CYMA EBR Mod.1

CYMA EBR Mod.1

レビュー: 金子一也

姿を変えて戦い続けるバトルライフル

第二次世界大戦から朝鮮戦争まで米軍で使われた8連発セミオートマチックライフルのM1ガーランドに、着脱式マガジンやフルオートモードの追加等の改良を施して生み出されたM14ライフル。映画「ブラックホークダウン」にてランディ・シュガート一等軍曹が使用していたことからも、ガンマニアの間で非常に人気が高いライフルだ。

ベトナム戦争初期の1960年代中盤までは米軍の主力小銃として活躍したのだが、7.62mm×51弾はストッピングパワーの高さに比例して射撃時の反動が強いため、フルオートモードでのコントロールが非常に難しかった。
また、木製のストックが熱帯雨林の環境で腐食や変形を起こしたこともあり、その役割は樹脂製ストックを備え、小口径高速弾を使うM16へと引き継がれて行くこととなる。

しかし、高い射撃技術を身に付けた兵士が強力な威力を持つ銃を使用することで、M16/M4には不可能な距離からの攻撃が可能なことが後の実戦で再評価され、狙撃も可能なバトルライフルとして特殊部隊等に愛用されるようになり、現在に至っている。

M14 EBR

M14 EBRはアメリカのsage internationalというアクセサリーメーカーが製作したシャシー(シャーシ)システムにM14の機関部を組み合わせた銃で、EBRという名称はEnhanced Battle Rifleを略したもの。M14の威力と精度の高さをそのままに、伸縮可能なストックや、各種光学機器を搭載するためのレールマウントを追加することで、最新の戦術に対応出来るだけの拡張性をもたらしている。

ちなみに同社はM1ガーランドやM1カービン用のシャシーシステムや、ショットガン用のストックなども製造販売しており、メーカーサイトでは様々なバリエーションのアクセサリーが紹介されている。

CYMA 電動ガン EBR Mod.1 スペック & 弾速データ
全長 945~1,030mm
重量 4,200g
銃身長 500mm(インナーバレル長)
装弾数 6mmBB弾 600発
定価 36,490円
発売日 -
最高 86.37m/s
平均 85.39m/s
最低 84.65m/s
ジュール 0.729J
※ICS バイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、XCORTECH X3200にて10発で測定。

タフな剛性を誇る重量級電動エアーガン


今回レビューをお送りするCYMAのEBRは、M4タイプのバットストックを装備したMod.1を再現した電動エアーガン。
近年ではTVゲームのコール・オブ・デューティーやバトルフィールド等のシリーズ作品に登場しており、その特徴的なフォルムに心を奪われたマニアはおそらく多いことだろう。

少し前まではEBRといえば十数万円もするコンバージョンキットでしか手に入らなかったものだが、実銃の持つ無骨な造形美が手頃な価格で購入出来るのは実にうれしい限りだ。
しかし、アルミ合金製のシャーシはオリジナルの複雑なデザインを忠実にトレースしており、どんなに無茶な扱いをしても絶対に壊れないだろうと思わせるしっかりとした剛性感で、値段の安さをまったく感じさせない完成度の高さを備えている。

存在感を主張するレールハンドガード

フロントまわりで存在感を主張するレールハンドガードはかなり大柄で頑強な物だが、サポートハンドを添える部分にはレールが無く、樹脂製のカバーが装着されているので、実際に構えてみると意外なスリムさに驚かされる。
トップレールは285mmもの長さがあり、様々な光学機器を自由にレイアウトすることが出来るだろう。
ただし見た目相応の重量は確実にあるため、オプションを載せたこの銃を長時間構え続けるには、かなりの腕力が必要とされる。
ハンドガード右側前方に設けられたスチール製のスリングスイベルを使い、スリングの活用で身体への負担を軽減したいところだ。

