サバゲーマップアプリ SVGMAPで遊んでみた!
先日SVGMAPというサバゲーマップアプリの実証テストも兼ねたゲームに参加してた来たのでその模様をレビュー。サバゲー環境の変化
サバイバルゲームを取り巻く環境はここ10年で大きく変わった。競技人口と専用フィールドの増加に伴い、様々な業種からのビジネス参入も相次いでいる。以前のミリタリーマニアのアングラな趣味から、一般的なレジャーへと変わりつつあると言っても良いだろう。
新規参入での問題も多々ある。銃の形をしたおもちゃを扱う上でのモラル問題はしばしば古くからのユーザーとの間に軋轢を生みやすい。そういった苦言を聞くこともある。
しかし一方でユーザーが拡大することで業界全ての利益向上に繋がる事も確か。
新旧ユーザー双方の利点を活かしていけばさらなる業界の発展につながり、サービスを提供する側、遊ぶ側ともに恩恵がもたらされるのではなかろうか。
スマートフォン アプリとゲーム
スマートフォンアプリもここ10年で大きく進歩したマーケットだ。言わずもがなその市場規模は巨大である。
そしてゲーム業界もこの携帯アプリの登場によって大きな方向転換をおこなったジャンルと言える。
また3D技術の進歩に伴い、ファースト・パーソン・シューティング(FPS)というカテゴリの戦闘ゲームは格段の進化を遂げ、全世界的にユーザーを拡大した。そういったFPSファン層もサバゲーに入ってきている。
サバゲーとITの邂逅
サバイバルゲームは本来アナログな遊びだ。陣取りゲームや缶蹴りといった昔ながらの遊びに通じるものがある。そこへ最新のスマートフォンアプリを導入したらどうなるか? 非常に興味深い話だ。
今回紹介するSVGMAPはそんな興味を具現化したツールと言えるだろう。
サバゲーマップアプリ、SVGMAPは株式会社タグベースが開発したサバゲー専用のマップアプリ。
これまでもグーグルマップを利用したマップアプリはあったものの、サバゲーフィールドに特化した専用アプリは世界にも類を見ない。
現時点でiPhone/iPadと、Android端末用に対応しておりいずれも無料で利用できる。
iPhoneならばApp Storeから、アンドロイド携帯ならばPlayストアからSVGMAPと検索すればダウンロードできる。
このアプリを利用した大規模なゲーム会が初めて開催されるということで早速参加してきた。
場所は千葉県君津市にあるPARADOX。山林を活用した広大な森林フィールドだ。
このゲームに参加したプレーヤーは総勢90名。SVGMAP初となる大規模実証実験ゲームといえる。
この日はメディアも多くコンバットマガジン、SATマガジン、さばなびなどの各社が取材していた。
今回のゲームを主催した(株)タグベース代表の菅野さん。自らもサバゲーを行うプレーヤーだ。
参加プレーヤーは各々持参したスマートフォンを専用の携帯ケースに収めて利用した。
こんな風にチェストリグのモールにスマホを固定するグッズもあるみたい。
アプリを利用するにはコードネームとメアドを登録し、アプリにログインする必要がある。
朝、チーム分けを済ませ、みんなでログインしようとしたところ問題が発生。
アプリが開かなかったり、通信が途切れて情報が共有できなかったり。んん~、いきなりトラブルか?
原因はどうやら通信環境の細さ。場所が山奥ということもあり、4G環境がかなり弱い。もちろん3G環境でも十分な利用が出来るのだが自動的に4G/3Gが切り替わったりと電波環境が不安定なこともあり、いきなり90人で一斉にログインしようとしたところ、エラーが出てしまったということらしい。
※現在タグベースでは低回線環境のアクセス集中時でもサーバが異常負荷にならないようにシステム改変中。
ここで急きょルールを変更し、グループ単位で行動することにし、グループ代表1名がログインすることになった。私はSATマガジンの面々と共に行動することになった。
ログインしたら都道府県からフィールドを選択。
現在ログインしているユーザーが顔写真付きで表示される。
フィールド内のベースキャンプに移動。最初のゲームはフィールド内に設置された複数のフラッグをどれだけ多く占領できるかというルール。FPSのコンクエストモードのよう。
驚いたのがその位置精度の高さ。GPSとキャリア電波強度、内蔵電子ジャイロで測位しているのだが、ほぼドンピシャで自分の位置と向いている方向が示されていた。使う前はぶっちゃけ、位置精度なんか10mくらい狂っちゃってゲームにならないんじゃないの? なんて思っていたが、これなら十分使える。
感覚的には2~3m単位での精度があるように感じた。
グループリーダーが集まってブリーフィング。マップを見ながらフィールドに点在するどの旗を攻めに行くかを相談する。
マップ上にはどのグループリーダーがどの位置にいるかがわかるので、チームリーダー同士の無線連絡も的確になる。
グループ内でも作戦を練る。SVGMAPはスタンドアローンのマップとしても使用できる。
ゲームを開始してフィールドを進む。味方のグループリーダー位置もマップ上に表示される。
FPSでいうところのミニマップを見ている感じ。
フラッグまでの方向や距離感もなかなか正確で、うっそうと茂った森林のPARADOXフィールドで初めてプレーするのだが、全く迷うことなく目標に移動できた。これはスゴイ!!
