“ESS” Eye Safety Systems アイウェア レビュー
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“ESS” Eye Safety Systems アイウェア レビュー

レポート: トモ長谷川

“そのゴーグル、曇りませんか?”

軍用アイウェアに求められるのはアイセーフティ機能...つまり、眼の保護が一番の目的です。弾丸の破片や火薬カス、爆風や破片、砂塵など風に含まれる塵と、様々なモノから眼を保護する。これがアイセーフティに課せられた最大の目的です。

しかし、いくらアイセーフティとして頑強だとしても、曇ってしまっては、戦闘はおろか、行動できなくなってしまいます。ミリタリー用アイウェアには“頑強”である事はもちろんですが、同時に“曇らない”性能が求められているのです。

頑強性能だけで無く、“曇り”に強い性能へチャレンジし続けているアイウェアメイカー“ESS”社。米軍納入実績No.1メイカーです。
2重レンズを採用したり、小型ファン内蔵で強制排気&吸気できるなど、効果的な機構を備えたアイウェアの開発にチャレンジしてきました。

“曇り”への挑戦_ESS“インフラック”


そのESSから、さらに画期的なニューモデルが新登場。それが今回紹介する“インフラック”です!
なんと「レンズそのものを開閉して換気できる“ベンチレーション”機能!! これが最大の特徴です。
これまでも、レンズに穴を開けて通気性を高めようというコンセプトはありました。しかし、穴が開いていればホコリや破片も入ってしまいます。そこで、換気できるだけでなく、必要な時はしっかり閉じられるよう、ESS“インフラック”は考えられています。

インフラック
ESS社の最新ゴーグル“AVS”とは「アジャスタブル ベンチレーション システム」の略。換気モードに切り替え可能な画期的新機能と、大好評のESS社独自のコーティングにより、強力な曇り止め性能が自慢。戦場で鍛え抜かれた機能性が魅力!

ロトクリップフレームの中央、上部に設けられた“ESS”ロゴマーク部分が、“ロトクリップ”というレバー。レンズの開閉を操作できます。このレバーを押し上げると換気モード。ロゴマークを押し下げると密閉モードに切り替えられます。
素早く切り替え厚手のグラブをしたままでもレバーが操作し易い。現場の状況に合わせ、素早く切り替えられる。

パーツの組み合わせによるシンプルなシステムですが、じつによく考えられていて、ワンタッチで確実に切り替えられます。換気モードでは、レンズが前方に7°ほど倒れ周辺にスリットが空きます。レンズが落ちそうに思えますが実際は大丈夫。それでいてレンズ交換するときは手軽に着脱できてしまいます。ニュータイプの換気システム、使用時の剛性感の高さには素晴らしいものがあります。

ベンチレーション
密閉状態(左)とベンチレーションモード(右)で、レンズの角度が違う。

ESSロゴマークを押す
ESSロゴマークを押すだけで、密閉状態にできる。状況に合わせ迅速かつ確実に操作できる。

信頼の傑作モデル“クロスボウ”

“インフラック”の新システムは、ESSの名作“クロスボウ”を彷彿させます。
クロスボウはサングラスタイプのアイウェアながら、優れた耐衝撃性能と強度を有したモデル。そして、歪みの無いクリアな視界を実現。安物のグラスでは、乗り物酔いするようなグラグラ感があってとても辛い。その点、ESSクロスボウなら、かけたまま左右に首を振っても、レンズの歪みからくる気持ち悪さは一切無し。装着すればその良さが実感できます。

クロスボウ
頑強で優れた耐久性を発揮するレンズに、ESS独自のコーティングにより優れた防曇効果を発揮。他社の追随を許さない高性能で、アメリカ海兵隊に制式採用され、隊員全員に支給されている傑作アイウェア。カラー:ブラック&タンカラー。

頑強なレンズ
頑強なレンズがフロントから側面までをしっかり被う。柔軟で装着感が良い。ヘルメットやイヤマフと併用しても邪魔にならない優れたデザイン。

ツル
ツルの下面にラバー樹脂が鋳込まれた構造。スムーズに着脱できて、安定したかけ心地が素晴らしい。

ショットガンで実射
ショットガンで実射したもの。ロックパーツが吹き飛んでしまっているが、レンズとフレームは破損していない。安心だ。

クロスボウはクリップ式の機構でレンズ交換を容易にできます。他社製品にもレンズが交換できるモデルがありますが、レンズやフレームを破損する恐れが否めません。その点ESSクロスボウは、確実にレンズ交換を可能にしながらも頑強に使える! これは素晴らしいポイントです。現場の状況に合わせ、最適なレンズが選べる、画期的なアイセーフティです。

