NOVEL ARMS 3倍スコープ ABSOLUTE MPS3
スコープ、ドットサイトの国内メーカー、NOVEL ARMSとハイパー道楽が共同開発した3倍プリズムサイトが登場! 今回は開発経緯も合わせて製品の特長を紹介していこう。
サバゲーで使える光学照準器は?
サバゲーを趣味としていると、常々使い易い光学照準器を探すことになる。
チームメイトとも、やれこのドットサイトがクリアに見えるとか、いやいやこのスコープで敵を探すのが楽しいんだとか、いつもセーフティで盛り上がる。
自分のプレースタイルでは、エアガンに搭載したときにトップヘビーならず、小型で軽量なものが好みだ。
等倍ドットサイトはCQBなど近距離戦闘で素早く狙うには便利だが、ゲームではそういう展開ばかりではない。
屋外フィールドではブッシュや日陰に隠れた敵を探したり、隠密で狙撃して即離脱なんてこともあるし、バリケードから頭や体の一部だけを晒してる敵を正確に狙い撃つときだってある。
そういう状況で使う3倍、あるいは4倍率のコンパクトで軽量なスコープを探していた。
プリズムスコープとは?
今回ハイパー道楽がノーベルアームズと共同開発したのは3倍固定のプリズムスコープだ。
プリズムを使用して光を屈折させ像を拡大させる仕組みで、一般的な凹凸レンズを使用するスコープに比べて小さく、軽くできる。その反面、比較的アイレリーフが短いなどの短所もあるが、Trijicon ACOGや、ELCAN SpecterDRなど、世界の軍隊で採用されている実績もある。
プリズムスコープはマグニファイアにも使用されている。
もともとノーベルアームズでは3倍率のマイクロマグニファイアをラインアップしており、これをベースにレティクルを追加してスコープ仕様にしたらサバゲーでも使い易いのでは?、というアイデアから、今回の製品が生まれた。
小型軽量な3倍固定スコープ
ノーベルアームズのハイエンドモデルに冠されるアブソルートシリーズ。
そのなかでも最も小型軽量なABSOLUTE MPS3。
ローマウント装着時の重量はわずか211g。リアオフセットアームを付けても226gという軽さだ。
一般的なショートスコープがマウント込みで600g前後であることを考えると抜群に軽い。
A6061-T6アルミ製の本体全長は73mmで、プリズムサイトのなかでも小型軽量なモデルだ。
レティクル点灯はスイッチ式となっている。スイッチ前にあるバッテリーケースにレティクル点灯用のCR2032電池を1個セットする。
個人の視力にあわせてレティクル投影位置を調整できる視度調整(ディオプター)ダイヤルを装備。エレベーション、ウインデージダイヤルは工具が必要だが、キャップレスなので調整にもたついたりキャップを紛失することもない。
各ノブやバッテリーケースは低く作られており照準時に視界を邪魔しにくい設計だ。
プリズムスコープとはいえ、アイリリーフは68mmを確保しているのでアイウェアがぶつかるような心配はない。
実銃用スコープの製造工場
ノーベルアームズではOEMで本製品を生産している。この委託先のスコープ製造工場はアメリカやヨーロッパなどの一流メーカー製品を手掛け、米国のプライマリーアームズの実銃用プリズムスコープも製造しており、光学性能は実銃用スコープそのものと言っても良い。
同梱するパーツ一式。レンズの反射を抑え、被弾から保護するハニカムサンシェードが付属。
リアオフセットマウントアーム、三種の高さのマウントライザーが付属するので、使用するエアガンや好みに合わせた高さ調整が自在にできる。
参考までにローマウント時のレイルトップから照準線までは高さ約29mmで、リアオフセットアームを挟むと12.9mmアップ、ライザーはそれぞれ、8.5/11.15/12.75mmアップとなる。
エアソフト専用設計のレティクル
スコープを覗いたときに見える十字ラインをレティクルと呼ぶが、レティクルはスコープ選びで大切な要素のひとつだ。今回の製品開発で最も重視したポイントでもある。
実銃でもエアガンでも有効射程距離がある。
威力0.9ジュールのエアガンであれば水平に狙ってマンターゲットに当てられる最大距離は40mちょっとといったところだ。距離によってホップ弾道は変化し、0.25g弾を40mでホップゼロインした場合では最大で20cmほど浮き上がり、50m付近の地面に落ちる。
こういったエアガンの射程距離や弾道特性に合わせたレティクルのスコープは少なく、現在市場に出回るスコープの多くは実銃の射程距離に合わせた設計となっている。
100ヤード、200ヤードも先のターゲットを狙うことを想定したレティクルはエアガンでは実用的ではない。そこで本製品では概ね50m以下でのエアガン射撃を想定したレティクル設計とした。