フロントサイトブロックはダイキャスト製の頑丈なもので、フラッシュハイダーは斜めに溝が切られたVoltexタイプを装備。
逆ネジ仕様になっているのか確認したかったのだが、レポートに使用した固体でハイダーを外そうと試みたところビクともしなかったため、残念ながらこの点は不明である。

50年以上前に設計されたM14ライフルの心臓部を近代的なシャーシが包むレシーバーまわりも、実銃の複雑な形状を忠実に再現。
非常に狙いやすいピープサイトは上下左右ともにクリック調整が可能で、リアサイトブロック前方にある装弾クリップをはめ込むためのパーツは取り除かれ、エジェクションポートをまたぐ形でスコープをマウントするための短いレールが設けられている。

リアサイトの左下方に見えるレバーはフル・セミオートを切り替えるセレクターレバーで、当然ながらどちらのモードでも射撃可能となっているが、5発も連射すると強烈なリコイルのため銃口が真上を向くと言われるM14なので、リアルさに拘るならセミオートオンリーで戦うスタイルを貫くべきだろう。

7.62mm×51弾が収まる巨大なボックスマガジンは約400発のBB弾を装填可能で、側面にはゼンマイ巻き上げ用のネジが設けられている。
また、東京マルイ製のM14用マガジンがノーマル、多弾ともにそのまま使えるというのも、予備マガジンが入手しやすいというのは嬉しい点だ。

メカボックスからの配線は後ろ出し仕様となっており、クレーンストック両脇のスペースにET1 リポバッテリー7.4v 1400mAh[R]スティックタイプまたは7.4v 1400mAh[R]セパレートタイプ、7.4v 1100mAh[Y]スティックタイプ等を収納することが出来る。
また、ストックパイプ内にも充分なスペースがあるので、ET1 リポバッテリー7.4v 800mAh[Y]スティックタイプの使用が可能。
ストックパイプの外径は約29mmなので、バッテリーの収納スペースが無い市販の様々なストックへの換装も楽しめる。

グリップは表面に荒いテクスチャが施されたタンゴダウンタイプで、メカボックス駆動用のモーターを内蔵している。
メカボックスはいわゆるVer.7タイプなのだが、マルイ純正のメカボックスはモーターホルダーが本来のM14の曲銃床に合わせた角度で固定されているので、この部分はCYMAの独自設計による仕様だろう。

トリガーガードはスチール製で、トリガーの前にあるマニュアルセーフティと合わせて形状、機構ともに実銃通り作られている。

また、レシーバーの後端に設けられたスリングスイベルもスチール製の頑丈なもので、この銃の重さをしっかり支えられるだけの充分な強度を備えている。

高い命中精度で気分はマリーンスナイパー

基本的な設計が東京マルイのM14に準じているため、メカボックスからチェンバー、バレルと、それらを包み込む金属製のフレームが生み出す剛性とバランスの高さは健在であり、Gumsmithバトンの調整&チューニングでその素性の良さが最大限に引き出されている。
ET1製リポバッテリーを使用した場合のレスポンスはいつもながらの鋭さで、切れの良いセミオート射撃が存分に楽しめる。
モーターの特性からか、フルオートは若干スローサイクルとなっているが、そもそも弾幕を張るような性格の銃ではないので、これくらいの回転数で充分だろう。
30メートルの屋内レンジで0.2gBB弾を撃った際の素直な弾道から見て、条件さえ揃えば40メートルからのスナイピングは充分可能と思われる。
また、Gunsmithバトンの真☆流速チューンを追加施工すれば50メートル先のターゲットにも必殺の一撃を見舞うことが出来るだろう。

無骨なフォルムが生み出す異様な迫力に触れれば、誰もが絶対に欲しくなってしまうであろう魅力的な銃、EBR Mod.1。しかしそのサイズと重量を自在に使いこなすには相当な覚悟が必要となる。
Gunsmithバトン アキバ店にはCYMA製EBR Mod.1が展示されているので、実際に手にとり、構えて撃って是非お確かめいただきたい。


2012/12/28
本レビューはGunsmithバトンによるレビュー広告です

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