東京マルイ エアガン ニュー銀ダン 【エアガン レビュー】
銀玉鉄砲、男の子なら一度は遊んだことがあるだろう。銀玉鉄砲なくして、戦争ゴッコや正義の味方ゴッコは語れない、といっても良いほどに重要なアイテム。かくいう私も子供のころは100円の銀玉鉄砲で遊んだクチであり、その延長線上に今のトイガン趣味がある。昔は住宅街の一角、路地裏なんかに駄菓子屋があって、おばちゃんが店番やってて、お小遣いの100円握り締めてスルメやらガム、チョコ、アイスなんかをよく買いに行ったものだなぁ...。
なんかノスタルジーな気分に浸ってきたので、もう少し当時の思い出をw。
銀玉鉄砲以外にも、銀玉ではなく座薬みたいなプラスチックの細長い弾をこめるリボルバーや、赤い巻玉火薬をパシパシ鳴らす発火型の鉄砲、茶色の輪になった8連発のキャップ火薬式リボルバーなどいくつかあった。
これら、おもちゃの鉄砲で遊んでいたのは小学校低学年くらいまで。小学校4年生になるとすでにクラウンのパイソン、マルイのガバ、マルシンのM39などのキットモデルガンに手をだし、小学校5、6年生のころにはコクサイやMGCの発火式リボルバーで撃ち合いゴッコをはじめていた。
中学生になるとじわじわとエアソフトガンブームに火がつき始め、高校生ではドップりとサバイバルゲームにハマることになる。
で、東京マルイのニュー銀ダン。2009年5月の静岡ホビーショーで発表された7歳以上対象の子供向けエアソフトガン。
事前のティザー告知でマルイの公式サイトにPPKのシルエットが浮かび、「すわ、ついにマルイもPPKのガスブロか!」などと騒がれもしたが、青色のシルエットが気になって会場に足を運ぶと、驚きの展開に。と、この辺は記憶に新しいところなのだが、マルイの「ニュー銀ダン」、ニューってことは"旧"もあるの? とか、素朴な疑問を感じてマルイのスタッフに聞いてみたところ、いわゆる昔の銀玉鉄砲に対してのニューという事らしい。
東京マルイ エアガン ニュー銀ダン スペック & 初速データ | |||||||||||||||||||||
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※東京マルイ銀ダン専用BB弾 0.12g使用、気温23.8度、湿度46.0%、0.2gBB弾換算だと初速19.5m/sに相当。 |
パッケージは6種類あって、モデルアップされたのはワルサーPPK/Sに似た「ポリスピストルSS」と「グロック26」の2モデル。
これらに青、赤、緑の3カラーがあり、全部で6種類のラインアップ。
パッケージには青少年育成条例に適合していること、そしておもちゃの安全規格であるST玩具安全基準に合格していることが印刷されている。
取り扱い説明は箱の裏側。
イラストの銃がどちらのモデルでもないところが意味深でもある。
とりあえず、1丁980円(税抜)と安いので、ブルー、レッド、グリーンの3丁を購入してみた。
まずは、モデルNo.1、ブルーのポリスピストルSS。なんとも爽やかな色。言うまでもないが、モデルはワルサーPPK/S。
実銃のワルサーPPK/Sは.380ACPや32ACPなどの口径バリエーションがあるドイツ、ワルサー社の中型オートマチックピストル。大戦中のドイツ将校なんかが使っているイメージが強い。実際、映画「ワルキューレ」でもトム・クルーズが使用していた。
刻印は実銃とは異なり、完全オリジナル。
ワルサーのバナーロゴがWAFFEN(ドイツ語で「武装された」の意)となっている。
グリップ、ハンマー、スライド右側面のセフティレバーも一体のモナカ構造で成型されている。
マガジンキャッチももちろんダミー。
マガジンはフルサイズで抜き差し可能。
おもわずマルゼンのPPK/Sと比較してみる。
サイズはほぼ同じ。
ディティールもなかなか良く作りこまれている。
スライドの厚みや造詣も非常に似ている。
これはもしかして、マルイはガスブロも作る気でいるのかもしれない。
こちらはグロック26。実銃はオーストリアのグロック社の9×19mmルガー弾を使用するサブコンパクトピストル。
グリップはマルイ製ガスブロのグロック26よりもコンパクトになっており、握りやすくなっている。
なお、ポリスピストルもこのグロックもトリガーは水平に引くようになっており、この指アクションでピストンを後退させ、弾を発射する。
東京マルイのガスブロ、グロック26との比較。
ポリスピストルとは異なり、ちょっと小さめにデフォルメされている。
スライド長を比較してもわずかに銀ダンのほうが短い。
また、フロント、リアサイトの形状も銀ダンはオーソドックスなタイプ。
右側面の5本のネジを外すとモナカ構造なので、このように分解することができる。
銀ダンはマガジンセフティを内蔵する。
マガジンを挿入すると緑矢印の部分にマガジン先端が当たり、赤矢印のシアがピストンと噛み合い、コックすることができる。
また、トリガーを引くと同時にチャンバーへあがったBB弾1発をインナーバレルが後退して、くわえ込む仕掛け。
銀ダン専用の6mmBB弾は、銀色のプラスチック製で、重量は0.12gと軽量。
外で撃つこともあるだろうから、自然に帰る素材、つまりはバイオBB弾も発売して欲しいところ。
昔の銀玉は簡単に砕けて、土のような成分だった記憶がある。
マガジンは6mmBB弾を18発装填可能。
ポリスピストルは右側面にご丁寧に残弾確認孔まで再現している。
左側面からパチパチと弾を込める。専用チャージャーも発売されている。
紙製のふっとびターゲットが3個付属する。
台座部分の裏にはグー、チョキ、パーのじゃんけんマークがあり、遊びの幅が広がる。
ポリスピストルSSの実測重量は123g。
グロック26の実測重量は138g。
実射性能は、固定ホップアップを装備していることもあり、7歳以上対象のローパワーながらかなり真っ直ぐに飛んでいく。
これはスゴイことだ。こんなおもちゃが30年前にあったら、それこそヒーローになっていただろう。
たしかに、パッケージにあるように5m先の5cmの的に当てることもできる。しかしパワーは0.038J。つくづくエアガンはパワーじゃないなぁと思う次第。自分の手に撃ってみるとチクッと痛いが、たいしたことはない。なんといっても5m先のマルイのペーパーターゲットを貫通できないほどのローパワーだ。
しかし、なんだか楽しい。童心に返った気持ちにさせられる。家の中でパコパコ撃っているとペーパーターゲットを貫通せずにハジかれて弾が散らかる、猫が追いかける、奥様に叱られる。それでも楽しいので家の中でサバゲやろうと奥様に持ちかける、銀ダンを取り上げられて逆に撃たれる。イタッ....くもないか。あわわ、ごめんなさい、もう寝ます...。
そういえば、千葉に新しくできたインドアフィールド「U-CUBE」では銀ダンをみんなで持ち寄って、楽しく撃ち合いをやっていたっけ。
さて、この商品、マルイは低年齢層のトイガン需要拡大が目的だという。鉄砲アレルギーの親御さんたちに健全で楽しい遊びだというメッセージも込めているという。はたして、そもそも危険なものは子供から遠ざけようという現代の風潮・教育方針の中、どれだけの需要拡大が見込まれるのか、今7歳の子供がマルイの主力製品を購入できるようになる十数年後が楽しみでもあり、ちょっぴり不安でもある。
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