レビュー: 金子一也
実銃のAK74は1974年にソビエト軍が正式採用したアサルトライフルである。
APS airsoft 電動ガン AK74 / AKS74 スペック & 弾速データ ※( )内はAKS74 | |||||||||||||||||||||
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バレルの付け根、リアサイトが設置されたブロックはダイキャスト製と思われるが、レシーバー部分との結合にガタ等は無く、前方に伸びたアウターバレルもガッチリと固定されていて強度的な不安は感じない。
ダイキャストとプレスによるパーツが組み合わさったガスブロックは造りの大雑把さが実にリアルで、大型のマズルブレーキも表面の仕上げはやや荒いものの、独特の形状を忠実に再現している。
ちなみに、マズルブレーキがねじ込まれているアダプターを取り外すと14mm逆ネジが現れるので、各種マズルアダプターが使用可能だ。
固定ストックタイプのAK74。鉄と木の調和が美しい。
木製部分に目を移してみると、木材の種類は不明ながらリアルウッドで作られたフォア&バットストックが存在感を主張している。
ソビエト製銃器に良く見られる合板削り出しタイプでは無いことに気付くが、これは年代や製造工場によってバラつきがあるようなので、1枚板から作られていることがリアルさを損ねるとは一概に言えないだろう。
赤茶色に染められたストックは高級木材には見えないものの、やはり木製ストックならではの質感と肌触りには味わいがある。
その木製ストックとレシーバーの結合も確実なもので、肩付けしてしっかり構えても軋みやグラつきは一切無く、全体的な剛性感の高さを実感出来る。
バッテリーの交換はトップカバーを取り外して行う、AKタイプ電動ガンではお馴染みの方式。輸入後のそのままの状態では性能的に厳しいと言われるAPS airsoft製電動ガンだが、Gunsmithバトンの調整&チューンにより初期状態での問題は除かれているため、バッテリーを繋いでの動作チェックでは何の不安も感じられない。
収納スペースの都合上、テストにはET1リポバッテリー7.4V800mAhという低容量の物を使用したのだが、セミオートの切れはなかなか鋭く好印象。
さすがにフルオートのサイクルはおよそ12rpsとやや遅めで、ダッダッダッダッ! といった雰囲気の発射音になる。
単位時間あたりの発射弾数は少ないが、巨大なボルトを動作させるAKタイプの銃にはこれくらいの回転数がしっくり来るように思う。
ホップアップの調整はダミーボルトを引いて行うAKタイプにほぼ共通するお馴染みの方法で、いわゆるVer.3タイプの堅実な構造を採用している。
最新ロットから導入されたというステンレススチール製のインナーバレルは精度が高く、0.2gBB弾を30メートルレンジの突き当たりの壁まで素直に飛ばしてくれる。
フルオート時の集弾性も良好で、30メートル先のマンターゲットなら確実にヒット可能だ。ミドルレンジでの戦闘力はかなり高いと言えるだろう。
また、射撃の際にバタバタと前後に動くダミーボルトが視界の隅に見えるというのは、銃を撃っているという感覚を高めてくれる。
次世代電動ガンのような直接的なリコイルは発生しないものの、それなりに振動が伝わって来るのは実に楽しい演出だ。
構造的には特別目新しい部分の無い実にスタンダードな電動ガンであるが、スチールプレスでリアルに再現されたレシーバーまわりと、実木から作られた前後のストックを持ちながら2万円ちょっとで買えてしまう(しかもGunsmithバトンは内部トラブルに関する3ケ月間の無償保証付き)という事実に驚かされる。
AKタイプの銃を何か1挺…とお考えの方には文句無くオススメ出来るが、拘りのAK74を作るためのカスタムベースとしても最適だろう。
唯一悩ましいのは、固定ストックのAK74とフォールディングストックのAKS74のどちらを選ぶかというところか。
Gunsmithバトン アキバ店には両タイプが展示されているので、実際に手にとってじっくりと悩んでいただきたい。