S&T 電動ガン M249 PARA スポーツライン
レポート:戸井 源太郎
中華メーカーのS&TからM249 PARAがスポーツラインで登場です。スポーツラインはエントリー用の樹脂製ボディのリーズナブルな価格帯のモデルになります。決して子供のおもちゃではなく、歴とした18歳以上用の電動ガンで外観もリアルに再現しています。
気になる実射性能は? スポーツラインはサバゲーに通用するのか? 早速、レビューしてみたいと思います。
M249はM16と同じ、5.56mm×45 NATO弾をする分隊支援火器として、米陸軍に1984年に制式採用されました。ベルトリンクだけなく、M16用のマガジンをそのまま使用できるよう設計されています。
米軍に採用後、M249は1989年のパナマ侵攻から現在まで世界中のあらゆる戦場で使用されています。
この30年で、ピカティニーレールの装備やハンドガード、ストックの改良、アメリカ特殊作戦軍採用の軽量化タイプMk46や7.62mm弾仕様のMk48などバリエーションモデルも多数存在します。このPARA(パラトルーパー)は空挺部隊用としてショートバレルと伸縮ストックを装着した5.56mmモデルになります。
M249は性能、信頼性の高さから世界各国の軍で採用されており、日本も住友重機械工業が5.56mm機関銃MINIMIとしてライセンス生産を行い、自衛隊で採用されています。
コストパフォーマンスを重視したスポーツラインで、フレーム、ストックパイプなど含め、主要パーツはナイロンファイバー樹脂製となっています。その分、マシンガンでも軽量に仕上がっています。樹脂製ボディといってもギシギシ軋むような“ヤワ”さはありません。触ってみるまで樹脂製と思えないほど剛性が高く、リアルに再現されています。メカはVer.2タイプでフルオートオンリーになります。
S&T共通のパッケージにモデルのステッカーが貼られています。ストックは外されて収納されているので、厚みはありますが、コンパクトです。サイズは760 x 330 x 140mmになります。
レシーバーの主要部分は全てナイロンファイバー樹脂製と完全に割り切ったモデルです。樹脂製でも軋みはなく、しっかりした作りです。何よりも軽いので取り回しの良さがメリットです。
レシーバー両面にはFNHのロゴを始め、刻印がプリントされています。
コッキングハンドルは構造上、2cm程度しか引けません。
フィードカバーにはピカティニーレールを装備しています。このレールも樹脂製です。
グリップは太めでしっかり握れます。トリガーこそ金属製ですが、なんとトリガーガードまで樹脂製です。
トリガー上にクロスボルト式のセフティがあります。赤いラインがみえている状態が「FIRE」です。
フラッシュハイダーを始め、フロントサイト、ガスレギュレーターなどのパーツも樹脂製ですがリアルにできています。
フラッシュハイダーは取り外し可能です。アウターバレルは金属製で14mm逆ネジ仕様になっています。
ハンドガードは左右、下面に樹脂製ピカティニーレールを装備しています。また実銃同様、テイクダウンレバーによるバレルの着脱が可能です。
キャリングハンドルのアームと基部は金属製なので、持ち運びも可能です。ハンドルは角度の調節ができます。
M249 PARAのスポーツラインはスタンダード電動ガン用の各種M4マガジンが使用可能です。実銃同様に左サイドに斜めにマガジンを挿入します。パッケージには300連のM4用多弾マガジンが同梱されます。
このM249 PARAにはBOXマガジン用のドブテイルガイドもあり、A&K製のMINIMI用電動給弾マガジンも装着可能でした! 今回、A&K M249用2500連 音感センサー自動巻き上げ スペアマガジン/9,800円(税別)を装着してみました。マシンガンにはやはりBOXマガジンがよく似合います。
※ダミーのベルトリンクも別売りのものを付けてみました。
フロントサイト周りも樹脂製で、ガードのリングがかなり肉厚になっています。
リアサイトの主要部分も樹脂製で、上下左右の調整が可能です。スポーツラインといえども細かいところもしっかり作られています。
折り畳み可能なバイポッドも樹脂製と割り切っています。ただし脚の長さ調節はできません。
バイポッドの内側はトラス構造で、本体も軽いので、強度的にも問題ありません。
バイポッドを使用しない時は、折り畳むことができます。バイポッドを展開すれば、下面のレールも使用できます。
