電子トリガー「フューチャートリガー」を試す!!
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電子トリガー「フューチャートリガー」を試す!!

レポート:戸井 源太郎

電動ガンのトリガーレスポンスを画期的に向上させる電子トリガー「フューチャートリガー」が発売されました。「フューチャートリガー」とは一体どのようなものか、その性能、効果はどうなのか? 実際に射撃テストを行ってレビューします。

電動ガンは気温にも左右されず、よく飛び、よく当たり、安定した性能で信頼性も高く、サイクルコストも安いとサバゲー用のメインウェポンに最適なアイテムでしょう。
あえて欠点を挙げるというならトリガーレスポンスの遅さがあります。

電動ガンの発射のメカニズムを簡単に説明します。
まず、トリガーを引くと、トリガーとスイッチの端子が接触し、電流が流れます。するとモーターが回転し、ギアを介してピストンを引いてピストンをリリース、そしてようやくBB弾が発射されるのです。

つまりトリガーを引いてからBB弾が発射されるまでにメカ的にどうしてもタイムラグがあるのです。フルオートで撃つ場合は、大して気になりませんが、昨今はタクティカルシューティングが人気になって、セミオートで撃つ機会が増えてくると、その反応の遅さにイライラとしてきます。またセミオートで連射するとトリガーフィンガーに電動ガンがついてこれずトリガーロックすることも多々あります。またスイッチが焼き付きを起こす危険もあります。
これらの問題を解決するのが、FET(Field effect transistor/電界効果トランジスタ)で、これでスイッチをデジタル化するのです。

FET
FETは、電流のON・OFFを端子の接触で行う機械式スイッチではなく、電子制御スイッチになります。簡単に説明するとバッテリーからモーターまでの配線には常時、直結しており、電流を流すかをFETで行うのです。スイッチに機械的な接触がないため、火花は出ることはありません。サイズも通常は小指の爪くらいで、非常に小さいので電動ガンにも搭載できます。しかし一般的なFETはスイッチだけの機能しかありません。

フューチャートリガーの心臓部
これがフューチャートリガーの心臓部、本体基盤です。
フューチャートリガーの特徴は単なるFETスイッチではなく、トリガー用やセクターギア位置検出用のマイクロスイッチなどを、電子基板に搭載することにより、ピストンの後退位置やバーストなど様々な射撃設定が可能なのです。
他メーカーでも同じような機能のFETが発売されていますが、このフューチャートリガーが一番、優れているところは、各種射撃設定を電動ガンにスマートフォンを接続することにより、専用アプリで視覚的に、簡単にできることです。また、消費電力が少なく、バッテリーの燃費向上にも繋がります。メーカーの実測でも同じバッテリーでノーマルと比べて約3割ほど発射弾数が増えたそうです。

東京マルイのver.2の電動ガンの中に組み込みフューチャートリガーは外観を崩さず、東京マルイのver.2の電動ガンの中に組み込みができます。見た目は変わらないのに、射撃力がアップ! セミオートでも弾幕を張れます。

セット内容
フューチャートリガーのセット内容です。東京マルイver.2メカボックス対応で、前配線、後配線と2種ラインナップしています。使用するためにはスマートフォンの専用アプリが必要です。専用アプリは「フューチャートリガー」で検索してダウンロードできます。iPhoneは4S〜7まで対応、Androidは順次アップ予定ですが、現時点でSony Xperiaシリーズには対応しているようです。
また来年に向け、東京マルイのver.3、次世代用を開発中とのことです。

内容物: 電子トリガー本体、中継ボックス、接続ケーブル2本、特製ステッカー
サイズ: 本体基盤 約32mm x 46mm(コード部含まず)
中継ボックス 約119mm x 68mm x 20mm(コード部含まず)
重量: 本体基盤 約5.75g(コード部含まず)
中継ボックス 約882g(コード部含まず)
対応バッテリー: Li-Po 7.4V推奨、Li-po 11.1v、Ni-H 8.4V
価格: 39,999円(税込)
発売: 2016年9月
公式サイト http://www.futureofairsoft.com

※東京マルイver.2メカボックス対応
※対応以外のバッテリーでのご使用は故障の原因となりますのでおやめください。
※電動ガンは必ずフューズを付けてご使用ください。

