BATON airsoft ガスガン BG-17 CO2GBB
レビュー: 金子一也 (Gunsmith BATON 広報)
JASG認定 CO2ガスガン、BG-17 CO2GBB
2022年5月に大阪心斎橋サンボール地下フロアにて開催された2022春のショットショージャパン会場での、GunsmithBATONブースにおける電撃発表からおよそ8か月、JASG認定CO2ガスガン、BG-17 CO2GBBが『BATON airsoft』ブランドの商品として、2023年1月21日に発売される運びとなった。
本製品もこれまでのCO2GBBシリーズ同様、JASG自主規約に基づく認定検査に合格した安全なエアースポーツガンであり、購入後三ヶ月以内は、修理工賃・パーツ代に加え、修理品の受け渡しにかかる送料もメーカー((株)バトンTrading)が負担する万全のサポートが受けられる。
※サポートには商品添付の保証書が必須となり、購入後3ヶ月以上経過した場合でも、有料でのサポートを受けることが可能だ。
世界一売れているオートマチックハンドガン
出展:GLOCK USA
1980年代初頭にオーストリアで産声を上げて以来、徐々にその名声を高め、今や世界中の軍隊や法執行機関に正式採用されているオートマチックハンドガンのベストセラー、Glock17。当Airsoft通信読者の方々はもちろんのこと、エアガン趣味を始めたばかりというライトユーザーでも知らぬものはいないことだろう。
量産が容易なポリマーフレームの採用と、マニュアルセーフティを持たないという大胆な構造から、当初はゲテモノ扱いする者もあったGlockシリーズだが、時代の要求に合わせたフレームの形状変更と、市場の要求に合わせた口径バリエーションの追加は行われたものの、基本的な構造が発売以来ほとんど変更されていないというのは、驚くべき先進性を持っていた証拠だろう。
出展:TFB Blog
Gen.5ピストルは2017年に登場した最新モデル群で、G17を始めとする11機種が現在リリースされているが、そのうち5機種にMOS仕様が設定されている。こうしたバージョンアップに柔軟な対応が可能なところも、Glockという銃の優秀さを物語る事実だろう。
今回ご紹介するBG-17 CO2GBBは、このGen.5モデルからG17のMOS仕様をモデルアップした製品となる。
すべてのファンが待ちに待ったGen.5国内仕様CO2GBB
上述の通り、サンプルを初公開したのは2022年5月のショットショージャパン会場だったが、2019年12月には既にその開発がスタートしていた。
BATONairsoft CO2GBBシリーズ初のハンマー内蔵型、そしてMOS仕様を前提とした開発は難航を極め、試作に試作を重ねた末にようやくお披露目出来たのが、開発スタートから幾多の改良を経て公開できる状態になったサンプルだったのだ。
何しろ、現代のオートマチックハンドガンで最も人気が高いグロックのGen.5、それもリアルサイズのMOS仕様を、JASG認定取得を前提とした樹脂スライドのCO2GBBとして製品化するという計画だけに、果てしなく高い幾多のハードルを乗り越える必要があった。
本来2022年内のリリースを予定していたのだが、最終段階でより優れた改良法が見つかったため、発売を年明けまで延期して開発を詰めた次第だ。
このような経緯を経て、ようやく皆様にお届け出来る運びとなったBATONairsoft次期新製品、BG-17 CO2GBB。
JASG認定で安全性が保障された樹脂スライドのGen.5、それもCO2GBBという、日本中のグロックファンが待ちに待った最新モデルのディティールを、今回も銃口周りからご紹介して行こう。
リアルサイズで再現された最新のフォルム
Gen.4までのG17と異なり、先端部のエッジがG34やG26のように削ぎ落されたことで、精悍さを増したように見えるマズル周り。
フロントセレーションもGen.5から新たに取り入れられた装備で、ダットサイト搭載時や、プレスチェック時のスライド操作を容易にしている。
尚、このフロントセレーションは現在Glock社のオフィシャルサイトで公開されている全てのGen.5ファミリーに設けられている。
スライドを引くと現れるアウターバレルにはショートリコイルギミックを採用。
スムーズな動作を確保するため、マズルデバイス取り付け用のねじ切りは無く、Gen.5独自のクラウン(バレル先端の面取り)とライフリングのモールドが施されている。
先端部が太いリコイルスプリングガイドは実銃同様のダブルスプリングタイプとなっており、CO2GBBならではの俊敏なブローバック動作を確実に制御する。
前後サイトは従来通りのデザインで、フロントにはホワイトダットが、リアには凹状のホワイトラインが、それぞれ塗装によって再現されている。
他に類を見ない独特なサイトピクチャーだが、Gen.1から5代も続いたことで、我々ユーザーがすっかり慣らされてしまった感がある。
スライドやチャンバー、フレーム側面に施された刻印はモールドとレーザー刻印の併用によるもので、実銃のマーキングを忠実に再現。
メインのロゴマークのみ、権利の侵害を回避しつつイメージを損なわない、微細なアレンジを加えている。
ダットサイトの搭載を可能とするMOSスライド
当記事をご覧の皆様は既にご存じのことと思うが、BG-17はそのスライドがMOS(Modular Optic System)仕様となっており、各種マイクロダットサイトを実銃と同じ位置に搭載出来る。
基本的な構造は実銃のGen.5 MOSと同様、まずはスライド後方上面の2本のネジでMOSカバーを取り外す必要がある。
カバーを外すことで露出する部分も、実銃に倣った作りになっている点にご注目いただきたい。
カバーを外した後、付属のMOSプレートを固定し、対応したマイクロダットサイトを専用のネジで取り付けるといった手順になる。
