PRECISION MAX バイオBB弾 レビュー
リポート: 石井健夫
最高品質のBB弾を製造販売すべく立ち上げられた「株式会社エンネス」は、2017年秋に最初の製品であるバイオBB弾「0.20g」と「0.25g」をリリースした。これらは全国各地のフィールドやユーザーにも大々的にサンプル配布され好評を博した一方、実際にフィールドで使用された事で「現場の意見」や「商品に対する希望」も数多く寄せられたのだという。
そうした意見、リクエストを真摯に受け止め、エンネスは更に品質と命中精度を高めたバイオBB弾の新製品「PRECISION MAX(プレシジョン・マックス)」をまもなくリリースする。
以前は「0.20g」と「0.25g」の1kg入り大袋だけだったが、PRESCISION MAXでは1,000発入りの小型パッケージも加わり、更に新規格の「0.23g」と「0.28g」もラインアップされた。
今回もこのPRECISION MAXの性能を確かめるべく、25mレンジでの性能テストを実施した。
銃はノーマルの「東京マルイ 電動ガン M14」に、「ノーベルアームズ/SUREHIT1624IR CQB」を搭載。テスト結果に個人の技量が及ぼす影響を極力排除すべく、本格的なライフルレストに銃を据えての射撃となった。
またBB弾は新品の袋から取り出して無選別で使用、重量が変わる毎にHOPを調整し、数十発の試射を経て狙点をキッチリ合わせてからテスト射撃を実施した。
今回テストレンジとして使用させて頂いたDEFCON1(千葉県印旛郡酒々井町)の25m射場。冷暖房完備の完全無風条件な上、エイテック製の電子ターゲット・システム『Stealth-Target ST32』を備えているので結果も直ぐ判り、とにかく快適だった。
モニターに表示される標的の実際の大きさを計測。白い円の外径は372mm。黄色い円(6点圏)は180mm。オレンジ色の円(9点圏)が65mm。赤丸(10点圏)が30mmで、中心部のX圏は10mmだった。
今回のテストでは10発をワンセットとして10セットを射撃。合計100発の射撃を行った。画面にはその合計点数、一番遠い弾痕同士の距離(=グルーピング)、着弾時の弾速等がリアルタイムで表示される。
画面左下の数値189mmは集弾範囲の最大直径を示している。
因みにこの画面に写っているDATAは比較対象として用意したメーカーの0.20gバイオBB弾で、注目したいのは25m先での弾速「37.8m/秒」だ。初速「86〜90m/秒」前後で射出されたものが25m飛翔すると「100%→44〜42%」まで弾速は落ちてしまう、という結果である。※その上のエネルギー値は0.25g設定で算出されしているので数値が異なる。
理論的には「BB弾の重量が軽いほど空気抵抗の影響を受ける」ハズなので、0.20g弾よりも0.25g弾の方が、更に0.28g弾の方が、遠い距離での命中精度や集弾率は高いだろう、と推測できる。
PRECISION MAX BIO BB弾 0.20g
左/1,000発入、右/1kg(約5,000発)入。
表面は艶やかだがスリップ剤(=BB弾表面に塗布されたワックスの一種)でベタついている印象はない。また外見上、気になるような形の歪み、いびつさ、傷、パーティングラインの類も一切見受けられない。色は薄いグレーだ。またエンネス社によれば「PRECISION MAXに使用されているスリップ剤は天然植物由来」との事で、メープルシロップを思わせる甘い微かな香りがする。
●100発の平均グルーピング 直径 172.60mm
●最も良かった10発 直径 118.0mm
DEFCON1のエイテック製電子ターゲット・システムは調整が行き届いて非常にコンディションが良く、また手元のスイッチパネルの操作でリセットや設定変更も簡単に行えた。今回のテストではHOP調整やサイトインのための試射も含めると同じ標的に対して1,500発近くも撃ち込んだが、全くノントラブルでスムーズに実験および撮影を終了できた。
PRECISION MAX BIO BB弾 0.23g
1,000発入。
筆者の経験上、0.23gのBB弾は「ハンドガンでの6m以上の命中精度・弾道安定性」に於いて0.20gBB 弾との差が顕著である。なのでPRECISION MAX が0.23gをラインアップに加えたのには“じつに鋭い!”と唸ってしまった。近いうちに是非スピードシューティング競技に投入してみたい。
●100発の平均グルーピング 直径 137.65mm
●最も良かった10発 直径 96.5mm
PRECISION MAX BIO BB弾 0.25g
左/1,000発入、右/1kg(約4,000発)入。
PRECISION MAX BIO BB弾の直径は「5.95mm」、工差は「±0.01mm(=10ミクロン)以内」と謳われている。因みに比較対象として、各メイカーの純正品やサバイバルゲイマー諸氏の間で「いまはこれが最高」と言われているブランド製の0.25gバイオBB弾でもテストを行なったが、PRECISION MAXが最も良い結果を示した。電動ガン用バイオBB弾の標準ブランド、基幹ブランドになる可能性は十分にあると思う。
●100発の平均グルーピング 直径 120.05mm
●最も良かった10発 直径 89.2mm
テストに供した東京マルイ M14の0.25gバイオBB弾での弾速測定結果。「0.85J」=もちろん十分な余裕を持っての法規制値(0.989J)内であった。
PRECISION MAX BIO BB弾 0.28g
左/1,000発入、右/1kg(約3,571発)入。
0.28gBB弾は遠距離での弾速減衰率も低く、フィールドのレギュレーションが許すならスナイパーライフルに最適なBB弾といえる。マルイM-14との相性もバッチリ! 25mでの集弾性も最高だった。APSカップやJANPS等の精密射撃競技でも十分に戦える精度だと感じたので、こちらも近々試してみたい。
●100発の平均グルーピング 直径 117.03mm
●最も良かった10発 直径 83.2mm
各弾、最高グルーピングの模様を動画でもどうぞ。
25m グルーピング一覧
0.2g | 0.23g | 0.25g | 0.28g | |
100発平均 | 172.60mm | 137.65mm | 120.05mm | 117.03mm |
10発最小値 | 118.0mm | 96.5mm | 89.2mm | 83.2mm |
素晴らしい環境の25mレンジを提供して下さった「DEFCON1」。サバイバルゲーマーや鉄砲好きなら何時間でも居たくなる素晴らしいショップだ。
前作「エンネスバイオBB弾0.20g」と「0.25g」が商品として十分に高評価だったにも関わらず、全国各地のフィールドから上がってきたユーザーの声を真摯に受け止めてすぐさま反応し、更なる品質改良と精度向上に取り組んだ新製品がこのPRECISION MAXだ。今回の25m実射テストでは評判の高い他ブランドの従来品に全く遜色のない結果を示してくれた。
株式会社エンネス
公式WEBサイト http://p-maxbb.jp/
〒135-0004 東京都江東区森下4-9-12 1F
PRECISION MAX バイオBB弾 価格
0.20g 1,000発 | 定価 650円(税別) |
0.20g 5,000発 | 定価 2,760円(税別) |
0.23g 1,000発 | 定価 750円(税別) |
0.25g 1,000発 | 定価 800円(税別) |
0.25g 4,000発 | 定価 3,000円(税別) |
0.28g 1,000発 | 定価 1,000円(税別) |
0.28g 3,571発 | 定価 3,260円(税別) |
PRECISION MAX 取り扱い問屋
有限会社名古屋ガンショップ
〒453-0036 愛知県名古屋市中村区森田町中村区 森田町2丁目4−1
TEL 052-446-8760
石井 健夫(いしい たけお) 1967年12月、東京都生まれ。 |
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