仲間から無線連絡が入る。「Gフラッグ確保!! 次の指示送れ!」
えーっと、Gフラッグてどこだっけ? あ、ここね。「んじゃ、次はJフラッグへ攻めていこう!!」
なんていう無線交信がリアルタイムに展開する。うおー、面白い~。
この占領戦はベースキャンプでの復活ができ、1時間という長時間ゲームで行った。
1日のゲームで使いっぱなしになるとさすがにスマホの電池も切れてしまう。外部バッテリーを接続するユーザーもちらほら。私はソーラーパネル充電器を持参した。またセフティにはライトニングやUSB端子付の充電ケーブルも完備されていたので、昼休憩のときに充電していた。
その後は両チームに大将と副将のみSVGMAPを持たせた大将戦を行った。大将がヒットされたら負けというルール。しかもマップ上には敵の大将/副将位置も表示されるという設定。
両チームの大将はマップを見ながら敵の大将の位置を把握、無線で味方に指示を出す。
双方位置が割れているので味方の動かし方によって勝敗が分かれるという展開になった。
ちなみにタッチパネルはグローブをしていると操作できないので、フィンガレスのグローブか素手で操作しなくてはならない。
続いてはキツネ狩りゲームを行った。一人のキツネ役がギリースーツでフィールド内に潜み、数名のハンターがマップを頼りに追い詰めるという内容。キツネとハンター双方の位置はマップ上に表示される。
ハンターはセミオート、キツネはフルオートOKというルール。
マップ中央のグレーの点がキツネ。その横のオレンジの円は敵の潜んでいるポイントとして画面をダブルタップして表示したもの。オレンジの×印と自分の距離が画面下に45.9mと表示されている。
マップ上を長押しするとそこまでの距離が測定できるので、「キツネまで交戦距離あと40m、30m...」とかハンター同士でコミュニケーションを取りながらキツネを包囲していく。
ま、結局キツネが負けてしまうのだが、制限時間を短くするなどしてバランスを取ればかなり緊張感のあるゲームになりそう。
続いてのゲームはキツネ狩りとは逆。プレデター戦。ギリースーツのプレデター役は無敵のフルオート。
制限時間内に他のプレーヤーはプレデターからフィールド内を逃げ回るというルール。
SVGMAPを操作するプレデター。最後に自爆するのはルール違反ですからね。
SVGMAPでは宇宙船も呼べません。あしからず。
スタートと同時にフィールド内に潜むプレーヤーを追うプレデターとそのサポート2名。そういえばプレデータ犬っていたなあ。
逃げる人間側の居場所はプレデターは常に把握しているので圧倒的に強い。
制限時間内に生き残ることができるのか?
この日最後のゲームはバトルロイヤル。複数のグループに分かれてそれぞれが敵としてフィールドで戦う。同盟を結んで行動するグループもあったりして緊迫した展開に。もちろんSVGMAPを使用して各チームリーダーの位置は共有している。
その戦闘をセフティでマップを見ながら楽しむ。
「あ、このチーム同盟結んで行動してる!」「おーっ、動いた! 早い。走ってる!!」などなど、プレーヤーの行動がマップ上からも把握できる。
バトルロイヤルでの優勝チームにはスポンサーからの豪華賞品がプレゼント。
沢山の賞品が提供されていた。
SVGMAPの可能性
さてさて、1日SVGMAPで遊んでみた感想を。
まあ、確かにまだ発展途上のアプリであるのでいろいろと問題点はある。ただこのSVGMAPの将来像というのは垣間見えた有意義な一日だった。
まず凄いなと思ったのは位置測位の精度。サバゲーに使えるほどの精度はないだろうと踏んでいたのだが、これが意外に使える。たまにGPS衛星が切り替わってポイントが大きくズレるが数秒後には正確な位置へ復帰する。
さらに3年後には日本政府が推進している"みちびき衛星"が日本上空に4機体制となり、高低差を含む位置精度が数センチ単位になると言われている。カーナビの自動運転制御などで利用されるとのことだが、これが実現すればアウトドアでもかなりの精度が期待できそう。
GPS電波が届かないインドアフィールドではWi-Fiルーターやブルートゥースを利用して、電波強度による正確な測位が可能とのこと。導入には数十万円程度のコストがかかるという話だが、実現可能な金額と言える。
超小型のブルートゥースモジュールを利用したガジェット導入も検討されている。
例えばフラッグにモジュールを内蔵したビーコンをセット。プレーヤーが3m以内に入ったら占領開始し、一定時間フラッグを占領し続けたら勝といったゲームも可能になる。
また、モジュールを利用したグレネードや指向性トラップを仕掛けたり、マップのジャミングを意図的に行ったりといった展開も検討されているそうだ。
このSVGMAPを導入することで、これまですべてのプレーヤーがいわゆる"戦闘職種"だったサバゲーが、"兵科"によって分けることができる可能性が見えてきたことも特筆に値する。
司令官を中心として、索敵を行うだけのプレーヤーがいても良いだろう。通信妨害を専門に行うプレーヤーや、フィールドにトラップを仕掛ける工兵という役割も面白そうだ。
このSVGMAP、サバゲーの将来を大きく変える可能性を秘めたツール、ぜひ一度フィールドで試してもらいたい。
SVGMAP公式サイト
アウトドアフィールド PARADOX
千葉県君津市にある森林フィールド PRADOX。
房総の自然の山林を生かしたアウトドアフィールド。
フィールドは全体的に斜面となっている。
崖もあり、ロープで降りられるようになっている。タフなフィールドだ。
A~Kまでの11本のフラッグがフィールド内に点在する。
フラッグには占領戦を想定した赤と黄色に塗られた棒がぶら下がっている。
フィールド内には人工障害物もある。
受付事務所。その前にある駐車場は約40台の駐車スペースがある。
BB弾、ガスのほか、カップ麺や虫よけスプレーなども販売。レンタルガンもあり。
電子レンジ、ポットあり。
トイレは仮設ながら様式水洗トイレでとても綺麗。土足厳禁になっていた。
PARADOX代表の久場さん。
PARADOX
住所: 千葉県君津市大鷲新田3番
TEL: 0439-29-6433
公式サイト: http://paradoxjp.com/
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