尚、MOSカバーとMOSプレートは固定用のネジがそれぞれ専用の物となっており、取り違えるとプレートがしっかり固定出来ないばかりか、スライド内のシリンダーASSYを壊してしまう場合があるため、注意が必要だ。
MOSプレートそのものも実銃用の形状を再現しており、2本の固定用ネジと4種類のプレートがBG-17本体に付属。
01から04に対応するダットサイトの種類は以下の通りで、これも実銃に準拠している。
【 MOSプレート対応一覧 】
01:Doctorピッチ(Doctor、Vortex、Vector Optics、SURE HIT MRS 等)M3 ねじ
02:Trijiconピッチ(Trijicon、Holosun 等)UNC #4(インチねじ)
03:C-Moreピッチ(C-More 等)M4 ねじ
04:Leupoldピッチ(Leupold 等)M4 ねじ
※上記対応表は実ダットサイトのピッチでレプリカによっては合わない場合があります。
画像は01のMOSプレートを使い、VectorOptics製Frenzyを搭載した例だが、リアサイトの前に低くしっかり固定されていることがお分かりいただけるだろう。
また、完全新規設計のCO2ブローバックエンジンにより、60グラム弱のダットサイトを載せていてもスライドの動きが鈍ることは無い。
トリガーはオーソドックスなオリジナルタイプを再現。実銃同様、中央のスリットから飛び出したトリガーセーフティに指がかかっていないと撃てない仕組みだが、BG-17はここにもうひとつの安全対策を盛り込んでいる。
スライドを引く(コッキングする)と、トリガーが前進して激発可能になったことを知らせる仕組みだが、この状態でトリガーセーフティの先端を上に引き起こすとロックがかかり、マニュアルセーフティとして機能する。
セーフティを解除するにはトリガーとトリガーセーフティを二本の指で掴んで押し込む必要があり、トリガーに指をかけただけでは解除出来ないため、充分な安全性が保たれている。
すべての射手に適合する最先端のGen.5フレーム
前面のフィンガーチャンネルが廃されたことで各段に握りやすくなったGen.5グリップも形状、サイズともに実銃を忠実にトレース。
表面のハイトラクションテクスチャーはGen.4と同様だが、マグウェル部分がわずかに拡げられていることで、素早いマグチェンジをサポートしてくれる。
マガジンリリースボタンはGen.4から採用されたワイドタイプを踏襲。画像中黄色く囲った部分のスリット形状でもわかる通り、一旦フレームから取り外し、ひっくり返して付け直すことでレフティ仕様に出来る作りも実銃同様再現されている。
こちらはマガジンリリースボタンを右側に付け替えた様子だが、Gen.5はスライドリリースレバーが左右両側に設けられているため、こうすることで完全なレフティ仕様に出来る。
尚、上の画像は初期のサンプルを撮影したもので、フレーム表面のシボ加工が未施工となっている点にご注意いただきたい。
BG-17専用CO2マガジンは既存のBATONairsoft製CO2GBBシリーズ同様、安全性の高い開放型で、お馴染みの特許取得済TANIO・KOBA CO2 バルブ( TANIO・KOBA CO2 バルブ : 実用新案 第 3206631 号 )を採用。
PUFF DINO製CO2 12gカートリッジ1本あたり、100発前後の射撃が可能な燃費の良さも健在だ。
CO2 12gカートリッジの装填方法も従来通りで、マガジンボトムを前方にスライドさせ、カートリッジベースカバーを着脱する構造となっている。
これまで積み上げて来たノウハウを活かし、グリップ下に突き出すマガジン底部の厚みを最小限に抑えることに成功している点にも是非ご注目いただきたい。
ダットサイトを載せた状態でも変わらぬ高い実射性能
今回のレビューも量産手前のサンプルを使用しているため、実射性能についてはあくまで参考データとなるが、当Airsoft通信でお馴染みBATON Range内、ロングレンジでの実射テストで、30m先のEタイプシルエットターゲットに対し、BATONairsoft バシコスバイオBB弾0.25gを充分な余裕を持った弾道で飛ばし、ワンマガジン全弾命中させられる安定性を見せつけてくれた。
動画中、弾道が伸び上がりつつターゲットに当たっている様子から、さらなる遠距離にも対応出来る可能性が感じられることと思うが、ダットサイトを載せたまま撃っている点も見逃せないポイントだ。
また近距離においても、6m先に置いた直径10cmのスチールプレートを苦も無くヒット出来る命中精度を有しているが、連射時のリコイルコントロールをしっかり行わないと当てられない部分は、CO2GBBならではの難しさと楽しさだ。
尚、ホップ調整は従来製品と同様スライドを外し、チャンバー下部の調整ダイヤルで行う仕組みとなっている。
BATONairsoftブランドでのCO2GBB開発を始めた2019年以来、これまでの年月で積み上げたすべての知識と技術を投入して作り上げた、ファン待望の新製品、BG-17 CO2GBB。
全国の有名ショップはもちろんのこと、間もなくGunsmithBATONホームページでの予約受付が開始されるので、確実に入手されたい方はお早目の予約をご検討いただきたい。
スペック
全長 | 202mm |
重量 | 約710g(マガジン含む) |
銃身長 | 100mm (インナーバレル長) |
装弾数 | 6mmBB弾 22+1発 |
価格 | 29,480円(税別) |
発売日 | 2023年1月21日 |
動力源 | CO2カートリッジ式ガス |
初速 | 最高:79.54m/s 平均:76.95m/s 最低:74.37m/s ジュール:0.59J ※BATON airsoft バシコスバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温22度、[ ACETECH ] AC5000 弾速計にて測定 |
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