古今東西 銃火器あれこれ 「ウィンチェスターライフル」

この世に銃は数あれど、その中で最も美しい銃と言ったら皆様はどの銃を思い浮かばれますか?私は真っ先に「ウィンチェスターライフル」が思い浮かびます。特徴ある形状からそれはまるで、美しき貴婦人のような優雅さと華麗さを持っているように感じるのです。
ウィンチェスターライフルは1866年にアメリカ、ウィンチェスター社が製造・販売しました。

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古今東西 銃火器あれこれ 「ウィンチェスターライフル」 1

この銃は1860年に登場し好評だった16連発のレバーアクションライフル「ヘンリーライフル」の装弾機構を改良したモノで、ヘンリーライフルが銃口下部にある装弾口から装填したのに対しウィンチェスターライフルは機関部右側にある装弾口から装填するため、それまでのレバーアクションライフルより素早く装弾することが出来るよう
になりました。
発売当初のモデルは「M1866」。機関部のフレームが黄色い真鍮製であったため「イエローボーイ」の愛称で親しまれました。
その後西部劇でもよく見られる「M1873」「M1892」が開発されるのですが、これらはライフルと言いながら耐久性の問題でライフル弾を使用することが出来ず拳銃弾を使用していました。


古今東西 銃火器あれこれ 「ウィンチェスターライフル」 2

この耐久性の問題を解決したのが、あの天才銃器デザイナー「ジョン・M・ブローニング」。彼は完成度が高かった「M1892」を基に、新機構への変更と機関部の耐久度を強化した「M1894」を開発します。このモデルでライフル弾の使用が可能になりました。この銃はいくつかの軍隊に売り込みをしたのですが、複雑な機構が災いし殆どの軍隊で採用が見送られました。ただ帝政ロシア軍だけは「7.62mm×54R弾」を使用できるよう箱型弾倉を装備した「M1895」を制式採用しました。これは最後に採用された軍用レバーアクション式ライフルになります。
ウィンチェスターライフルは軍隊での評判はイマイチでしたが民間、特に西部開拓時代のアメリカでは保安官からならず者まで大多数が使用し、「西部を征服した銃」と呼ばれアメリカを代表する最も有名な銃となったのです。

以上のように、とても人気のあったライフルでしたが、軍隊では複雑な構造とレバーアクションのため伏せ撃ちがし難い等イマイチ不評でした。唯一帝政ロシアだけが軍用として採用し、これが軍用最
後のレバーアクションライフルになりました。ウィンチェスターライフルは現在でも狩猟用ライフルとして現役で使用されています。それでは今回はこの辺で!!


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■イラストレーター紹介

ALFRED少尉(あるふれっど しょうい)
ALFRED少尉(あるふれっどしょうい)
1970年代8月、新潟生まれ。漫画・イラスト制作者。
現在カバネット株式会社:Webサイト「漫画の新聞」にて月1で2P漫画連載中。
過去の作品:ゴマブックス刊:「イケメン 戦国武将・忠義編」「イケメン戦国武将・主従編」
劇団「グーフィー&メリーゴーランド」主催舞台「JUDY~The Great Unknown Squadron~」のパンフレット内イラスト「零戦」作成&舞台の時代考証も担当。高知県の地域おこしボランティア:戦国武将「明石掃部」作成
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2012/06/04