーダ方式はパルス圧縮、離隔距離は200m(光ケーブル)、電源1.8kw。

中距離多目的誘導弾
昨年の富士総合火力演習でも登場した中距離多目的誘導弾。

特科教導隊 第303観測中隊所属のこの車両
特科教導隊 第303観測中隊所属のこの車両、何でしょう? もしご存じの方がいましたらこちらよりご連絡ください
おそらく地上レーダーの一種かと思うのだが...。上の黄色い部分には「カバー取り外し時、アンテナエレメントに傷をつけないこと」と注意書きがある。


模擬演習ではこの濃霧にもかかわらず、偵察バイクがジャンプしていた。


カートキャッチャーを付けた89式小銃を撃つ隊員。


87式偵察警戒車。砲塔にはエリコン社製の25mm機関砲を搭載する。


155mmりゅう弾砲 FH-7099式自走155mmりゅう弾砲が砲撃。しかし、なんだかよく見えない。


模擬戦闘には10式戦車も登場して主砲や機関銃を射撃した。


同軸機関銃の発砲炎が見えた。


模擬戦闘で進撃する90式戦車。


今回は雨、霧、風で7月にもかかわらず、カッパを着ていても寒かった。
さてさて、今回は資料館も見学することができたのでその一部をご紹介。
スナイドル銃
スナイドル銃
イギリスのエンフィールド造兵廠が製造した前装式銃を米国人ヤコブ・スナイダーが前装式の不便から、エンフィールド銃の後尾を切断し薬莢を装填できるように考案した後装式銃をスナイドル銃と呼んだ。日本にも輸入され、戊辰戦争における政府軍の主要銃となった。


スナイドル銃のレシーバー部。

二十二年式村田連発銃
二十二年式村田連発銃
ヨーロッパ各国で採用され始めた連発式銃に対応するため、我が国銃器開発の第一人者である村田経芳(むらた つねよし)少将が設計。従来の黒色火薬を無煙火薬に変更し、銃身下部に8発の管状弾倉を備え、撃発バネにコイルバネを採用するなど、意欲的な先進銃であった。しかし発射速度が速すぎて命中精度が低下し、発射ごとのバランスが不安定で、弾着位置が狂うなど信頼性に欠け、有坂成章が設計した三十年式歩兵銃が好評だったこともあり、軍制式としてはわずか8年の短命に終わった。

三式重機関銃
三式重機関銃
南部銃器製造所(中央工業)の南部麒二郎が開発し、1914年(大正三年)に制式採用された。それまではホチキス機関銃を国産化した、三八式機関銃が使用されるが、加熱される銃身の寿命が短いという欠点があるため、明治末期には水冷式機関銃が開発される。しかし水冷式は重量が増し、野戦には向かなかった。
南部の三年式は放熱効果を高めた空冷式で、シベリア出兵などで使用され、高い信頼性を発揮、故障が少なく、誰が撃っても変わらない「名機」の評価を獲得し、日中戦争まで広く使用された。

九九式軽機関銃
九九式軽機関銃
日立工機が世界の趨勢に合わせ、従来の九六式軽機関銃を基にしながら、口径6.5mmを7.7mmに拡大する設計開発を行った。外見はチェコのZB26やZB30軽機関銃に似ているが、内部の構造はホチキス機関銃の影響を強く受けている。
傑作銃と言われる九六式軽機関銃の構造を継承、口径の拡大に合わせて各部の強度を高めたために、1kgほど重量は増えたが、一段と向上した工作制度に裏付けられて命中精度は上がり、前線での評価も高かった。

ここからは戦後の自衛隊に採用された銃器。米軍からの供与もある。
11.4mm 短機関銃M3
11.4mm 短機関銃M3。いわゆる米軍のグリースガン。

7.62mm小銃カービン
7.62mm小銃カービン。いわゆる米軍のM1カービン。

7.62mm小銃M1
7.62mm小銃M1。いわゆる米軍のM1ガーランド。

64式7.62mm小銃の試作品
64式7.62mm小銃の試作品。細かい部分で64小銃とは異なる部分が見られる。

富士学校敷地内の広場に展示してある旧車両装備も紹介。

米軍より供与されたM4A3型中戦車「シャーマン」。昭和27年から~47年まで使用された。
76mm戦車砲を備え、重量は32t。出力は500馬力、乗員5名。最大速度は約42km/h。


これも米軍から供与されたM24型軽戦車「チャーフィー」。昭和27年から昭和49年まで使用。
75mm戦車砲を備え、重量は18t。出力は105馬力のエンジンを2基搭載し、乗員5名、最大速度は55km/h。

60式自走106mm無反動砲
60式自走106mm無反動砲
昭和35年から平成18年まで使用。106mm無反動砲と、12.7mmのスポットライフルを装備。重量8t、出力は105馬力、乗員3名、最大速度は約55km/h。

155mm榴弾砲
155mm榴弾砲
昭和33年制式。口径155mm、最大射程14,900m。最大発射速度は毎分16発。重量5.7t、操作人員12名。

105mm榴弾砲
米軍供与の105mm榴弾砲
昭和27年から平成10年まで使用された。口径105mm、最大射程11,200m、最大発射速度は毎分10発。重量2.3t、操作人員は10名。

75mm榴弾砲
75mm榴弾砲
こちらも米軍供与のもの。昭和27年に配備、昭和56年退役。口径75mm、最大射程8,800m、最大発射速度は毎分10発、総重量0.65t、操作人員は7名。

75式130mm自走多連装ロケット弾発射機
75式130mm自走多連装ロケット弾発射機。昭和50年から平成16年まで配備。最大射程は14,500m、最大発射数30発、重量16.5t、乗員3名、最大速度は50km/h。

から揚げ定食
富士学校の中にある食堂のから揚げ定食は650円と安いのにボリューム満点だった。


2013/07/06

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