G&G ARMAMENT 電動ガン RK74-T
レポート:戸井 源太郎
2016年9月に発売されたばかりのG&G最新電動ガン、RK74-Tをレビューします。
名称から想像つくかと思いますが、AK74がモチーフになっています。そのAK74に最新のKEYMODレールやM4のリトラクタブルストックを搭載した最新タクティカルライフル風にG&Gがデザインしたオリジナルモデルになります。
RK74には、他にショートバレルのRK74-CQB、ミドルサイズのRK74-Eが存在しています。このRK74-Tは一番長いロングバレルモデルになります。そしてメカには電子トリガー・モジュールとMOSFETが標準装備されており、なかなか期待できそうです。
AK74はAK47の後継ライフルとしてソ連に1974年に採用されました。主な変更点として弾が7.62x39mm弾から小口径の5.45x39mm弾が採用されました。AK47と見た目はそれほど大きく変わっていませんが、小口径弾化と大型のハイダーで反動を軽減し、命中精度も向上しています。現在でもロシアや旧東側諸国でライセンス生産されたり、独自に改修したモデルを使用していますが、AK47ほど浸透していないようです。一説には高速小口径弾のため、貫通するだけでストッピングパワー不足が指摘されていたようです。現在は、弾頭が改良され、破壊力が増しているそうですが...。
それでは、AK74系の進化形といえるG&Gの電動ガン、RK74-Tをレビューしていきましょう。
AK-74をベースにG&Gが独自にアレンジしたカスタム電動ガン、いわゆるモダナイズドAKです。リトラクタブルストックに流行りのKEYMODレールを搭載しています。素材も主要パーツは全てメタル製でガッチリした作りとなっています。
■スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||
|
パーツリスト |
パッケージはG&Gカラーの黒と青のツートンです。モデルごとステッカーで対応しています。銃は発泡スチロールにより保護されています。ダルマ型のストッパーにより移送中に銃がバタつかないよう配慮されています。こういう心遣いが嬉しいですね。サイズは1,050 x 265 x 100mmです。
中には日本語にも対応した4ヵ国語で記載されている取説に弾速証明書、エアソフトガンカタログ、台湾旅行キャンペーン応募用紙、シースルーマガジン用の弾丸ステッカーが付属しています。
そしてなぜかGC16シリーズの取説も入っていました。
他にチューブタイプのBBローダー、クリーニングロッド、フロントサイトアジャスターが付属しています。
AK-74の雰囲気を残しつつ、G&Gオリジナルのパーツが搭載されています。ロアフレームはアルミ製でアッパーレシーバーはスチール製となっています。
コッキングハンドルは両側にあります。もちろんどちらからでも引くことができます。
しかもこのコッキングハンドルはオフセットに配置と、面白い構造をしています。
AKシリーズのレシーバーカバーは被せてあるだけで、実銃では光学サイトの精度が出ませんが、G&G製はカバーに装着されたアルミ製レールに直接搭載します。電動ガン、サバゲー用だとそれほど問題はないでしょう。
ハンドガード上面にはピカティニー規格のレール、左右はKEYMODとなっています。このハンドガード内にバッテリーを収納します。
ハンドガード下面は前方がKEYMOD、レシーバー基部側がピカティニー規格のミニレールとなっています。
ハンドガードからレシーバー後部まで上面はほぼ一体のレールとなっており、様々なアクセサリーが搭載できます。リアサイトも低いので邪魔になりません。
反動を抑えるためにAK-47から改良されたAK-74のハイダーを搭載。アウターバレルはアルミ製ですが、ハイダーとフロントサイトはスチール製です。
リアサイトはタンジェントではなく、シンプルなモノとなっています。六角レンチで多少上下の調整は可能です。
グリップはG&Gオリジナルのプラ製を採用しています。フィンガーチャンネル付きで非常に握りやすいです。
AKの特徴であるセレクターはカスタムタイプが採用されています。ポジションはAKシリーズ共通で、一番上からセフティ、フルオート、セミオートとなっています。
このセレクターは下にある付き出た部分により人差し指のみで操作できます。つまりグリップから一々手を離さず、トリガーフィンガーだけで切り替えができるのです。
さらにこのセレクターの上の切り欠きにコッキングハンドルを挟めば、ホールドオープンもできます。
可変ホップアップはエジェクションポート内に調節レバーが設置されています。 前後にスライドさせて調整します。
トリガーには電子トリガー・モジュール+MOSFETが搭載されています。バッテリーを接続した状態で、セミオートで1回撃ち、そのまま約10秒ほどトリガーを引いたままでいるとフルオート/3点バーストに切替ができます。
マガジンキャッチは両側に突き出た逆T字型で左右どちらからでも操作できます。
バッテリーはハンドガード内に収納します。まず、ガスレギュレーター部がロックとなっているので、ここを緩めます。ハンドガードにある突起が完全に露出すれば、ハンドガードの上半分が脱着できます。ちなみに逆ネジとなっています。
樹脂製のスペーサーが入っており、これを外すとセパレートタイプのバッテリーも収納できます。800mAhの短いステックタイプも収納できます。
