APS airsoft BARRETT FIELDCRAFT スナイパーライフル【JASG認定】
レビュー: 金子一也 (Gunsmith BATON 店長)
JASG認定コッキングエアーガン APS airsoft BARRETT FIELDCRAFT スナイパーライフル
手頃な価格で安定した性能の電動ガンを多数リリースしている香港のエアガンメーカー、APS airsoft社から、正規ライセンスを取得したEMGブランドのコッキング式エアーガン、BARRETT FIELDCRAFT スナイパーライフルが発売された。
同社製のコッキング式エアーガンとしては、2018年発売のAPM40A3に続く第二弾となる。
言うまでも無く、本製品もJASG自主規約に基づく認定検査に合格した安全安心なエアースポーツガンであり、購入後三ヶ月以内は、修理工賃・パーツ代に加え、修理品の受け渡しにかかる送料までもが完全に無料という万全のサポートが受けられるのは、これまでレビューをお届けした同社製電動ガンと何ら変わらない。
※サポートには商品添付の保証書が必須。購入後3ヶ月以上経過した場合でも、有料でのサポートを受けることが可能。
BARRETT FIREARMS社初の狩猟用ボルトアクションライフル
BARRETT FIELDCRAFTは、50口径対物ライフルで有名なBARRETT FIREARMS社が2017年のSHOTSHOWで発表した、同社初のボルトアクションライフルである。
険しい山林に分け入り、獲物を求めて移動する山岳狩猟用のマウンテンライフルとして開発されたBARRETT FIELDCRAFTは、22-250 Remingtonから308 Winchesterまで実に9種類もの弾薬に対応可能でありながら、徹底した軽量化設計により、わずか5.2ポンド(2.36kg)という信じがたいほどの軽さを誇っている。
ライフルの軽さは、弾頭が銃口から射出される前にバレルが動くことによる命中精度の低下に繋がることが多いが、バレルをタイトに包み込むカーボンファイバー製のストックを始めとした、反動を抑える様々な工夫により、この問題を見事に克服。
通常、高価なカスタムストックを購入しなければ得られない性能と撃ちやすさを、いわゆる箱出しで入手することが可能な理想のマウンテンライフルとして、多くのハンターから絶賛されるベストセラーとなっている。
↓BARRETT社公式動画
正規ライセンス取得による業界初のモデルアップ
スペック
全長 | 1,142mm |
重量 | 2,235g(マガジン含む) |
銃身長 | 500mm(インナーバレル長) |
装弾数 | 6mmBB弾 30発 |
価格 | BK: 36,080円 (税込) MC/BKMC: 41,580円 (税込) |
発売日 | 2021年5月上旬 |
動力源 | ボルトアクション エアコッキング |
初速 | 最高 84.7m/s 平均 84.4m/s 最低 84.1m/s ジュール 0.712J |
※BATON airsoft アクリビスバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ適正、10発での測定、気温28度
今回ご紹介するBARRETT FIELDCRAFTスナイパーライフルは、前作のNoveske Space Invader同様、EMG(Evike Manufacturing Group)がBARRETT FIREARMS社の正規ライセンスを取得し、APS airsoft社が製造、販売を行っている。
実銃にカラーバリエーションは存在しないが、今回の製品化にあたって、ノーマルにあたるBK(ブラック)に加え、BKMC(ブラックマルチカム)とMC(マルチカム)の2種類が用意されており、ユーザーの多様なニーズに対応している。
尚、BKモデルのストック表面には、実銃のカーボンファイバーストックの表面に施された独特の仕上げを再現すべく、細かいメタリックパウダーを混入した塗料によるコーティングが施されている。
では、トイガンとして初めてモデルアップされた話題のボルトアクションライフルのディティールを、いつもどおり銃口周りから見ていこう。
銃口側に向かってテーパーがつけられたアルミ合金製のアウターバレルは、先端部のマズルキャップが逆ネジ仕様で取り外せるようになっている。
この逆ネジは、東京マルイ製VSR-10シリーズのマズルと同じネジピッチで作られているが、アウターバレルそのものの太さが異なっていることと、インナーバレルがアウターバレル先端ギリギリまで伸びているため、VSR-10シリーズ用のマズルアダプターをポン付けというわけには行かないようだ(東京マルイ純正マズルアタッチメントは取り付け出来ないことを確認済み)。
クラウンが深めにとられた内径6.03mmのインナーバレルは、独自の機械加工プロセスと熱処理によって作られ、APS airsoft社によれば、BB弾発射時の振動が少ないため、命中精度の向上が期待出来るとのことだ。
ホップアップ調整レバーは、銃身先端からバレル全長の2/3程度の位置に顔を覗かせるお馴染みの構成で、動かす際の感触が妙に粘るようなこともなく、極めてスムーズにホップアップ調整を行うことが可能だ。
調整にあたり、カチッカチッというはっきりしたクリック感は薄いものの、狙ったポイントにしっかり止められるだけの節度はしっかり確保されている。
また、ストックのフォアエンド部分がアウターバレルにピッタリと沿った形で非常に薄く作られており、上から見た際のスリムさを際立たせている。
軽量化のために削ぎ落とされたレシーバー左側面には、正規ライセンス品である証として、BARETT FIREARMS社のロゴマークとFIELDCRAFTの製品名が深々と刻まれている。
