BATON airsoft ガスガン Glock G17 Gen.5 MOS CO2GBB
レビュー: 金子一也 (Gunsmith BATON 広報)
JASG認定 CO2ガスガン、Glock G17 Gen.5 MOS CO2GBB
Glock G17 Gen.5 MOSを模して製作されたBATON airsoft製のJASG認定CO2ガスガン、BG-17 CO2GBBが、その再現度と性能の高さで大変な人気を博し、2023年1月20日の発売直後に完売となったのは、当記事読者の皆様も記憶されていることだろう。以来、再生産のリクエストが連日殺到したのは言うまでも無く、「作れば売れる」ことは重々わかっていたのだが、その水面下で進められていた交渉が2023年10月に決着し、Glock社正規ライセンスの取得に成功。BG-17 CO2GBB発売後にユーザーから寄せられた声をフィードバックした内部機構の改良に加え、各所の刻印を正規のGlockロゴマークに改修した新製品、BATON airsoft Glock G17 Gen.5 MOS CO2GBBとして、2024年4月に発売する運びとなった。
無論本製品もこれまでのCO2GBBシリーズ同様、JASG自主規約に基づく認定検査に合格した安全なエアースポーツガンであり、購入後三ヶ月以内は、修理工賃・パーツ代に加え、修理品の受け渡しにかかる送料もメーカー((株)バトンTrading)が負担する万全のサポートが受けられる。
※サポートには商品添付の保証書が必須となり、購入後3ヶ月以上経過した場合でも、有料でのサポートを受けることが可能だ。
改良に次ぐ改良を受けたG17最新バージョンGen.5 MOS
1980年代初頭、当時極めて斬新だったポリマーフレームオートとして誕生したG17が、瞬く間に世界中の軍隊や法執行機関に採用され、今や世界一売れているオートマチックハンドガンとして不動の地位を築き上げているのは、当記事読者の皆様もご存じのことだろう。
マニュアルセーフティを持たない独自の構造はもちろんのこと、フレームの材質をポリマーとしたことで、アンダーレールの追加やグリップ表面のテクスチャー変更等、時代の要求に応じた改良が行いやすいという部分も、その成功に繋がった要素と思われるが、Gen.4から始まったスライド上のMOS(Modular Optic System)の導入により、現代のハンドガンに要求されるすべての条件が揃ったように思われる。
今回ご紹介するGlock G17 Gen.5 MOS CO2GBBは、この傑作ハンドガンをモデルアップした製品となる。
日本初の正規ライセンス取得による、Glock G17としての製品化
上述した通り、BATON airsoft Glock G17 Gen.5 MOS CO2GBB(以下、G17)は、BG-17 CO2GBBを改良、改修したモデルで、本体のサイズや重量といった基本的なスペックはほとんど変わっていないが、その改良点は19箇所にも上っている。
当Gunsmith BATON Airsoft通信のBG-17 CO2GBBレビューと重複するが、その改良点の一部と、リアルに再現されたディティールを、改めて銃口周りからご紹介して行こう。
先端部のエッジが削ぎ落されたことで、精悍な印象を受けるマズル周り。フロントセレーションはGen.5から新たに取り入れられた装備で、ダットサイト搭載時やプレスチェック時のスライド操作を容易にしている。
尚、このフロントセレーションは現在Glock社のオフィシャルサイトで公開されている全てのGen.5ファミリーに設けられている。
スライドを引くと現れるアウターバレルにはショートリコイルギミックを搭載。
スムーズな動作を確保するため、マズルデバイス取り付け用のねじ切りは無く、Gen.5独自のクラウン(バレル先端の面取り)とライフリングのモールドが施されている。
先端部が太いリコイルスプリングガイドは実銃同様のダブルスプリングタイプとなっており、CO2GBBならではの俊敏なブローバック動作を確実に制御する。また、二重になったスプリングの間に入っているリコイルスプリングコネクターというパーツが肉厚を増した新規パーツになり、強度が飛躍的に向上。バッファーの役目を果たすゴムワッシャーが2枚入っていたのも、ゴムワッシャー1枚と金属ワッシャー1枚へと変更され、耐久性を高めている。
前後サイトは従来通りのデザインで、フロントにはホワイトダットが、リアには凹状のホワイトラインが、それぞれ塗装によって再現されている。
他に類を見ない独特なサイトピクチャーだが、Gen.1から5代も続いたことで、我々ユーザーがすっかり慣らされてしまった感がある。
フレーム前方を下から見ると、鈍く光るシリアルナンバープレートが目に入る。この部分は金属製の別パーツで、シリアルナンバーの刻印こそ入っていないものの、実感を高めることに成功している。