電動ガンのスイッチ
通常、電動ガンのスイッチはトリガーを引いて端子が物理的に接触することによりONとなります。その際に火花が出たりするため、端子が焼付いたり、溶けたりすることがあります。
特に強いスプリングなどでより負荷がかかる時、高性能なバッテリーを使うと、より顕著に火花が出ます。

純正スイッチ端子
こちらはスタンダード電動ガンの純正スイッチ端子になります。銀色と茶色の端子部分が接触し、端子が焦げることがあります。負荷がかかると熱で周囲の樹脂部が変形することも。

メカボックスに無加工
電子トリガー本体はver.2のメカボックスに無加工で、ぴったり収まるようになっています。また配線のハンダ付けなども必要ありません。
しかし電動ガンを分解、組み立てできるカスタム知識が必要な上、電子基板部は精密機器で壊れやすいので、自信がない方はショップで組み込んでもらうのが無難でしょう。

専用アプリ
フューチャートリガーの一番の特徴は電子トリガー本体の各種設定をスマートフォンの専用アプリにて簡単に行えることです。

スマートフォンのアプリを開く
電動ガン本体を中継ボックスを介してスマートフォンのアプリを開くと、バッテリーの種別、ピストンの後退位置、バーストモードのON OFF、バーストの発射数コントロールを設定できます。

ピストン位置が1
ピストン位置が1の時が通常状態(ピストンが前進)です。トリガーを引いてからピストンを引いてリリースするため、どうしてもレスポンスが遅くなってしまいます。

ピストン後退位置を4
フューチャートリガーによりピストン後退位置を4に設定すると、ピストンが引かれた状態で待機となります。トリガーを引いたらピストンがリリースされるためレスポンスが向上します。

中継ボックス
スマートフォンでの設定には中継ボックスを介して行います。付属の接続ケーブルで電動ガンとスマートフォンを接続します。


電動ガンのセレクターはセミの位置にして、電動ガン、中継ボックス、スマートフォンとバッテリーをこのように接続します。全てを接続してからトリガーを引きながら中継ボックスのスイッチをONにしてください。これで電動ガンとの接続が完了です。


ガンに接続して各種設定をアプリで行った後は、画面をスクロールして、最後に設定を送信するを押せば、銃本体内の電子基板上に設定が保存されます。
あとは中継ボックスのスイッチをOFFにして、電動ガンにバッテリーを接続します。その際、「ブー」と電子音が聞こえれば射撃準備完了です。


接続ケーブルのコネクターは凹凸があり、向きを間違えることありません。


白いケーブルをバッテリーに、黒いケーブルを電動ガン本体に接続します。オスメス違うので、こちらも接続を間違えることないようになっています。


中継ボックスのスイッチをONにすると赤く光るのでわかりやすいです。


もう1本ある接続ケーブルをスマートフォンのイヤフォンジャックと中継ボックスのホールに接続します。


射撃後の注意点ですが、ピストンを後退位置のまま、スプリングが縮んだ状態で保管しておくとメインスプリングによくありません。保管時はピストンを前進させスプリングを解放する必要があります。
方法は中継ボックスを介す必要もなく、実に簡単にできます。最後に1発空撃ちしたまま数秒トリガーを引きっぱなしにするだけです。しばらくすると“ガチャン”とピストンが前進します。
最後にこれを忘れないようにしましょう。
その時は銃口を真下に向けて、万一BB弾が発射されても周りに危険が及ばないよう配慮しましょう。


実際にフューチャートリガーを搭載した東京マルイ M4A1 RISで各種設定して、ノーマルの電動ガンとトリガーのレスポンスの違いをテストしてみたいと思います。
バッテリーはLi-Po 7.4Vでテスト時で8.2V、充電率84%でした。
ガン本体の設定もスマートフォンで視覚的に行えるため、操作も簡単ですし、わかりやすいです。

まず、ピストン後退位置でのトリガーレスポンスを試してみました。トリガーの感触ですが、ノーマル電動ガンの“モシャバン!”というギア、ピストンのメカノイズもなく、トリガーを引いた瞬間に“バシッ!”と発射され、確実にレスポンスの向上が実感できます。セミオートでの速射にもちゃんと追従して問題ありません。試しトリガー前に指を入れて素早く前後に動かしてみましたが、トリガーロックすることなく全弾確実に作動します。レスポンス、追従性は文句なしです。

