2015ワールドカップ シューティング・コンペティション台湾
2015年11月14、15日に台湾の台北市花博公園爭艷館にて開催された2015ワールドカップ シューティング・コンペティション台湾の模様をレポート。主催は台湾のトイガンメーカー、G&G ARMAMENT。
本大会ではなんと、アメリカ、ロシア、フランス、イギリス、日本、香港、台湾、スペイン、イタリア、チリ、カナダ、ニュージーランドの12か国から代表選手が集まり、エアソフトを使って競い合う。
会場は台北市の圓山にある花博公園(TAIPEI EXPO PARK)内のエキジビションホール。
広い会場にシューティングステージが設置されている。観客スタンドもあり、否が応にも気分が盛り上がる。
開会式も民族舞踊や音楽演奏、アクロバット演技など華やかな演出があった。
会場には一般客も入場できて、G&Gの新商品MG42なども試射できた。また、世界各国からショップ物販ブースなどが構えられ賑わっていた。
大会は土日の2日間にて行われ、1日目の土曜日は予選日となっている。
予選日に行われる3つの競技のスコア合計により、2日目の準決勝戦のプレー順が決まる。
一つ目の協議は「M.E.T.25」。8m先に設置された25個のM.E.T.(電子ターゲット)がランダムで青く光り、それを撃つとターゲットは赤く色が変わる。ターゲットを25個全て撃ち終えるまでのタイムが計測される。これは一人で行う個人競技で、チーム二人の平均タイムが記録される。
2つ目の競技「サーチ・デストロイ」。二人一組のチームで行い、フィールド内に隠された24個のM.E.T.がランダムで点灯するのでこれをすべて撃つ。
一度撃ったターゲットは2度光ることはないが、数秒間点灯したターゲットを見つけられないと別のターゲットが光り始める。ターゲットを見落とすとタイムロスになるので注意が必要だ。
三つ目の競技がメインとなる「CQB」。もちろんこちらもチームでプレーする。
敵基地に侵入し秘密文書を奪取して帰還する、というミッションを想定したタクティカル・シューティングコース。
スタートボタンを押して、コースに侵入、障害物を乗り越えて、5ブロックに分かれた各エリアで10個のM.E.T.を撃つ。機密文書のアタッシュケースを持ち帰って、出口のボタンを押せばタイムが止まる。
このCQBは二人の役割分担が非常に重要。
使用する銃はG&G製の電動ガンCM16。MOSFET電子トリガーユニットが内蔵されたARタイプの電動ガンが各選手に手渡される。大会期間中、各選手は自分の電動ガンを管理する。なお、マガジンは79連と120連のスプリング給弾、300連多弾マガジンが用意されたが、スプリング給弾マガジンの初弾の弾道安定性が悪く、多弾マグで競技が行われた。
全選手は競技中、提供されたヘルメットを装着しなければならない。またこのヘルメットにはGoProカメラが取り付けられビデオ撮影が行われる。例えば競技中に進入禁止ラインをまたいだか、誰が最終ボタンを押したかなど、このビデオを観て判定することもある。
日本代表チーム。中央の2名は今回日本予選で代表タイムを出しながらも、出場年齢に満たないため惜しくも代表とはならなかったが、特別に招待された高橋(楓・優希)兄弟。初日にCQBのデモンストレーションを行った。
日本代表チームAの金本・大見ペア。
こちらが日本代表チームBの鍋島・斎木ペア。
今回、会場近くのホテルが選手村となって各国選手の宿泊場所となっていた。凄い豪華なホテルで、もちろん全選手はG&Gに招待されている。
それでは各国の代表選手を紹介していこう。
台湾代表チーム。開催国だけあって、優勝候補チームのひとつ。
香港代表チーム。こちらも強豪チーム。香港にもエアガンメーカー多いよね。
カナダ代表チーム。カナダもエアソフト先進国だったりする。右の選手は軍人さん。
アメリカ代表チーム。やたらとFワードを連呼するのもアメリカのイメージ通り?(おぃ)。ちなみに左から二番目はEVIKEのマット。去年のショットショーでお会いしたのを覚えてくれていた。
ロシア代表チーム。物静かで無口な感じは、ロシアのイメージ通りだった。
イギリス代表チーム。ティアドロップのサングラスでクールな感じ。二人とも英海軍航空隊に所属してるそう。
フランス代表チーム。この日の朝、パリでは同時多発テロが発生、急きょ黒のダクトテープで喪章をつけてプレーしていた。これに各国チームも呼応し、日本チームも喪章をつけて初日競技を行った。
