古今東西 銃火器あれこれ 「日本の珍兵器」

「なんでこんなモノ作ってしまったんだろう!!」世の中にそんなモノが沢山あります。勿論兵器の世界にも(汗)今回紹介する兵器も、なんで作ってしまったのか頭を抱える代物です。

※イラストをクリックで拡大します。

古今東西 銃火器あれこれ 「日本の珍兵器」 1

「陶製手榴弾」
これは太平洋戦争末期、鉄を含むあらゆる物資が不足したことにより苦肉の策として開発されました。手榴弾の材質はなんと陶磁器で京焼・清水焼、備前焼、また海軍側が開発した「四式陶製手榴弾」は有田焼、瀬戸焼信楽焼、波佐見焼といった瀬戸物生産で著名な地域で製作されました。火薬や信管は民間の工場などで装填されていたようです。

今回こちらに記載したイラストは海軍の「四式陶製手榴弾」で形状は丸型発火方式は摩擦発火方式で、防水のためゴム袋で覆われていました。さて陶器製手榴弾の肝心の威力は、爆発時に破片が粉々に散ってしまうため破砕効果が期待出来ず手榴弾として威力は期待できなかったようです。

ところで肝心の威力はというと、破片が粉々になるのでそれほど威力はなかったようです。


古今東西 銃火器あれこれ 「日本の珍兵器」2

「試作拳銃付軍刀」
騎兵はあるとき想った「馬上での拳銃と軍刀の取り扱いを容易にする方法がないか?」と。そこで考案されたのがこの「試作拳銃付」です。騎兵学校の意見を取り入れ大正十年七月に開発を企画し、大正十一年六月に試作型の乙型が完成します。これは三十二年式軍刀に南部式自動拳銃を装着したタイプでしたが、銃身と刀身が平行では操作が不自由なため、刀身を短縮した甲型を翌年の大正十二年に完成させます。

しかしこれも銃身と弾倉の装弾機能が悪く制作は一時中断、しかも同年九月に発生した関東大震災で試作品が焼失、企画は棚上げになってしまいます。翌年十三年に制作は再開され、銃身と刀身の角度を変更し実験を重ねますが結局拳銃と刀身の結合部が堅牢でないこと、整備が困難なこと、制作費が高くつくことなど考慮し、拳銃を装備した上で軍刀を携えたほうが良いという考え方に変わったため、昭和四年二月足掛け十年に渡る研究中止が決定されてしまいました。


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■イラストレーター紹介

ALFRED少尉(あるふれっど しょうい)
ALFRED少尉(あるふれっどしょうい)
1970年代8月、新潟生まれ。漫画・イラスト制作者。
現在カバネット株式会社:Webサイト「漫画の新聞」にて月1で2P漫画連載中。
過去の作品:ゴマブックス刊:「イケメン 戦国武将・忠義編」「イケメン戦国武将・主従編」
劇団「グーフィー&メリーゴーランド」主催舞台「JUDY~The Great Unknown Squadron~」のパンフレット内イラスト「零戦」作成&舞台の時代考証も担当。高知県の地域おこしボランティア:戦国武将「明石掃部」作成
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2012/10/07