UAB5 Ultimate Airsoft Battle 大会レポート
2017年5月7日に埼玉県のサバゲフィールド、SISTERで開催されたUAB5の模様をレビュー。
UABとはUltimate Airsoft Battleの略で、簡単に言うならばエアガンを使用した競技志向の強いサバイバルゲーム。UABには5 vs 5で行われる今回のUAB5のほか、3 on 3のUAB3、1対1で行われるUAB1がある。
開催場所は埼玉県さいたま市にあるサバゲーフィールド、SISTER。
UAB代表の岩井さん。エアガンをもっと身近なスポーツとして発展できないかということで約1年前からUABを立ち上げて活動されているそう。
UAB5は1チーム5名編成となり、本大会では20チーム、100名の参加があった。
フィールドの一部を区切って、UAB5のフィールドとしている。マップには審判の位置が示されている。
通常のサバゲーと違いUABには多くの審判がいる。主審1名、副審3名、そしてラインマン5名、エリアマン4名と合計13人の審判員が見守る中で厳正な試合が行われる。
フィールド両端に設置された黄色のバーがスタートポジション。そして相手チームのバーを3秒間タッチすれば勝ちというルール。全員の銃口をバーに押し付けた状態で開始の合図を待つ。
そしてホイッスルの合図とともに有利なポジションにダッシュする。非常にスピーディーな展開で1ゲームは5分の制限時間だが、そのほとんどのゲームは5分かからずに終わるそうだ。
開始前には両チームが握手をして挨拶を交わす。
バリケに最小限の露出面積でBB弾を撃ちあう。ときにはダブルガンで前進の機会を伺うことも。
弾が当たれば当然ヒットとなり、ヒットコールの自己申告によりフィールドアウトする。アウトしたらベンチで戦況を見守る。また、チームが全滅してもゲーム終了にはならず、相手チームがフラッグを取らずにタイムアップすれば引き分けとなる。プレーヤーやギャラリーも含めてゲーム中の指示出しやアドバイスは厳禁。
独特なスタイルの構え方。肘を引き、ストックを肩上に置き、銃身を目線近くへもってきている。バリケからの露出度を最小限にするための構えと言える。これはペイントボールなどにもみられるスタンスだ。
また上半身だけを傾けてなるべく被弾面積を少なくするのもポイント。もちろん敵を目視せずに撃つブラインドショットは禁止されている。
チーム同士の声掛けはOK。どのバリケに敵がいるかなどを確認しながら攻略していく。
複数ある射線を理解しながら、どのポジションに敵がいるかを想定して戦う。
弾が当たったのにヒットコールしなかった状況を審判が確認したら「ノットコール」となり、ホイッスルが吹かれ試合は一時中断となる。全プレーヤーはその場にしゃがんで待機。主審がヒットコールしなかった選手とさらに、その一番近くにいたプレーヤーのダブルアウト(2名退場)となる。
また、フィールドからラインアウトしたり、進入禁止エリアへの立ち入り時はそのプレーヤーのシングルアウト(1名退場)となる。また無線による通信も禁止されている。
敵をせん滅せずとも回り込んで3秒間バーを保持すれば勝利。
スタートダッシュからポジション取り、そして敵を探る展開になり、あるポイントが崩れ出すとゲームが一気に動く。ゲーム時間も5分と短く、飽きずに観戦できる。
ゲームが終わったら再び両チームで健闘を称えあって試合終了。また、この後、勝者チームのランダムで指名された1名は初速チェックを行い、不正がなかったか確認がある。
エアコッキングショットガンを使用しているプレーヤーもいた。もちろんショットガン好きだというのもあるだろうが、ロックタイムが短いのと、3発同時発射できるので瞬間的な撃ち合いで使いやすいということも理由に挙げられた。
独自の射撃スタイルからストックをオフセットさせる選手も多い。照準器を付けずに弾道で射撃補正をする選手も。またUAB3やUAB1ではトレーサーによって着弾を明確にするルールも導入されている。
こちらのプレーヤーもストックをオフセット。マガジンハウジングで銃を保持するので、重くなるハンドガードも取り外している。また光学照準器は付けず、トップレールにファイバーオプティックをダイレクトマウントしている。
ときにはバリケ1枚で攻防するシーンも。この後右のプレーヤーがセカンダリのハンドガンで敵を倒していた。銃の持ち込みは2丁まで。弾数制限は全部で300発、弾は0.2g~0.25g使用となっている。
コンパクト電動や電動ハンドガンをメインに使用するプレーヤーもいた。なお、外部ソース、CO2、電磁弁の使用は禁止。モスカート、グレネード、クレイモア、排莢式エアガンの使用も禁止。
フラッシュハイダーを取り外し、ドットサイトをトップレール先端に装着している。また多くのプレーヤーはウェアもTシャツにショートパンツ+レギンスといったカジュアルなウェアなども見かけられた。これは動きやすいということも有るが、被弾時に気づきやすくするためと、被弾を限りなく少なくするために体にフィットしたウェアをチョイスしているとのことだった。
フェイスゴーグルもdyeなどのペイントボールのブランドを使用する選手も。
試合は20チームがAB陣地を入れ替えて2試合を行い、その結果の上位10チームが決勝トーナメントに進出となる。引き分けの場合はアライブ(生存プレーヤー数)や残タイムで順位を決定する。
本大会優勝チームのNITAMAGO white。おめでとうございます!!
強豪チームにはショップやフィールドなどのスポンサーがついていて、選手たちのバックアップなどを行っているそうだ。また年間シリーズランキングもあり、通年での優勝チームが決まるのも面白いところだ。
閉会式では上位チームの発表と賞品の授与、じゃんけん大会による協賛品プレゼントなどがあった。
大会を観戦してみて
トイガンレジャーとしてサバゲーが80年代に普及し始めて30年以上が経つ。昨今では芸能人もプレーに興じたり、女性プレーヤーの増加などがTVメディアでも取り上げられることが多くなった。
一方でリエナクトメントなどにみられる戦場再現という世界もあれば、UABのように競技志向の世界もあり、それだけサバゲーというものが一般化・多様化したことはこれを趣味にする者にとっては嬉しいことだ。
UAB5の大会を今回初めて観戦して感じたのは、意外に皆思い思いのエアガンを使用していたということ。服装もカジュアルなものでミリタリーなイカつい印象はほとんどなく、ある意味、初心者にも入りやすい環境なのではとも思える。
ルール作りもペイントボールなどを参考にしているそうで、審判による厳正なジャッジ、大会の運営進行も想像していた以上にスムーズでしっかりしたものだった。
UABのコンセプトに賛同してUAB公認フィールドというものも増えていて、全国各地でUABが開催され、そして埼玉のSISTERで決勝大会が開催されるようになれば嬉しいとUAB代表の岩井さんは語る。
サバイバルゲームをベースとしてスポーツ競技化する試みはこれまでもあったが、UABもエアソフトシューティングスポーツの幅を広げ、業界を活性化させる大きな流れになりそうだと感じた。
UABオフィシャルサイト
[特集!!] JJ バトルスポット フィールド監修の裏話