M249 PARAの一番の特徴は回転して伸縮する独特なストックです。ストックパイプまでもが樹脂製と徹底されています。なお、ストックは取り外された状態でパッケージに収納されており、これを取り付ける際に付属のピン2本で固定するのですが、 ストック側のピン穴が小さく、ピン穴を棒ヤスリで調整する必要がありました。
ストックは実銃同様に伸縮可能です。伸縮する際はストックを引いて、基部のロックを解除して、90°回転させます。一方向にしか回転しません。
ショルダーレストも展開できます。ここは数少ない金属製ワイヤーになっています。
リアサイトの下にある両側のロックを押して引き上げれば、フィードカバーを開けられます。本体内部にはメカボックスが収納されています。メカボックスの後部がバッテリースペースになっています。
ストックが伸縮式なので、バッテリースペースはレシーバー内のメカボックス周囲に収める形で、専用のS&T M249用8.4V 1100mAh/2,480円(税別)が推奨ですが、セパレートタイプもギリギリ収納できました。
フィードカバーを開けたバレル基部にドラム式ホップダイヤルがあります。シームレスで調整しやすかったですね。
マガジンはスチールプレスアウターの300連ゼンマイ給弾マガジンが付属しています。
実射テスト
フィールドで早速、S&T M249 PARAを撃ってみました。まず最初の感想は、「軽い!」ではないでしょうか。見た目の厳つさからは予想もしない軽さに驚くでしょう。
FETなど電子トリガー類は搭載されていませんが、リポの瞬発力、フルオートオンリーということからトリガーのレスポンスの遅さはあまり感じません。
テストで使用した東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾のどちらでも距離30mではA3サイズ(29.7cmx42cm)のスチールプレートには必中、距離40mの人物大のターゲットにもほぼ命中します。飛距離はホップ調整すれば弾道も素直で40m以上飛びます。集弾性は優秀とはいえないまでも人物大にはまとまる精度があり、実射性能は文句なく合格レベルにあると思います。
実射テストで、付属の300連の多弾倉マガジン、A&KのM249用2500連 音感センサー自動巻き上げマガジンで1,000発前後、射撃しましたが、なんの問題も発生ありませんでした。また中華製電動ガンでよくあるメカボックスのギアの異音も少な目です。このあたりは分解してみないとわかりませんが、内部ユニットの精度も随分と良くなっているのかもしれませんね。そのまま箱出しでサバゲーで戦えそうです。
総評
「スポーツライン」というと価格を抑えた最低限レベルの電動ガンで、性能も「それなりのモノ」だろうと思っていませんか? 正直、私もそう思っていました。が、実際に実射してみるとそんなイメージは吹っ飛びました。
外観のディティールは大味なところもありますが、よく作り込まており、パッと見ではとてもナイロンファイバー樹脂製とは思えない完成度です。そして重量3.85kgとマシンガンとしては非常に軽量であるというメリットも見逃せません。これなら一日中サバゲーで走り回っても、普通のライフルと変わりない感じです。
そして最大のメリットが、その価格です。スクワッド・マシンガンが市場価格で25,000円程度で手に入れらるというのは驚きです。本当に最近の中華電動ガンのレベルは上がってきていますよね。
コストパフォーマンス、軽量、性能と三拍子揃ったサバゲー向き電動マシンガン、このS&T M249 PARAスポーツラインを買わない理由はありません!
スペック & 初速
全長 | 790〜925mm (ストック伸長時) |
重量 | 3,850g ※空マガジン含む、バッテリー除く |
銃身長 | -mm(インナーバレル長) |
装弾数 | 300発 |
価格 | 28,000円(税別) |
発売日 | 2019年6月 |
動力源 | リポバッテリー |
初速 | 最高:86.03m/s 平均:85.04m/s 最低:84.06m/s ジュール:0.723J |
回転数 | 750rpm(12.5発/秒)※7.4Vリポ使用 |
※東京マルイベアリングバイオBB弾 0.2g使用、ホップアップ固定、屋外10発での測定、気温25.4度、湿度40%、XCORTECH X3200 Mk3にて測定。
協力:UFC、ビレッジ2
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