トイガン写真撮影テクニック 第2回
自己流トイガン写真の撮り方解説パート2です。
撮影方法はいろいろありますが、皆さんのトイガンホビーライフの参考になれば幸いです。
今回は定番の置き撮りです。
サイドビューの撮り方
今回はド定番ともいえるサイドビューの撮り方を解説します。
サイドビューはその名の通り、真横から銃を撮影するアングルで、ハイパー道楽のレビューや専門誌の製品記事でも良く目にします。また、ショップさんでは、ネット販売用にこのアングルを撮ることも多いのではないでしょうか。どちらかというと業務用?のアングルカットです。
とはいえ基礎中の基礎なので、綺麗に撮れるようになっておきたいですね。
置き撮りと、起し撮り
トイガンの撮影方法は大きく分けると二種類あり、テーブルや床にペタンと置いて撮る「置き撮り」と、銃を立てて撮る「起し撮り」になります。まあ、この言い方や定義も自己流なので、もしかしたら撮影専門用語が別にあるのかもしれませんが、本記事ではこの言葉を使って解説します。
サイドビューの撮り方は床に白い背景紙を敷き、その上に銃を置いて手前と左右にレフ板を設置します。
前回の記事で紹介したデッサン用の練り消しゴムを使用してスライド側を浮かせます。
この少し手前に傾いた面に垂直になるようにカメラを設置します。
真横から撮れていない例です。トリガーガードの下面やシリアルナンバープレートが見えてしまっています。これを避けるためにスライド側を少し浮かせると撮影が楽になります。
今回は被写体と距離を取りたいので、床に白背景を敷いてます。
レフ板を三方から囲うように設置し、照明はほぼ真上から当てています。レフで反射した光が銃の影を最も薄めているところで角度を決めます。
被写体とカメラの距離ですが、今回は三脚の足をいっぱいに伸ばして1m超上からズームして撮っています。長物の場合は1.5m~2mとか、もっと高い位置から撮ることもあります。
距離を置くとそれだけ歪みにくくなります。上の写真は加工したイメージですが、レンズによってスライドのラインが曲がっているのが分かるかと思います。ただ、最近のカメラは歪み補正機能もあるので、見た目に気にならなければ適度な距離で撮っても良いでしょう。
レフ板を使用しない状態だと影が強く出ます。これも悪くはないのですが、影を飛ばして銃のシルエットを分かりやすくしてみましょう。
レフ板を立てるとこのように光が回ります。影が薄くなっているのが分かりますね。
このときなるべく水平に撮るように銃やカメラの角度を調整してください。それでもやはり傾いてしまうことがあります。その場合はPhotoshopなどの画像加工ソフトで角度を補正します。
スライドラインで水平を取ります。Photoshopの場合、ものさしツールでスライド下ラインを基準にしてレイヤーの角度補正をすれば一発で水平にできます。
これで完成ですが、なかには「カタログに載っているような影の全くない写真にしたい」という人もいるでしょう。たしかにトリガーガードの内側に少し影が出ています。
雑誌原稿の場合はこの状態の写真を入稿して切り抜き指定すれば、デザイナーさんが背景抜きをしてくれます。
自分で背景抜きをする場合の方法を2つ紹介します。
ひとつ簡単な方法として、Photoshopのレベル補正機能を使用します。明るさ側の閾値を下げてある一定以上の白は完全な白に飛ばしてしまう方法です。ただ、これでもトリガーガード内の強い影は残ってしまいます。
もう一つは銃だけを選択ツールで選択して、それ以外の背景を白く塗りつぶす方法です。Photoshopの場合、[被写体を選択]という便利機能があります。ただ完全に綺麗に選択できることは稀なので、他の選択ツールを駆使して綺麗に地道に輪郭を抜いていきます。この作業はかなり苦行です。もっと良い方法があれば教えて欲しいですね。
こんな感じで背景を白く飛ばすことができます。これをレイヤー化して背景と別で入稿したら、編集者から「ああ、このライターさん、すんごい気が利いてるな」と思われるでしょう(笑)。
斜めアングルの写真を撮ってみよう
それでは次に、置き撮りで下の写真のような斜めアングルの写真を撮ってみましょう。
このアングルも定番ですね。銃を斜めにすることで、俄然雰囲気が盛り上がります。このアングルから派生して背景を変えてみたり、小物を配置したりと応用幅の広いアングルです。
レフ板は二枚使用しています。一枚は銃口側から、もう一枚はグリップ下側を明るくするように設置します。これも先ほどのサイドビューの三枚レフの応用です。照明は少し右寄りに配置し、カメラは低めにし、銃口側から狙います。
最初はわかりにくいと思いますが、銃を面で捉えるとレフの当て方、設置場所が理解できるようになります。光を各面で反射させてレンズに入れる、このことが分かると作業時間が短くなってきます。
レフが無い状態ではこちら。影が強く落ちて、これはこれで力強いのですが、マズルが暗いのがもったいないですね。
レフを当ててトリミング、角度修正してみました。ディティールがはっきりして形がわかりやすくなります。このレフの当て方はのちのち"色っぽい"作品作りにも応用できますので習得しておきましょう。
構図の決め方
この斜めアングルの構図ですが、三角形で捉えるとわかりやすくなります。
大事な点としてはマズル位置を下げすぎると、しょんぼりした元気のない雰囲気になります。
比較してみましょう。
これはマズルを下げすぎです。グリップよりもマズルが低くなってしまい、前のめりな印象です。
まあ、これはこれでありのような気もしますが、もともとこのアングルで撮っていないので、床面に対する設置感が不自然です。白背景だと気づきにくいのですが、ガンケースなどの上で撮影した写真をソフトで回転させるのには限界がありますから、ある程度は撮影時に構図を決めておきたいところです。
反対面をマズル上向きで撮ってみました。左右どちらで撮るかはさておき、このアングルも定番です。この構図は縦型の写真の場合が多いですね。ちなみに銃には表面と裏面があります。一般的には左面が表、右面が裏です。メインカットは表面で撮るのが基本です。
ホコリを取るのが鉄則
どんなに綺麗なライティングでも銃がホコリまみれではダメです。ホコリは撮る前に可能な限り除去しましょう。
静電気除去ブラシで軽く撫でます。
ブロアーで吹いて銃の表面や背景紙に付着したホコリを飛ばします。エアダスターだと勢いが強すぎて小物撮影の時にアクセサリーがすっ飛んでいったりするので、力加減のしやすいブロアーが良いと思います。
以前に某メーカーさんからお借りした新製品をレビューした際、機関部から漏れ出したちょっとした油滲みが付いていて撮り直しを要求されたことがあったので、ホコリや汚れ取りは重要です。
上げ底しよう
置き撮りの際に使用するテクニック「上げ底」です。前回にも紹介した練消しゴムを今回も使用しています。
練消しゴムを小さくちぎって丸め、スライド前後、グリップの三点で浮かせます。
浮かせると、光が回り込みやすくなり、その分影も薄くなります。またサイドビューで解説したとおり、カメラに対する面向きの調整もあります。
家電製品に使用されるゴム足やアクリルブロックも使用します。ホームセンターなどで売っていて、大小あると便利です。
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