ニュージーランド代表チーム。A-TACSを着用。
チリ代表チーム。ワインの産地だからか晩餐会ではワインをすっごい飲んでいた。みんな陽気。
スペイン代表チーム。スペインとチリのチーム休憩所が隣同士で、ラテン系のノリというか、スペイン語で終始盛り上がっていた。
イタリア代表チーム。というかなぜか一人。本当は4人いるはずなのだが、都合で3人がこれなくなったそう。チリだかスペインのチームスタッフと組んで競技を行っていた。イタリアっぽいなぁ。
日本からは千葉のサバゲーフィールド「ユニオン」グループの及川会長と、M.E.T.ユニオンの亀滝社長も応援に駆け付けた。ジャパンチームにとっては監督とヘッドコーチのような存在。
ホビージャパンのアームズマガジンからボスゲリラとみさみさが参加。オリジナルグッズ販売のほか、来場客との射撃対決などを行っていた。また、日本からはピースコンバット、MJマガジンの取材も行われた。
G&G CEOのLiao氏とその娘さんのJoanna。Joannaは日本の販売担当者でもあるので日本のショップ、フィールドにも顔が広い。
世界各国の選手がエアガンを使用して戦うって、なんという胸熱。平和だからこそ実現できる大会だと思う。
初日の予選結果。スコアの悪い順に並んでおり、翌日の準決勝戦のプレー順となっている。
日本の金本・大見ペアはCQBステージで最終エリアの進入不可ラインを踏んでしまいDQ。ポイントが取れず準決勝で1番目スタートとなった。一方、鍋島・斎木ペアは予選2位で通過。
土曜の夜には近くの海鮮中華料理屋で晩餐会が開催された。豪華な台湾料理にみんな舌鼓。
スペインの選手と台湾のウォッカみたいな強烈なお酒を飲み干すみさみさ。酒強いなぁ、おい!
斎木選手は言語の壁なんかに臆することなく、ぐいぐいと各国選手と交流を深めていた。素晴らしい。
大会二日目は準決勝戦。1日目の予選スコアの降順でCQBコースをプレーする。
準決勝を終えた時点でのランキング。ここから上位5チームが決勝戦を行う。日本の鍋島・斎木ペアは健闘なるも残念ながら6位と、決勝進出はならなかった。
決勝5チームによって争われたCQBコースのタイム。
スペイン代表チームは1分43秒27、台湾Bチームは1分25秒33。
香港代表チームは1分35秒87。日本代表チームは1分25秒07と、ここまで最高タイムであったが...。
最後の台湾Aチームがなんと、1分18秒99という今大会での最高タイムを叩き出し、ぶっちぎりの優勝。
右端のオジサンは選手の軍隊時代の恩師、中央の郭選手は台湾陸軍の兵器教官なのだそう。
日本チームの金本・大見ペアが準優勝で表彰台に上がった。優勝は台湾代表チームの郭 晉愷・王 信彭ペア。おめでとうございます!!
優勝チームには$10,000、準優勝チームには$5,000の賞金(USD)も贈呈された。
ヘルメットは持ち帰ることができるようで選手同士、記念にサインをしていた。
競技終了後、自然と各国の選手達が集まってきて盛り上がる。
チームジャパンのみんなも、本当にお疲れ様でした!!
ちょっと長いんだけど、動画で観ると大会の雰囲気がわかりやすいのでぜひどうぞ。
こんなにも素晴らしい世界大会を主催してくれた台湾のトイガンメーカー、G&G ARMAMENTには感謝の念は尽きない。エアソフトが国境を越えて世界中で楽しまれているホビーなのだということを強く実感できた。
今大会でG&Gは莫大な費用を使ったことだろう。目先の利益だけにこだわらないその企業姿勢はCSRの観点からも見習うべきものがある。そういう意味ではG&Gはハードウェアだけでなく、こういったソフトウェア面においてもエアソフト業界をリードしていると言えるのかもしれない。
今後、日本を含めて世界中のメーカーやショップ、メディアがもっともっと協力しあえたら、さらに面白いことになるに違いない。
是非、G&Gにはこの素晴らしい活動を続けてほしいと思う。
実際に台湾で取材を行ってみて、トイガンの歴史において一つのマイルストーンとなる記念すべき大会だったと肌で感じた。
とかなんとか感動の余韻に浸っていたら、魯肉飯と魯蛋を食べそびれたよ~。しまったぁ。
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