スライド両側面に刻まれたGlockのロゴは、ご覧の通りリアルマーキングとなっている。もともと実銃G17 Gen.5 MOSの完全再現を目指して設計していたため、Glock社正規ライセンスの取得により刻印の完全再現が可能となったことで、全体的な雰囲気が格段に向上した。
尚、ブローバックハウジングの設計変更により、全弾を撃ち尽くした際、スライドがより確実にホールドオープンするようになったが、スライドストップでの解除が少々固くなった印象を受ける。
マガジンを交換した後のホールドオープンの解除は、スライドを後方に軽く引いてから離す(スリングショットリリース)ことでも行える。各部への負担も軽減される解除方法なので、G17に限らず、オートマチックユーザーの皆様には習得をお勧めしたい。
ダットサイトの搭載を可能とするMOSスライド
G17はそのスライドがMOS仕様となっており、各種マイクロダットサイトを実銃と同じ位置に搭載出来る。
基本的な構造は実銃のGen.5 MOSと同様、まずはスライド後方上面の2本のネジでMOSカバーを取り外す必要がある。
カバーを外すことで露出する部分も、実銃に倣った作りになっている点にご注目いただきたいが、真鍮製インサートナットの間に見える細いスプリング(ブローバックハウジングスプリング)を紛失しないよう注意が必要だ。このスプリングは中央のスリットに置いてあるだけなので、この状態でスライドを引いたり、本体をひっくり返したりすると簡単に飛び出し、行方不明になってしまう。このスプリングが無いとシリンダーが正しく動作せず、BB弾を発射することが出来なくなるので、取り扱いには充分にご注意いただきたい。
カバーを外した後、付属のMOSプレートを固定し、対応したマイクロダットサイトを専用のネジで取り付けるといった手順になる。
尚、MOSカバーとMOSプレートは固定用のネジがそれぞれ専用の物となっており、取り違えるとプレートがしっかり固定出来ないばかりか、スライド内のシリンダーASSYを壊してしまう場合があるため、注意が必要だ。
また同様の理由により、ドットサイトをMOSプレートに固定するネジの頭はMOSプレートの裏面からはみ出さないように長さを調節する必要がある。ドットサイトを搭載する場合は、まずMOSプレート単体にドットサイトを取り付け、ネジの長さを確認したいところだ。
MOSプレートそのものも実銃用の形状を再現しており、2本の固定用ネジと4種類のプレートがBG-17本体に付属。
01から04に対応するダットサイトの種類は以下の通りで、これも実銃に準拠している。
【 MOSプレート対応一覧 】
01:Doctorピッチ(Doctor、Vortex、Vector Optics、SURE HIT MRS 等)M3 ねじ
02:Trijiconピッチ(Trijicon、Holosun 等)UNC #4(インチねじ)
03:C-Moreピッチ(C-More 等)M4 ねじ
04:Leupoldピッチ(Leupold 等)M4 ねじ
※上記対応表は実ダットサイトのピッチでレプリカによっては合わない場合があります。
上の画像は01のMOSプレートを使い、VectorOptics製Frenzyを搭載した例だが、リアサイトの前に低くしっかり固定されていることがお分かりいただけるだろう。
また、完全新規設計のCO2ブローバックエンジンにより、60グラム弱のダットサイトを載せていてもスライドの動きが鈍ることは無い。
実銃Glockならではのセーフティ付きトリガーは、実銃同様中央のスリットから飛び出したトリガーセーフティに指がかかっていないと撃てない仕組みだが、G17ではここにもうひとつの安全対策を盛り込んでいる。
スライドを引く(コッキングする)と、トリガーが前進して激発可能になったことを知らせる仕組みだが、この状態でトリガーセーフティの先端を上に引き起こすとロックがかかり、マニュアルセーフティとして機能するのだ。
セーフティを解除するにはトリガーとトリガーセーフティを二本の指で掴んで押し込む必要があり、トリガーに指をかけただけでは解除出来ないため、充分な安全性が保たれている。
尚、BG-17ではトリガーを引いた際に、このトリガーセーフティが引っかかるような挙動が見られたため、G17ではトリガーセーフティそのものを設計変更し、よりスムーズなトリガープルを実現している。
すべての射手にフィットする最先端のGen.5フレーム
前面のフィンガーチャンネルが廃されたことで各段に握りやすくなったGen.5グリップも形状、サイズともに実銃を忠実にトレース。
表面のハイトラクションテクスチャーはGen.4と同様だが、マグウェル部分がわずかに拡げられていることで、素早いマグチェンジをサポートしてくれる。
