また遊びたくなるサバゲーフィールドの条件
今や関東エリアに40か所以上のサバゲー専用フィールドができ、かつてないほどのサバゲーブーム。
週末にはどこも定例会は満員御礼。多いフィールドだと200人や300人当たり前といった活況。
人気フィールドの貸切予約カレンダーは3か月先までぎっちり詰まってる。
確かにサバゲー人口は増えているし、サバゲーのイメージも一般化。女性プレーヤーも増えて以前のマニアのアングラな遊びというイメージを一新し、週末レジャーの一角を担うかの様相を呈している。
しかし、その一方で集客に悩むフィールドもあるだろう。
大体にしてこのままサバゲー人口が増え続けるとは限らないし、ブームが途端に過ぎ去る可能性もなくはない。そうなるとまさにフィールドの生き残りをかけたサバイバルゲームが始まるというワケだ。
今回はサバゲーのメッカ、千葉のフィールドで遊びまくったプレーヤー視点から「また遊びたくなるフィールドの条件」を考えてみようと思う。
フィールド選びの最初の一歩
私がフィールドを選ぶ条件、それは一言で言ってしまうと「おもてなし感」。かの滝川クリステルも言っていましたよね。お・も・て・な・し。重要な要素だ。
とにかく利用者が便利だな、楽しいなと思うことに積極的に取り組んでいるフィールドがまた遊びたくなるのだ。具体的に説明していこう。
最初に立地の話。こればっかりはフィールドを立ち上げた後にはどうしようもない事なのだが...。
サバゲーはキャリアが長くなると装備や道具も増えて大荷物になる。予備銃やスペアマグ、プレキャリなどなど。やはり車でフィールドに行くのが一般的だろう。サバゲーは週末の朝9時集合とか早いので、郊外型のフィールドの場合、高速道路のインターから近いほうが便利。これは個人的な感覚だけど、自宅から片道1時間圏内というのが一つの目安にしている。
そして駐車場。郊外のフィールドであれば何十台と停められる無料駐車場が完備されていてほしい。
また駐車場の地面は水はけのよい砂利やアスファルトなどがよい。前日の雨でぬかるんだ駐車場で車を汚したくはないし、セフティまで荷物や靴が泥だらけというのも避けたいところ。
また駐車場からセフティまでが近いかも気になるポイント。大荷物で延々セフティまで歩いたり、坂道を登り降りするのは辛い。立地の関係で遠い場合でも荷物や人を輸送してくれるサービスを提供するフィールドもある。
快適なセフティ
続いてフィールド設備。せっかくの休日、仲間と1日を快適に過ごしたい。
くつろげるセフティゾーンは重要な要素だ。少々の雨でも濡れない屋根付きのセフティ。大きなテーブルに座りやすい椅子。この辺りは定番だろう。
そして明るい照明、バッテリーなどを充電できるコンセントは完備していてほしいところ。
とくに帰り支度の際にセフティが暗いと忘れ物をしやすいので、照明は重要な要素だ。
そして夏の暑さや、冬の寒さを少しでも和らげる工夫がしてあるフィールドはおもてなし感を感じる。
冬ならばストーブ、ドラム缶に火を焚いてくれるフィールドは多い。夏ならば扇風機、散水ミスト、水桶に氷水を貯めてくれたり、かき氷や冷やしトマトをサービスしてくれるフィールドもある。
理想を言えばエアコンの効いたクラブハウスのような施設があればよいけど、そこまでではなくとも風よけのネットやビニールカーテンなどで寒さを防ぐ工夫をしているところもある。
セフティはゲームでヒットになった場合、待機する場所でもある。
戦況がどうなっているのか観戦できるような高台に設置されているセフティはポイントが高い。
セフティの2階が観戦台になっていたり、フィールドにカメラを設置してセフティのモニターで観戦できれば皆で盛り上がれる。最近ではWebカメラでネット配信して、公式サイトやスマートフォンやタブレットのアプリでモニタリングできるサービスを提供しているフィールドもある。
着替え、どうしてる?