次にバーストモードを試してみました。これを設定するとセレクターのフルオート位置でOFF(通常のフルオート)、1〜10発までのバーストモードが設定できます。電子的に発射弾数を制御しているため、バースト10発に設定すると一瞬トリガーに触れ、すぐ指を離しても確実に10発が発射されます。最初はちょっと驚きました。
見た目はノーマルの電動ガンですが、中身はすごいことになっています。

 


ピストンを後退位置で保持することでレスポンスもよく、スイッチの焼き付き防止にもなり、設定もスマートフォンにより行え、非常に簡単なので、このフューチャートリガーは、数あるFET電子トリガーの中でも、性能、機能面から、かなり優秀です。半日撃って色々検証してみましたが、特に誤作動や故障などもなく、快調に撃てました。

しかし試射してみて、個人的に気になった点を挙げさせていただきます。
まず接触式から電子スイッチになったため、接点が非常に軽くなり、どこで発射されるかがわかりにくく感じました。実銃のようにトリガーを徐々に引いていくと、最後に重くなり、ここでシア(電動ガンにはありませんが)が落ちる、みたいな感触が欲しいのです。

またトリガー周りはノーマルのままだと、ストロークが長すぎて、"ふにゃっ"と、引きにくい印象を受けました。トリガーストロークが長すぎると指のアクションが大きくなり、射撃時に銃がブレて弾道が乱れやすくなりますので、トリガーはショートストローク化した方がよいでしょう。

もっとも、これらはフューチャートリガーの問題ではなく、射手の好みの問題で、フューチャートリガーの性能をさらに発揮するためにトリガーを自分仕様にカスタムする必要があると私は感じました。

フューチャートリガーの注意事項


現在、フューチャートリガーは東京マルイのVer.2モデルのみ対応で、海外製電動ガンにはまだ対応していません。また東京マルイ製でも個人で内部カスタムされている電動ガンに関しても不具合が出る可能性がありますので、注意してください。

そして組み込む際にも精密機器なので、注意が必要です。ちょっとぶつけたり、接触で簡単に破損します。一応、購入から30日以内なら有償取付破損保証がありますので、購入時のレシートを大切に保管しておいてください。組み込みに自身のない方はショップにお願いするのが無難でしょう。

フューチャートリガーは電子機器であるため、雨天時の使用は避けてください。元々、電動ガン自体、リポバッテリーも水濡れはNGですよね。

また多くのFETはバッテリーが低電圧(電池切れ)で使い続けると破損する危険がありますが、フューチャートリガーでは低電圧時のカットオフ機能が搭載されています。
ニッケル水素8.4V電池: 約7.0V
リポ7.4V電池: 約6.6V
リポ11.1V電池: 約9.9V
で、以下の電圧になるとカットオフが作動します。また11.1V設定で、7.4V電池を接続すると動作しない設定になっているそうです。

滅多にないことですが、それでもなんらかの原因でフューチャートリガーが破損した場合、トリガーを引いてないのに発射状態になりますので、素早くバッテリーを外してください。
そして前述したように使用後には必ず後退解除をしてください。その後、バッテリーは外して保管してください。


このフューチャートリガーは飛距離が伸びる、命中精度が向上するなど見た目でわかるものでなく、トリガーのレスポンスを感じるカスタムで派手さがないと思われるかもしれません。ノーマルと比べてたった0.何秒くらいのわずかな差ですが、その差がサバゲーでの一瞬のヒット判定や、マッチでのタイムなど、有利に導くことになるでしょう。
一度このトリガーの感触を味わうと元には戻れません。ぜひこのレスポンスの違いを味わってみてはいかがでしょうか。

撮影協力:ビレッジ2

各ショップにてフューチャートリガーのデモ機を体験!!

以下のショップにてフューチャートリガーのデモ機が設置されています。ぜひ皆さん体験してみてください。

【関東エリア】
・ファースト アメ横店
http://www.first-jp.com
東京都台東区上野6-3-15
03-5817-4627

・東京サバゲパーク
http://tokyosabagepark.jp
千葉県印西市草深259-30
0476-48-5215

【関西エリア】
・ファースト 大阪本店
http://www.first-jp.com
大阪府東大阪市長田東5-1-3
06-6745-3331

・カメレオン
http://chameleon-jpn.com
大阪府箕面市稲6-15-16
072-728-0176

 

フューチャートリガー 公式サイト
http://www.futureofairsoft.com

 

2017/03/28


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