グリップ左側面に入ったGlockロゴのモールドも、ご覧のように完全再現。立体モールドとすることで滑り止めとして機能しているのが心憎いデザインだ。
右側面下側の空間にはGlock社の正規ライセンス品であることを示す表記がモールドされており、この部分だけが実銃とは異なっている。
マガジンキャッチはGen.4から採用されたワイドタイプを踏襲。実銃同様、一旦フレームから取り外し、ひっくり返して付け直すことでレフティ仕様に変更可能だ。スライドストップが左右両側に設けられているGen.5ならではの嬉しい機能と言えるだろう。
G17用CO2マガジンは既存のBATON airsoft製CO2GBBシリーズ同様、安全性の高い開放型で、お馴染みの特許取得済TANIO・KOBA CO2 バルブ( TANIO・KOBA CO2 バルブ : 実用新案 第 3206631 号 )を採用。
PUFF DINO製CO2 12gカートリッジ1本あたり、100発前後の射撃が可能な燃費の良さも健在だ。
本製品に付属するG17用CO2マガジンは、当然ながら現在流通しているBG-17用CO2マガジンと完全互換で、マガジン本体を構成するパーツはほぼ共通。変わったのはGlockの正式なロゴが入ったマガジンボトムと、形状を見直すことで、マガジンボトムがより確実にロックされるようになったストッパーの2箇所のみだ。
CO2 12gカートリッジの装填方法も従来通りで、マガジンボトムを前方にスライドさせ、カートリッジベースカバーを着脱する構造となっている。
これまで積み上げて来たノウハウを活かし、グリップ下に突き出すマガジン底部の厚みを最小限に抑えることに成功している点にも是非ご注目いただきたい。
ダットサイトを載せた状態でも変わらぬ高い実射性能
今回のレビューも量産手前のサンプルを使用しているため、実射性能についてはあくまで参考データとなるが、基本構造はBG-17で完成しているので、ここから大きく変わることは無いだろう。
当Airsoft通信でお馴染みBATON Range内、ロングレンジでの実射テストで、30m先のEタイプシルエットターゲットに対し、BATONairsoft バシコスバイオBB弾0.25gをワンマガジン全弾命中させられる安定性は健在。チャンバーASSYの形状を見直すことでホップアームの動きがよりスムースになっているため、より確実なホップ調整が可能となったような印象を受けた。シリンダーASSYの仕様変更により初速が向上しているのも、弾道の安定性に貢献しているのは間違いないだろう。
近距離においても、6m先に置いた直径10cmのスチールプレートを無造作にヒット出来る命中精度は変わらず、連射時のリコイルコントロールをしっかり行わないと当てられない部分も、CO2GBBならではの難しさと楽しさを堪能させてくれる。
尚、正規ライセンス取得にあたるGlock社の審査は、他社製品とのコンペ形式で行われたのだが、本製品はその実射性能の高さで堂々と認可を勝ち取ったことを、ここにご報告しておこう。
BATONairsoftブランドが積み上げて来たすべての知識と技術を投入して作り上げた傑作CO2GBB、BG-17をブラッシュアップし、正規ライセンスの取得で堂々発売する新製品、Glock G17 Gen.5 MOS CO2GBB。上述した部分だけでなく、見えない部分も含め19箇所にわたって改良されているため、BG-17とはもはや別物と言っていいだろう。
全国の有名ショップはもちろんのこと、GunsmithBATONホームページでの予約受付が開始されている。
今回も早期の完売が予想されるので、確実に入手されたい方はお早目の予約をご検討いただきたい。
スペック
全長 | 202mm |
重量 | 約710g(マガジン含む) |
銃身長 | 100mm (インナーバレル長) |
装弾数 | 6mmBB弾 24+1発 |
価格 | 32,800円(税別) |
発売日 | 2024年4月中旬 |
動力源 | CO2カートリッジ式ガス |
初速 | 最高:80.36m/s 平均:78.78m/s 最低:77.19m/s ジュール:0.62J ※BATON airsoft バシコスバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温24度、[ ACETECH ] AC5000 弾速計にて測定 |
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BATON airsoft ガスガン Glock G17 Gen.5 MOS CO2GBB
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