まさか自宅からフル装備状態で来る人はいないだろうから、フィールドで迷彩服に着替えることになるだろう。女性客が増えて女性更衣室を設置するフィールドも増えたが、女性だけ、というのもどうかと思う。女性メンバーの目の前でいきなりズボンを脱ぎだしてパンツになるのはヤバイ。それは紳士としては何が何でも避けたいところ。
駐車場に停めた車の中やトイレで着替える男性プレーヤーも見かける。しかし簡易的にでもセフティ横に男女別の更衣室があれば便利だ。
トイレ、したくなりますよね。
時間のない週末の朝、トイレでじっくりと用を足すこともできずフィールドに到着、ということは多い。車を運転中にお腹が活性してもよおすことだってある。だって人間だもの。
ドリンク購入や朝食ついでに途中のコンビニで用を足すこともあるが、セフティについてから、あるいは昼食後にトイレに行きたくなったら、やはり綺麗なトイレでしたいと思うのは心理だろう。
でもそんなとき、工事現場のような簡易トイレだったり、虫や臭いが気になるトイレはかなり躊躇する。
ぽっとん式の和式トイレだったりすると、装備を落としたりしたらもう最悪。天然のウェザリング加工とか言ってられない状況。
ぜひともフィールドには男女別の洋式水洗トイレを設置してもらいたい。予備のトイレットペーパーも利用者が取り換えられるように在庫を常に設置してもらいたい。
そしてトイレの後や、ランチの前に手を洗える手洗い場も必ず。野外だから手を洗わないなんてことはイイ大人だからしちゃダメだ。
手洗い場にシャワーホースを付け、汚れた装備を洗えるように工夫しているフィールドもある。夏ならば頭から水をぶっかけて冷やしたりして、これは結構便利。さらに鏡もあると化粧や装備をチェックできて便利じゃないかな。
続いてガンラック。銃をテーブルの上へ置くのは安全上良くない。ない場合は仕方なく置くこともあるだろうが、テーブル上が狭くなって他の利用者も困る。やはりテーブルサイドにガンラックがあると便利。100人収容のセフティならば200本分はあってほしい。また突然の雨でも濡れないような屋根付きガンラックがベスト。
今後はリピーター向けに装備一式を預けられるガンロッカーサービスなんて流行るかもしれない。
レンタル装備
ベテランになると装備は自前となるが、職場のイベントや初心者ゲーマーとなると、レンタル装備の充実度も重要な選択肢だろう。チーム貸切だとしても初参加のメンバーがレンタルしたいといったケースもある。数十人分のレンタル電動ガン、迷彩服、ゴーグル、帽子やグローブ、ブーツに至るまで用意されているフィールドは選ぶ条件のひとつと言える。
今後は旅行会社と提携して平日貸切で都内からのバスツアー受け入れなんてこともあるかも。外国人観光客にサバゲーを体験してもらうバトルバスツアーとか受けるかもしれない。
受付時のプレーフィーを支払いで領収証を発行してくれれば、会社や接待サバゲーなんかにも利用されやすいだろう。
ランチの美味さは大事!
フィールドでの昼食はサバゲーでの楽しさのひとつ。かなり重要な要素だ。
昼食の美味しさで仲間と盛り上がることも多い。写真を撮ってツイートするともあったり、ソーシャルで口コミされる確率も高い。このフィールドのカレーウマー!! みたいな。
ランチにどれくらい力を入れるかによってもプレーヤーの満足度が変わってくるだろう。
個人的には弁当でも自家製カレーでもバーベキューでもよいけど、汗をかくので濃い目の味付けが好み。
もちろん手作りの弁当を持ち込んだり、カップ麺で済ましたいプレーヤーもいるだろうから、電子レンジや給湯ポットなどは必須の設備だろう。
また貸切でバーベキューサバゲーをするケースも見据えて、鉄板やグリル台のレンタルや、場合によってはフィールド側で食材も用意するというキャンプ場並のサービスがあっても良いと思う。
さらにはレストランや宿泊施設と提携したり、敷地内に完備ということも差別化の要素になるだろう。
BB弾やガスといった消耗品の販売も定番のサービスと言える。そのうちセフティに無料BB弾やガスを設置するフィールドもでてくるかもしれない。
フィールド内ショップを併設するフィールドも。
シューティングレンジをフィールド内に設置しているところもあるけど、基本的にレンジはフィールド外に設置して、できればフィールドから距離を取って、ゲーム中でも音を気にすることなく試射ができれば嬉しい。距離は40~50mあればベスト。弾速測定器も複数設置して朝の初速測定時以外にも自分の銃の初速が計れれば便利。
Webサイトと予約システム
サバゲーフィールド選びはWebサイトでする人も多いだろう。その際に公式サイトを見るのだが、このサイト上の情報がわかりやすいフィールドは好感が持てる。
例えばトップページにはわかりやすい日本語のメニュー、所在地住所と連絡先の電話番号くらいは表記しておいてほしい。ナビをセットするときにスマフォでちゃちゃっと確認したいのだ。またトップページにはフィールドコンセプトが明記されて、フィールドのもっとも特徴的なイメージ写真が1枚あれば一目でそのフィールドの印象がつかめる。
デザインの美しさというよりも情報のわかりやすさが重要で、時系列のブログよりはメニュー化されたWebサイトで構成されているほうが利用しやすい。
