台湾陸軍 M41A3戦車 退役式典
2022年2月25日に、台湾の陸軍装甲兵訓練司令部にてM41A3戦車の退役式典とりおこなわれた。
台湾(中華民国)が制式採用していたM41はアメリカが第二次世界大戦後に開発した軽戦車で、1953年に米陸軍に制式化された。ペットネームは「ウォーカー・ブルドッグ」。全長8.2m、全幅3.2m、全高2.7m。
今回台湾陸軍で退役するのはM41A3で、台湾改修型のM41Dは引き続き現役とのことだ。
M41は台湾以外にも日本の陸上自衛隊、オーストラリア、スペイン、ベルギー、ブラジル、タイなど世界各国の軍隊に採用されている。
日本では1960年代から主にM41A1やA2が米軍の供与で配備が始まり、61式戦車が広く調達される1970年代を通じて74式戦車が採用された後の1983年まで使用され続けた。上の写真は筆者の地元である1971年の板妻駐屯地記念祭の模擬演習時のもの。
M41はM41A1、A2と改良が進み、最終型のM41A3は台湾陸軍に1958年に採用された。
主砲は60口径76.2mmライフル砲M32、副兵装としてブローニングM2 .50口径機関銃、M1919A4 7.62mm機関銃をそれぞれ1門ずつ搭載する。
台湾陸軍では1958年に採用してから2021年まで、なんと63年間も使用していたのだそう。
搭乗員は車長、副車長(兼砲手)、装填手、操縦手の4名。右の2名は91式歩槍を携えている。
車長と副社長はショルダーホルスターに.45口径の1911を差している。搭乗員がしているマスクもM41A3オリジナルデザインだ。
操縦手のポジション。
砲塔上には2つのハッチがある。
車長用キューポラ。
ハッチを閉めた状態。
防盾(ぼうじゅん)。主砲の右の穴は照準器用で、ティアドロップ型の蓋がついている。主砲の左側に同軸機関銃の穴がある。
左舷のハッチとペリスコープ。
キューポラを正面から。
履帯。トーションバー式サスペンションに5つの転輪。超信地旋回も可能。コンチネンタル製の4ストローク6気筒スーパーチャージャー式ガソリンエンジン搭載で500馬力を発揮、最高速度は72km/hと軽戦車らしい快速だ。
砲塔内部。主砲が76.2mmなので現代戦車と比べたら弾薬は大きくない。
車長用のペリスコープがある。左側に弾薬ラックが見える。
最新戦車のような電子機器はほとんどみられず、ザ・機械といったメカニカルな印象だ。
主砲同軸のM1919機関銃が据えられている。
式典の模様を動画でどうぞ。自走するM41はなかなか貴重な映像。
この日は退役記念ということで砲塔には銘板が飾られた。
隊員が敬礼する。
ARMOR TRAING COMMAND 教二連 のパッチ。
こちらの部隊パッチもいかにも機甲科らしいデザイン。
現在台湾陸軍の主力戦車はCM11やM60A3 TTSとなっているが、それでもかなり旧型の戦車。2023年からはM1A2T戦車の配備が計画されている。
撮影協力 王清正
■関連リンク