古今東西 銃火器あれこれ 「OTO M35型手榴弾」

読者の皆様、遅くなりましたが明けましておめでとうございます!
本年も様々な兵器を紹介していきますのでまたヨロシクお願いしますね。さて本年第一回目兵器は、第二次世界大戦時のイタリア軍主力手榴弾で別名「赤い悪魔」と恐れられた「OTO M35型手榴弾」を紹介していきます。果たして何故「赤い悪魔」なのか?それはご覧になってのお楽しみ!!
※イラストをクリックで拡大します。

OTO M35型手榴弾

世界各国様々な手榴弾がありますが基本的にはど れも使用者の安全面を考慮して制作されております。しかし今回紹介するイタリア製手榴弾「OTO M35型手榴弾」は兎に角危険!その一言に尽きると思いま す。
この「OTOM35型手榴弾」は第二次世界大戦時イタリア軍の正式採用手榴弾でした。「OTO」とは製造会社の「オート・メラーラ社」の略。構造は各 国が遅延式信管を採用する中、何故か着発式信管を採用しておりました。これは安全ピンを抜き、投擲後地面に着地した衝撃で起爆するという方式。地面が硬け れば良いのですが、砂地や泥等であった場合衝撃が伝わらず爆発しない可能性があり、非常に不安定な起爆装置だったのです。その上不発手榴弾がそのまま起爆しなければ問題は無いのですが、気まぐれな性格で(笑)突然爆発したりと敵味方共に恐れられたと言われています。特徴ある赤いエナメル塗装、何故起爆装置を 着発式にしたのか等謎の多い手榴弾でもあります。

OTO M35型手榴弾

味方にも被害を及ぼすこれ等の手榴弾にはイタリア軍自身ホトホト困ったみたいです。で、結局安全性の面から、同盟国のドイツ製手榴弾を使用する事が多く なっていきました。それでは今回はこの辺で!最後に、今回の「OTO手榴弾」作成にあたって様々なご指導をいただきました吉川和篤先生(イタリア軍史研究 家)には、この場を借りてお礼を申し上げます。大変有り難うございました!!


古今東西 銃火器あれこれ のトップへ戻る

■イラストレーター紹介

ALFRED少尉(あるふれっど しょうい)
ALFRED少尉(あるふれっどしょうい)
1970年代8月、新潟生まれ。漫画・イラスト制作者。
現在カバネット株式会社:Webサイト「漫画の新聞」にて月1で2P漫画連載中。
過去の作品:ゴマブックス刊:「イケメン 戦国武将・忠義編」「イケメン戦国武将・主従編」
劇団「グーフィー&メリーゴーランド」主催舞台「JUDY~The Great Unknown Squadron~」のパンフレット内イラスト「零戦」作成&舞台の時代考証も担当。高知県の地域おこしボランティア:戦国武将「明石掃部」作成
pixivの作品集はこちら

2011/01/30