また、ネット予約システムも重要なポイント。予約状況の確認カレンダー、予約フォームのわかりやすさ、利用料金や何か月先まで予約可能かなどが明記されているのはもちろん、予約日の前日には電話で確認がくるなど、人的サービスも充実しているフィールドは好印象だ。
こだわりのフィールド造作
様々なフィールドを訪れて感じるのは、そのフィールドの魅力をどこまで出し切れるか考えてこだわった作りこみをしているかがプレーヤーにも伝わるということだ。
バリケードひとつをとっても、ミリタリーテイストあふれる塗装やデコレーションをしているフィールドは遊んでいて盛り上がる。サバゲーはいわゆる戦争ごっこなわけで、戦争映画のセットのような造作は"なりきる"という点では非常に満足度が高いだろう。例えばディズニーランドの作りこみは来園者を夢の世界へといざなうことができるのと一緒だ。
バリケードとして普通の軽自動車を置くか、それともジープの廃車を置くかで印象はずいぶん変わる。
インドアフィールドならばカラー照明やスモークを炊いたりしてムードを演出だってできる。
またそういった作りこまれた造作は写真に撮りたくなる。メディア取材のみならず、利用者がケータイ写真を撮ってブログやSNSにアップすることも含めて口コミで広まりやすい要素と言えるだろう。
フィールド運営
フィールドマップをセフティに大きく掲示してあるとプレーヤーが作戦を立てたりして楽しめる。
またフラッグの位置やホーンの工夫なども遊びやすさを左右する。いまどき口で吹くホイッスルを使用するフィールドはないと思うが、少なくとも電子ホイッスルくらいは欲しい。
ボタン式のフラッグブザーや回転灯を完備するフィールドもある。
またフィールド内のアナウンス設備も円滑なゲーム回しには必須。スタートの合図やゲーム終了時が明確に聞き取れるアナウンス設備は完備してもらいたい。
プレーヤーを退屈させないゲーム回しや適度な息抜きなどは経験豊かなスタッフによるところが大きい。100人規模の定例会ならばフィールド内に審判2名以上、本部にゲームマスター1名といった人員も必要になる。
フィールドスタッフの人柄も大事。自身がベテランゲーマーであることももちろんだが、ブスッと無表情よりは、明るく気さくで話し上手なスタッフがいれば場の雰囲気も盛り上がるだろう。サバゲーフィールドと言えども客商売であることに変わりはないのだ。
イベント企画
ただ場所を提供するだけでなくて、週末を楽しく過ごしてもらうためのイベント開催も大事な要素。積極的に企画ゲームなどを提案しているフィールドは「楽しそうなことをやってるから参加してみよう!」という気になるもの。ワンメイクゲームやシューティングマッチ、有名人を呼んでのイベントなどや、じゃんけん大会によるプレゼント提供、フラッグゲットのちょっとした賞品だってもらえれば嬉しいもの。そういうファンサービスを怠らないフィールドはまた行きたくなるものだ。
プロモーション
いくらフィールドにこだわりがあって、楽しいイベントを開催していようとも、それがみんなに知られていなければどうにもならない。トイガン・ミリタリー専門雑誌やWebサイトとタイアップして情報を積極的に発信しているフィールドは集客に強い。定期的な広告出稿でブランドイメージは向上するものだ。
ブランドイメージの向上によってフィールドのオリジナルグッズ販売などの展開もあるだろう。
貸切サービス
定例会だけではなく、貸切ゲームへの特典は固定ファンを増やすチャンス。たとえば幹事さんへのプレーフィー無料サービスや、30人以上貸切への団体割引、次回プレー割引券発行などをおこなえば、次回貸切予約してもらえるリピーターを増やすことができる。とくに幹事さんはチームリーダーなどのベテランゲーマーであることが多く、新人ゲーマーへの影響力も大きい。そういったエバンジェリストを味方に付ければさらなる営業力の向上につながる。
またイベントを開催してくれるゲームプロモーターへの利益還元は長期的にはにフィールドの発展につながるはずだ。
他業界への展開
トイガン・ミリタリー業界だけではなくて、ゲームや漫画・アニメ、映画関連といった他業種への人脈で業界ゲームを開催するフィールドもある。他業種からすれば新作ミリタリーゲームや映画の宣伝につながり相乗効果が見込める。またサバゲーに比べたら市場規模が大きい業界でもあるので、予算確保や芸能人起用などのチャンスも広がる。メディア取材なども巻き込んで積極的に誘致していけば他業種からの集客も望めるだろう。
意見のフィードバック
セフティやWebサイト上でアンケートを実施して利用者の意見を聞き、それを運営に反映させることでさらなるサービスの向上を図るのも良いだろう。アンケート協力者には毎月抽選でプレゼントや割引サービス券を発行しても良いだろう。意見を言ってくれる利用者は積極的なファンであることが多いのだ。
こう考えるとサバゲーフィールドもサービス業で有ることになんら変わりはない。
お・も・て・な・しをいかに実践するかがフィールド選びの分かれ道であろう。2020年の東京オリンピックの頃にははたしてサバゲーフィールドは増えているのか減っているのか?
いちサバゲーマーとしてはぜひ増えていることを期待する。
2013/11/06
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