BARETTロゴの下にあるMURFREESBORO,TN USAという刻印は、BARETT FIREARMS社の所在地であるテネシー州の都市、マーフリーズボロの地名を表したものだ。
尚、FIELDCRAFT刻印の下にあるFC001582の英数字は、すべての固体に共通のダミーシリアルとなっている。
レシーバー上にはワンピースタイプの20mmマウントベースが標準装備として取り付けられており、スコープ等光学機器の搭載を容易にしている。
実銃のFIELDCRAFTはボックスマガジンを持たないトップローディング式のライフルなので、マウントベースがレシーバーの開口部を避ける形になっているのは嬉しい配慮だ。
レシーバー右側の開口部から除くシリンダーには、実銃のボルトと同様のスパイラルフルートが設けられている。
実銃のボルトのように、コッキングハンドルの操作でシリンダーが回転することは無く、装飾という以上の意味はほぼ無いが、従来のボルトアクションタイプエアーガンにはあまり見られない個性として、歓迎出来るポイントだろう。
尚、本製品の機関部周りのパーツはVSR-10シリーズと非常に良く似た構成だが、両者のパーツにほぼ互換性は無いので注意していただきたい。
円柱状のボルト(シリンダー)後部から多角形へとシームレスに繋がるエンドキャップと、シンプルで操作性に優れたセーフティレバーは、実銃の形状を忠実に再現しており、常に目の前にある光景の実感を高めている。
また、シンプルな形状のノブが一体となった薄く細長いボルトハンドルもその特徴を上手くトレースしており、トリガーフィンガーで素早く跳ね上げ、コッキングするために考えつくされたデザインであることを実感させてくれる。
前方下側が膨らんだ卵型のトリガーガードも、樹脂製ながら特徴的な形状を忠実に再現。
トリガーについても、メカニズムの違いから待機位置が異なっているが、緩やかなカーブがしっかりトレースされている。
トリガーガードの下面には、MADE IN CHINAの文字と固有のシリアルナンバーが刻まれている。
FIELDCRAFTのために開発されたZEROトリガーシステムを搭載
VSR-10シリーズをベースとしたトリガー部分のメカニズムは、この製品のために開発されたZEROトリガーシステムというトリガーボックスが搭載されている。
ボールベアリングを内蔵したこのシステムは驚くほどスムーズなトリガープルを実現しており、メーカー公表値は1.2ポンド(500g)となっているが、日本仕様のスプリングだと0.44ポンド(200g)前後という軽さとなっている。
トリガープルの感触としては、引き始めの短い遊びからピストンの開放までがほぼ均一のテンションなので、精密射撃の際には注意深くトリガーを引く必要がありそうだ。
VSR-10シリーズ用とそっくりな形状の30連マガジンだが、サイズが微妙に小さく作られている。
FIELDCRAFTのマガジンハウジングに対し、VSR-10シリーズ用のマガジンを挿しこむと抜けなくなる恐れがあるので、両製品のオーナーには注意が必要だろう。
そのマガジンハウジングを下から覗きこむと、BATONのロゴと、JASG認定商品である証のシリアルナンバーが刻印されているのが見て取れる。
※APS airsoft製エアースポーツガンは、弊社 株式会社バトンTrading 販売・卸売の商品のみがJASG認定(JASG刻印・安全認証シール貼付)となります。並行輸入の他社流通品はJASG認定ではなく保証対象とはなりませんのでご注意ください。
ストック後部についても、ハンティング用ライフルとして考えつくされた形状が忠実に再現されている。
サイズ的にはVSR-10シリーズのストックとほぼ変わらないが、銃身軸線に対するベンド(頬付けする部分の上辺)の角度や、グリップ部分の太さと湾曲の度合いが大きく異なっており、体格や手の大きさを選ばぬ構えやすさを実現している。
この優れたのデザインのストックが、FIELDCRAFTというライフルの大きなセールスポイントであることは間違いないだろう。
箱出しとは思えない弾道安定性
実射性能については、以下の動画をご覧いただけば一目瞭然だが、海外から到着したFIELDCRAFTスナイパーライフルを箱から出し、BATON airsoft製アクリビスバイオBB弾の0.28g弾を無選別でマガジンに装填して行った実射テストで、30m先のEタイプシルエットターゲット(ハイパー道楽様寄贈)に好きなだけヘッドショットを叩き込めるのだ。
無論、0.2gBB弾を使用時しても、30mの距離から同ターゲットの胴体部分を外すことは無い精度が得られるので、使用弾の重量制限があるサバゲーフィールドにおいても、その実力を如何なく発揮出来るはずだ。
これまでGunsmith BATONで取り扱って来た海外製エアガン、特にエアーコッキングガンには、安定した性能を引き出すために、チューナー陣が大変な苦労を重ねて来たものだが、いわゆる箱出しでこれだけの性能を見せ付ける製品が登場した事実には、驚きを隠せないというのが正直な感想だ。
APS airsoft社が作り上げたこの高性能コッキングエアーガンを長く安心して楽しむなら、JASG認証と万全のサポートが付いたGunsmith BATONでのご購入を、是非ご検討いただきたい。
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[ APS airsoft ] BARRETT FIELDCRAFT スナイパーライフル【JASG認定】
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