レビュー: 金子一也
ICS M4シリーズ 電動ガン スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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製品が納められた外箱は基本のM4A1に加え、上記の各種バリエーションがあしらわれたシリーズ共通のもの。詳細な分解イラストが載った説明書に加え、クリーニングロッドと200発程度のBB弾が同梱されている。ゼンマイ式の多弾マガジンが最初から2本付属しており、バッテリーさえ確保出来ればそのままサバゲデビューも出来そうだ。尚、RISタイプの方は上記に加え、PEQ2型バッテリーケース、KACタイプのレールカバーとフォアグリップが付属する。
箱から取り出して見ると、自重約3kgというフルメタルならではのズッシリとした重さが実に頼もしい雰囲気だ。
映画「ネイビー・シールズ」以降である現在のトレンドは間違いなくこの形であろう、
M4A1 RISモデル。こちらもブラックとTANの2色が発売中。
外観については何をどこまで拘るかによって評価が変わってくるところであり、一概に良し悪しを論じるのは非常に難しいのだが、全体のフォルムは文句無く実銃のムードを再現していると思う。
ロアレシーバー左側面のレーザー刻印(はICSオリジナルのデザインだし、各所に見られるICSの銘や、MADE IN TAIWANといったモールドが気になる方はいることだろう。
しかしこれを、自社製品のクオリティに対する自信の表れと受け止めてみればどうだろうか。権利が絡むマーキングはおろか、メーカー名すらどこにも刻まれていない、どこで造られたのかもわからない製品よりも、自社ブランドをくっきりと刻み込んだエアガンの方にこそフィールドでの相棒として信頼が置けるというものだろう。
M4A1ならではの太い樹脂製ハンドガードは、内部にミニSタイプ互換のバッテリーを収納。RISタイプの方はトップレールにマウントしたPEQ2型バッテリーケースに同サイズのバッテリーが入るが、ET1製リポバッテリーの7.4v1400mAh[R]セパレートタイプならば金属製のRIS内部にピッタリ納まる。ローク大尉のまねっこをするならPEQは載せておきたいところだけどね(笑)
ネイビー・シールズ劇中でそのカッコ良さを再認識させられた14.5インチのステップドバレルは表面仕上げも美しく、いわゆる首周りの剛性も非常に高く造られていて強度的な不安はまったく感じない。
14.5インチのステップドバレルが美しいフロント周り。 RISモデルはメタル製のレールハンドガードの左右両側面にレールカバーが、下面にバーチカルフォアグリップが装着されている。
ストックパイプ基部の頑丈さもその例に漏れず、全体的な剛性感の高さは国産エアガンのそれを凌駕しているように思える。どんなにラフに扱っても大丈夫だろうと、そんな気にさせてくれる頼もしさがあるのだ。
ブッシュマスタータイプのバットストックは6段階に調整可能。スムーズな伸縮とガタつきの少なさを両立した堅実な造りを見せている。フルメタル製で頑丈なだけの電動エアガンというなら他にもいくつか存在しているが、ICS製M4シリーズの真の魅力は、独自の分割式メカボックスを搭載したところにある。
実銃同様にテイクダウンすると、上下に分割されたメカボックスが姿を見せる。シリンダー周りとギヤ周りを個別に分解できるという抜群のメンテナンス性は、自分でエアガンを整備するマニアにとって実に魅力的だ。
通常のVer.2メカボを内蔵した電動ガンではアッパーレシーバーに加え、グリップとモーターを取り外し、メカボックスを分解しなければスプリングの交換やギヤまわりへのグリスアップが出来ないが、この分割式メカボックス(メーカーサイトによればSplit Gearbox)はレシーバーピンを引き抜いて実銃のM4シリーズ同様にテイクダウンするだけで、基本的なメンテナンスがすべて行える。
分割式メカボックスという独自の機構を搭載したICS製M4シリーズ、その実射性能はどんなものだろうか。いかに元々の品質が高いとはいえ、そこは海外基準で製造された電動エアガン。パワーや命中精度に対する若干の懸念は残るところだが、レビューに使用しているM4はGunsmithバトンによる国内向け調整&チューンが施された製品なので、何の心配もなくトリガーを引くことが出来るというもの。もはや定番となった感のあるET1製リポバッテリー、7.4v2000mAh[R]を搭載して実射テストを行ってみた。
まずはセミオートで数発、無造作に撃ってみる。リポバッテリーを使用しているためもありトリガーに対する反応が素早く、切れの良い射撃が楽しめる。フロント、リアともにフルアジャスト可能なサイトを活用してゼロインを行ったが、箱出し状態で既にほぼ狙った通りの場所にビシバシと当たってくれたので、調整といってもリアサイトを2~3クリック動かした程度だ。
あまりにも良く当たるので約10メートルからの依託射撃でテストを行ったところ、10発のグルーピングが500円玉以下のサイズにまとまった。バトンチューンによる成果もあるだろうが、中華電動ガンでこれだけの集弾性を持った製品はそうそう見当たらない。
M4A1の方はミニタイプ互換の7.4v2000mAhリポバッテリーを樹脂製ハンドガード内に収納。RISモデルは、PEQ2タイプのバッテリーケースに同じバッテリーが収められる他、レールハンドガード内部に7.4v1400mAhセパレートタイプを収納出来る。
30メートル屋内レンジでの実射性能も、等身大マンターゲットなら百発百中。射手の腕さえ確かならヘッドショットも軽々とこなせるだろう。同じ距離をフルオートで撃っても、すべてのBB弾が素直に連なって飛んで行く光景が造りの確かさを物語っている。ダイキャスト製になる肉厚のチェンバーと、マルイ方式とは異なるホップアップ機構がこの命中精度を実現しているのだろうか。おそらくは外観チェックの時に感じた全体的な剛性感の高さも決して無関係ではあるまい。
いわゆる中華エアガンの価格帯イメージからすると若干高価な感じがするが、純国内生産の電動ガンにまったく引けを取らないだけの質感と実射性能を備えた優秀な製品である。海外製品という先入観を捨てて考えられるならば、M4タイプ電動ガンの購入を検討する時、選択肢から決して外すことの出来ない1挺であることは間違いないだろう。
その品質が気になった方は、Gunsmithバトンアキバ店で是非一度試射してみてはいかがだろうか。