ミリタリーパッチの幻影 : 第160特殊作戦航空連隊
Reported by SPECTRE SIGNS GEAR
皆さんパッチ使ってますか?
装備の再現からファッションまで幅広く使えて、価格も大量生産品の数百円~コレクター向けになると数万円(!)するものまで色々で、それはそれは奥が深いアイテムです。
星の数ほど存在する多種多様なデザインと組み合わせは見ているだけで楽しいもので、初めてサバイバルゲームグッズを買う時に「まずはパッチから!」という人も多いと思います。
ですが、我々サバイバルゲーマーや装備愛好家はさておき、本職の隊員達はどのようにパッチを使っているのでしょうか。
実は意外と知られていない(?)パッチのアレコレ。「貼る」の裏側にあるたかがパッチ、されどパッチの魅力をやんわり探っていきます。
ナイトストーカーズ
出展:Zero Dark Thirty
第160特殊作戦航空連隊(160th SOAR)は通称“ナイトストーカーズ”と呼ばれるアメリカ陸軍所属の航空作戦部隊です。日本では映画『ブラックホークダウン』(2001年)や『ゼロダークサーティ』(2012年)で名前を知られるようになりました。
出展:JSOTF3 Wiki
航空の名の通り、ヘリコプターを中心とした多くの航空機を運用し、隊員は過酷な試験に合格した者だけが所属を許される正真正銘のエリートです。同じく陸軍所属の“DELTA FORCE”や海軍所属の“DEVGRU”などとも作戦を共にする強者達です。
※地上に展開する160th SOARの隊員達
航空部隊と聞いてパッと思い浮かぶのはパイロットやドアガンナーなど航空機の運用に必要な要員達ですが、実は他の特殊部隊同様に地上の戦闘チームも存在します。
航空部隊の地上戦闘要員とは何ともシークレットな雰囲気です。パッチ屋としては使用するパッチが気になって気になって仕方ありませんが、とある近い方によると「ミッションによりけりだぁね」とのこと。待って待ってそこんとこもうちょっと詳しく聞かせて。
平時は識別用にこのようなパッチを使用します。これはスペクターサインズギアで制作したものですが、場合によっては名前や階級なども入り、近いのは海兵隊が使用しているタイプでしょうか。他にコールサインはコンバットシャツの左腕フラップポケット、フラッグパッチが右腕で左右腕の下半分にはチームやユニットパッチを着用します。
実戦時は前述のようにミッションによって規則が変わるので一概にコレ!というのがありません。基本パッチの他にもモラルパッチがOKの場合もあります。ですが基本的には「コールサインのみ」が多いようです。
なお、モラルパッチとは英語でmoral(道徳)とmorale(士気)を語源とするものです。
着用者の主義主張をキャッチコピーや単語、ジョークやモチーフなどの絵柄を用いて示したものであり、見る者へ訴えかけるメッセージ性を主としています。
パッチは本来、単に特定の部隊や任務、所属、個人を識別する目的で製造、着用しますのでこれらと区別して『モラルパッチ』と呼ばれます。実戦では味方の誤認や混同を防ぐため着用が制限されることがあります。
160th SOARは『陸軍特殊作戦コマンド』所属です。そのほとんどがAirborne(空挺部隊)なので奇襲や先制、秘匿行動が多く、敵に見られた時のことを考えて身元が分からないようパッチを外しているのですね。サバイバルゲームで装備に縛られず設定を組む時でも部隊の背景や想像を膨らませると説得力のある面白いスタイリングになると思います。
出展:VIC News
装備の中でパッチというのは本当に大事な要素です。2016年にオレゴン州野生生物保護区で発生した立てこもり事件でも、FBIが諸事情でPOLICEパッチしか貼っていなかったため国内外で「え、誰!?」と話題になったことがあります。
現役の隊員が使用する装備の一部です。装備は個人で自由に選べるものが多く、さすがは特殊部隊。この時はSEALs納入メーカーでもある『T3 GEAR』を中心にまとまっています。
オーダーメイドパッチ『SPECTRE SIGNS GEAR』
ハンドメイドによるパッチ製作。公務員、法執行機関要員からのオーダーも多数手掛ける。
公式サイト
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