CYBERGUN/VFC 電動ガン SIG MCX
レポート:戸井源太郎
SIG SAUER社が開発したアサルトライフル、SIG MCXが、フランスのサイバーガン社から電動ガンとしてモデルアップされました。SIG SAUER正式ライセンス取得済みモデルで、製造は台湾のVFCが行っています。今回はCYBERGUN/VFCの電動ガン、SIG MCXをレビューします。
SIG MCXは2015年のSHOT SHOWで発表されました。各種バレル長、ストックなどを自由に組み合わせることができるモジュラー式の次世代ライフルとして開発されました。信頼性の高いショートストロークガスピストンの作動方式を採用し、口径も5.56x45mmの他、.300BLK弾、7.62x39mm弾に対応するマルチキャリバーライフルとなっています。
また、SIGという知名度、品質の高さからか、すでに英国ロンドン警察が対テロ特殊部隊、その他オランダ軍海兵隊特殊部隊 (NL-MARSOF)や、インドネシア警察特別対応部隊(Gegana Brimob POLRI)で採用されているようです。
それでは早速サイバーガンのMCX電動ガンをみていきましょう。
スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||
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SIG MCXのイラストが描かれたパッケージ。銃は発泡スチロールで保護されています。同封物は取説(英語表記)のみでした。パッケージサイズは660 X 240 X 90mmです。
全長は最短で58cm、アウターバレル長は実測で約23cmとコンパクトサイズのカービンモデルになります。
レシーバーはアッパー、ロア共にアルミ製で剛性は高く、セレクター、マガジンキャッチは左右から操作できるアンビ仕様となっています。
マガジンハウジング、レシーバーには実銃同様の刻印が入っています。ボルトリリースレバーはホップアップ調整時ボルトカバーを閉じる時に押します。ボルトリリースの上下どちらも押せそうな形状ですが、上側のみ押せます。
その下のボタンはマガジンキャッチです。
レシーバー右側のマガジンキャッチは誤作動しないよう、三方がリブで囲まれています。
セレクターはアンビ仕様で、表示はピクトグラムです。
実銃と同様のデザインのグリップを採用しています。
トリガーガードはロアレシーバーと一体になっています。
チャージングハンドルを引くとボルトカバーがオープンして止まります。可変ホップアップダイヤルはドラム式を採用しています。
チャージングハンドルもアンビ仕様です。
MCX独特のデザインのボルトフォワードアシストノブです。電動ガンなので押せますがダミー機能となっています。
MCXの特徴であるメタルカムパス・ウェアインサート(Metal Cam Path Wear Insert)も別パーツで再現してあります。実銃ではボルトの可動により、レシーバー内側の特定部分が摩耗した時、この部分だけパーツ交換できる仕組みになっています。
アウターバレルはアルミ製、フラッシュハイダーはスチール製の3プロング(三又)です。ハイダーは14mm逆ネジ仕様となっていて、各種対応サプレッサー等が装着できます。
M4カスタムに多くに見られる筒状の一体型レールハンドガードではなく、トップレールとアッパーレシーバーは一体となっていて、「コの字」型のハンドガードが装着されています。ハンドガードの左右、下面はKEYMODになっており、任意の箇所にマウントレールを増設できます。
ハンドガード内には、ガスブロックとガス圧調整用のノブも再現しています。
フリップアップ フロントサイトが標準装備されます。横のボタンを押しながらサイトを起倒させます。
標準装備のリアサイトもフリップアップ式です。ピープも大小切り替え式です。フロント、リアともナイツ社のものに似た形状です。
アッパーレシーバー上部は伸縮ストックのスチールパイプが干渉しないようなデザインになっています。
ストック基部にスリングスイベルがありますが、レシーバー両側にQDスリングポイントがあるのも嬉しいですね。
MPXでの装着率が高いロッドスライドストックが採用されています。ストック基部上面にあるリリースボタンを押しながら3段階に伸縮できます。最短ポジションからリリースボタンを押すと少しスプリングでストックが押し出されます。
実銃同様にバットプレートにも「SIG」の刻印があります。
ストック基部にある六角スクリューを抜けば、ストックを上に取り外すことができます。
ストック基部はマウントレールになっています。
このレール状の中心にある円形部分を六角レンチで外すとメインスプリングが取り出せます。
ストックレスにしてカービンピストルとしても使えます。機動力も増しそうですし、これはこれでカッコいいですね。
バッテリーはハンドガード内に収納します。ロアレシーバー前部にあるテイクダウンピンでハンドガードがロックされています。
テイクダウンピンを抜けば、ハンドガードが前方に取り外せます。
ここにバッテリーを収納しますが、スペースは非常にタイトです。
収納できるバッテリーは7.4v Li-Poのセパレートタイプがギリギリで、収納するのもコツが必要です。
ハンドガード内にバッテリーをセットした状態です。
ハンドガード内にバッテリーを収納するとまったく余裕ありません。劣化により少しでもバッテリーが膨らんでくると収納できなくなるかもしれません。
テイクダウンピンを抜いてハンドガードを外すのは楽なのですが、このリングがバッテリー収納時にコードが引っかかって煩わしいです。
ハンドガードの脱着はテイクダウンピンを抜くより、下面にあるスクリュー2本を抜いてハンドガードを外した方がアッパーレシーバーも動かず、作業しやすいと思います。
マガジンはM4タイプが標準装備で、カラーは少し青味のあるシルバーがかっており、よい雰囲気です。もちろん各社スタンダード電動ガンのM4用マガジンと互換性があります。ただ銃に装填してもロックがかかりにくいのが気になりました。マガジンはスプリング給弾で装弾数は120発。マガジン底部は無刻印です。
実射テスト
使用BB弾は、東京マルイのベアリングバイオBB0.2g弾と0.25g弾を用意。距離は30mと40mで行いました。
ターゲットは30mは直径18cmの丸プレートとA3サイズ(29.7cmx42cm)のスチールプレート、40mは人物大のターゲットを使用しました。
ホップアップを調整後、JAWS SADDLEで銃を固定し、30mから試射を行いました。0.2弾gと0.25g弾ともにA3サイズにほぼヒットできますが、フライヤーやドロップが稀に出ました。
距離40mのテストでは、0.2g弾は風の影響を受けやすいのですが弾道は悪くないです。ボディならほぼ必中距離でしょう。
0.25g弾では0.2g弾より安定しており、グルーピングは纏まっているように思えます。
しかしどちらのBB弾でも距離50mでヒットするには厳しい感じで、有効射程は40m強といったところでしょう。
そしてやはり、どちらのBB弾でもフライヤーやドロップがありました。ただ左右にはズレず、上下に逸れる感じでした。ほぼ新品なので、まだパッキンにアタリが出てないのかもしれません。
総評
SIG MCXの欠点はバッテリー収納でしょう。とにかくバッテリースペースが狭すぎです! 収納するのにとても苦労しました。
ここはPECタイプのバッテリーケースで外付けにするのがよいかもしれません。
しかし電動ガンとしての完成度は高いと思います。アルミ製レシーバーで剛性も高く、SIG SAUER正式ライセンスをしているリアル刻印仕様というのもポイント高いです。
射撃性能も距離40m内は必中距離であり、MOSFET搭載でセミオートも確実作動し、フルオートでも秒間約17発と濃い弾幕を張れます。テストで1,000発近く撃ちましたが、何もトラブルもありませんでした。価格もこの完成度なら妥当なところだと思います。
なんといってもSIG最新鋭のアサルトライフルのモデルアップということが燃えますね。
協力:ビレッジ2
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