バッテリースペースの長さは約10cm、幅は約3cmほどになります。推奨バッテリーは7.4VのLipoです。
コネクターの先にMOSFETが搭載されています。
ストックはM4タイプの6ポジションの伸縮するリトラクタブルストックとなっています。ストック部はG&GオリジナルのGOS-V2を搭載しています。
体格だけでなく、装備(ボディアーマーやプレートキャリア)に合わせて細やかな調節できるメリットがあります。
前方のレバーでストック長をロックすることもできます。またストック内にCR123Aバッテリーを収納することもできます。
このストックは折り畳むこともできます。ストック基部を上に持ち上げるようにすれば、ロックが外れます。
ストックを折り畳めば、コンパクトになります。ストックが最短の時でも干渉せずに射撃は可能ですが、ある程度、ストックは伸ばしたほうがよいかと思います。
余談ですが、主に西側諸国の折り畳みストックは右側に、東側諸国のストックは左側と、折り畳む方向が逆というのが面白いですね。これはきっとセレクターの位置関係でしょう。そのため、日本の89式小銃はセレクターが右側のみなので、左側に折り畳みます。
マガジンはプラ製でノーマルのスプリングタイプになります。装弾数は115発もあります。マガジンの重量は193gです。マガジンフォロワーが突き出て最後の1発まで撃てるようになっています。
マガジンバンパーの中心部を押せば、バンパーが外せ、マガジン外側のスリーブが外せます。
マガジンの本体の方へ付属の弾丸シールを貼れば、まるで実弾が装填されたようなシースルーマガジンになります。
実射テスト
最近レビューをしたCM16 SRSやGC16 Predeatorにより、G&Gの電動ガンシリーズの性能がかなり向上していると実感できていますので、このRK74-Tも期待ができます。
使用BB弾はいつもと同様、東京マルイのベアリングバイオBB 0.2gです。距離もいつもと同じ40mで人物大のターゲットに向けて試射を行いました。ホップの調整もスムーズでその時点で弾筋が良さそうなことがわかりました。
実際にターゲットに向けて撃ってみるとボディにはビシバシとほぼ全弾ヒットします。しかもボディ全体、満遍なくではなく、結構まとまっています。風の影響がなければ、距離40mでヘッドショットも充分狙えます。フルオートで撃ってみるとBB弾が1本の線にみえます。
これは東京マルイ製に匹敵するほどの高精度な電動ガンといえると思います。
試しに距離50mでも撃ってみたところ、この距離でもまっすぐ飛び、余裕で射程内でした。ちなみにいつも試射で50mを撃つときは、銃によりますが、だいたい体半分、もしくは体一つ分ほど、上目を狙っていますが、RK74-Tはほぼそのまま狙ってヒットできました。頭を狙ってボディに命中する感じで、その弾道のよさには素直に感服しました。また初速も誤差±1m/s以内と安定しており、この精度に貢献していると思います。箱出しでこの性能なら、文句なく「優」です。
G&G RK74-Tの質感、剛性と電動ガンとしての外観の完成度も高く、実射性能も最高レベルといってよいでしょう。さらにG&Gの射撃時の「ビヨヨーン」というスプリング音も大分、低減されているように思いました。今回は、いつも辛口の私も口を挟む余地がありません!
また、動画でわかるかもしれませんが、トリガーを引いてから「モシャバン」というレスポンスの遅さとノイズ、フルオート時のサイクルの遅さが少し気になりましたが、これは私のバッテリーが古くなっていることが原因で、新しいバッテリーでは、レスポンスもよかったです。
あえて言わせていただくならトリガーが軽すぎて、感触がふにゃふにゃするのがあまり好きじゃないですね。トリガーのスプリングをもう少し強いものに変えるだけでよい感触になるかと思います。電子トリガーですからもっとストロークを短くすればさらにレスポンスの良さを実感できると思います。
テストで500発以上は撃ちましたが、トラブルも全くありませんでした。
RK74-Tは厳しい目を持つ、日本のユーザーも納得できるレベルに達していると思います。
そして万一の故障の際も日本代理店があり、アフターサービスも受けられるので安心できます。またGC16シリーズで発生したバッテリー電圧問題でも素早く対応していましたし、メーカーとしての信頼度も高いと思います。
最後に
ここ1、2年でG&Gの電動ガンの性能は驚くほど向上したと思います。日々、研究しており、その成果をフィードバックしている結果だと想像します。
しかしハイパー道楽で私、戸井が過去にレビューしたG&GのM1ガーランド、L85A1など、質感や外観の完成度は素晴らしいのですが、実射性能が少し残念なモデルもありました。機会があれば、これら過去の電動ガンをリニューアルして欲しいですね。
残念といってもホップが効かないとか、鬼ホップだとか、マガジン内にバリがあってBB弾がちゃんと上がってこないとか、ほんのちょっと改修する程度です。それプラス、このRK74のノウハウがあれば、かなり性能アップするのではないかと思います。特にこれらは競合メーカーも少ないモデルなので、欲しいと思うファンも多いのではないでしょうか。是非ともG&Gさんには検討していただきたいですね。
撮影協力:ビレッジ2
■関連リンク
G&G 電動ガン GC16 Predator
G&G 電動ガン FIREHAWK
G&G 電動ガン CM16 SRS
Lady to Fire! RK74-T