ABSOLUTE MPS3のレティクルはクロスラインとサークルを組み合わせたデザインだ。
ホップアップを掛けたエアガン射撃に欠かせない水平を保ちやすいクロスラインと、素早い射撃を可能にするレッドイルミネーション仕様のドット&サークル。
イルミネーションは側面ボタンで明るさを調整でき、ナイトビジョン用のN1、N2を含む10段階の輝度調整が可能。消し忘れ時の電池消耗を防ぐ約8時間のオート電源オフ機能、5分間動きがない場合は自動で点灯オフし、動きがあったら直ちに点灯するモーションアクティベーション機能も付いている。
中央のドットサイズは2M.O.A.。サークルは距離40mで25cmの大きさになるよう設計している。ターゲットの胸元にレティクルを合わせた時、このサイズならば40m、つまり射程距離内であり、敵をヒットできる可能性があると認識させてくれる。
レンジファインダーはエアガンの射程距離にあわせ、ドットから各距離ゲージまで、70m、50m、30mで170cmを示し、水平ラインと垂直ラインの間隔は、距離40mで幅50cm、縦100cmに設計されている。
実際の映像でご覧いただこう。
距離30mではサークルレティクルはマンターゲットのヘッドとほぼ同じサイズとなる。
逆に言えば、ターゲットの頭の大きさと同じならば、それは距離30mであるということ。
精度の高いエアガンであればヘッドショット可能な距離だ。
レティクルの輝度は日中の屋外でも十分な明るさがあり、非常に見やすく狙いやすい。
バッテリーライフは輝度5で1万時間以上となっている。
40mになるとマンターゲットはさらに小さく見える。
サークルは胸元の25cmセンターサークルに重なり、水平ラインの間隔はマンターゲットの幅と同じ50cmだ。
ターゲットがこのサイズに見えたら、電動ガンのフルオート射撃で有効射を送れるだろう。さらに距離が離れてターゲットが小さく見えるならば射程範囲外とわかる。
このレティクルと固定倍率スコープであれば、サバゲーでの交戦距離がつかみやすい。
サバゲーでの使用感
サバゲーに投入して何度か使ってみたが、軽いのでARに装着しても重量負担が少なく、素早い取り回しへの影響も少ない。コンパクトなMP7やMP5でも、このサイズのスコープならば見た目もバランスも良いし、遠距離や小屋の窓から僅かに露出する敵をピンポイントで狙える強力なサブマシンガンに変貌させる。
実際に携行弾数が少なくても無駄弾を撃つことなく、突撃してくる敵を狙撃制圧しながらMP7で抑え続けられたことでチームの勝利へ貢献できた。
以前に開催したスナイパーサバゲーでも、VSR-ONEに開発中の本スコープを搭載して一日戦った。軽量なVSR-ONEの機動力を落とさず、土砂降りの中、ブッシュ内での取り回しもしやすかった。耐衝撃性能は1000G、耐水性もIPX7(水深1mで30分)となっている。
サバゲーでの中間距離において抜群の機動力と正確なサイティングを発揮する"センターサークル搭載型3倍スコープ"、ABSOLUTE MPS3。せび一度ゲームで使ってみて欲しい。
各モデル搭載例
ARに搭載する際には付属のオフセットマウントを使用すると便利だ。フリップアップリアサイトを避けて後方へオフセットさせ、プリズムサイトの弱点であるアイリリーフの短さを補うことができる。
高精度な次世代電動ガンMP5シリーズに搭載すれば機動力を生かしつつ、遠距離での正確な狙撃も可能となる。写真はライザーを使用せずにローマウントのみで搭載している。
ABSOLUTE MPS3は小柄なMP7にも搭載しやすいサイズのスコープだ。サイドオフセットしたマイクロドットサイトと併用することで、遠近の射程に対応するコンパクトウエポンとして運用できる。
一撃必中のスナイパーにもABSOLUTE MPS3はオススメだ。
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ABSOLUTE MPS3 スペック
倍率 | 3倍 |
対物レンズ径 | 20mm |
アイリリーフ | 68mm |
レティクル形状 | クロスライン+サークル+ドット |
F.O.V. | 9°(16m/100m) |
ドットサイズ | 2 M.O.A. |
パララックス | 1 M.O.A.以下/100y |
最大調整幅 | 80 M.O.A.以上 |
1クリックの調整幅 | 0.34 M.O.A. |
輝度調整 | 10段階(N1,N2ナイトビジョン対応) |
耐衝撃 | 1000G |
防水 | IPX7 (1m/30分) |
全長 | 73 mm |
重量 | 211 g (ローマウント含む実測値) |
使用電池 | CR2032リチウム電池 1個 |
メーカー希望小売価格 | 49,500円(税込) |