レンズが分解
ロックパーツを外すと、レンズが分解できる。使用時はレンズを頑強にホールドしながら、必要な時は素速くレンズ交換できる。状況に合わせ使い分けし易い。

製造年月日が記され
レンズには耐衝撃性能(ANSI Z87.1 + 及び MIL SPEC MIL-PRF-32432)を有している事や、製造年月日が記され、徹底した品質管理が実践されています。
そして特筆すべきは防曇性能です。
“シングルフルコート”というESS社独自のコーティングにより、優れた曇り止め効果を発揮。息などではまず曇らず、汚れていなければ湯気でも曇らないほど。高い防曇効果を発揮します。実はトップメイカーのオークリー社製品であっても、ESSクロスボウに匹敵する防曇性能は無し。なんでも、ESS社内でも社長と開発者のみが知る技術なのだそうです。

クリアー以外にスモークやイエロー
クリアー以外にスモークやイエローなどが、好みや状況に合わせて選べる。セミハードケースが標準で付属。

インサートレンズクロスボウにはESS純正のインサートレンズが用意されていて、近視などに対応可能。参考品。

頑強さとクリアな視界、さらに優れた防曇効果により、ESSクロスボウは唯一アメリカ海兵隊が承認し制式採用され、全兵隊に支給されています。その数30万個。任務で視力を失う事は労災です。各種防塵や防風、さらに実戦でのIED...爆発による破被弾防止などなど、様々な面でその実力が認められているわけです。

つい疎かにされがちなのが射撃時の眼の保護。発射時の火薬カスやカーボン、さらに的や石に当たって砕けた弾丸の破片が眼に当たれば、失明もしくは相当酷い怪我を負うことになります。そのため、諸外国では、アイセーフティが無ければ射撃場にすら立ち入れないほど。安全管理が徹底されています。実銃射撃が身近でない日本では、未だ曖昧なまま。個人で自覚を持って自分の身体を護れるよう心懸けたいところです。

ESS社は2008年にオークリー社と合併しました。オークリー社はスポーツ分野からアウトドアの分野を専門に、ESS社は先の海兵隊モデルを筆頭にミリタリー部門の製品を開発。互いの得意分野で販路を拡大しています。


画期的な戦闘用ゴーグル“インフラック”

ESS最新モデル“インフラック”には、“クロスボウ”と同じシングルフルコートを施した、耐衝撃性に優れたレンズが採用されています。傑作“クロスボウ”から継承される高性能に、新たな換気システムが加わり、高次元へと発展しているのです。

クッション性に富んだ素材
薄いがクッション性に富んだ素材を使用。

Rotoクリップを押し上げ“換気”モードにして、ゴーグルのフレームを引き上げておきレンズを押し出すように分解。使用時は優れた剛性を発揮しながら、状況に合わせ迅速なレンズ交換を実現。
伸縮自在にアジャストしやすいストラップにも注目! 好みのサイズに素早く調整でき、使うときはガッチリ固定される。不思議な新システムだ!!

ESS“インフラック”を装着し、換気モードにして頭を左右に振ると、眼周辺の皮膚に冷気が感じられ、換気されてる事が実感できます。前進すると眼球にも冷気が感じられるほどで、ゴーグル内に外気が流れ込んでいるのが判ります。

反対に密閉モードではフレームにモールドされたヒダによって、レンズとの隙間は完全にふさがれ、防風&防塵性能を発揮! 換気だけに執着せず、本来の“ガード”としての機能も充実。じつに素晴らしく作動します。


厚みも少なく邪魔にならないデザイン。すべてはヘルメット着用に合わせた実戦のためのコンセプトだ。

本来はサバイバルゲームで実戦投入したかったんですが、時間の兼ね合いから断念。その代わり...と言っては何ですが、我が家の草刈り(刈払機を使用するハードなやつですよ)に実戦投入しました。折しも台風9号と11号のダブルアタックによって、ムシムシと暑い雨振りという、実験にはうってつけの天候。さすがに無理かと思われたものの、内蔵した眼鏡の曇りも頭を振ると解消できるほど。快適な使用感に大満足。

サバゲーマーにも人気のESS PROFILEシリーズ



ESS社のベ―シックモデル“プロファイル”シリーズ。頑強なレンズで軍用アイセーフティゴーグルとして高い信頼性を築いた。


通気性と防塵性能。相見えない機能を実現。


ハイパー道楽の企画で実際にグアムにて実弾射撃したもの。ショットガンの弾を止めている。弾丸の破片や爆発の破片も止める、優れた耐久性がソルジャーの眼を護る。それでいてクリアな視界を実現! ESS社の製品ならではの高性能だ!


注:衝撃テストはレンズ強度を試す目的で行っておりますので、防弾アイウェアであることを証明しているものではありません。また、特別な環境と設備により行っており、日本国内で行うことは銃刀法違反になりますので、絶対にマネをしないでください。



ターボファン
ESSはアイセーフティで初めて2重レンズ※を採用し、次に小型の換気扇で強制的に排気&吸気を行うシステムを開発。それが“ターボファン”だ。これは非常に効果的で、私トモも長年愛用した。
※2重レンズはオプションパーツとして販売、現在は廃盤となっています。

ファン付きゴーグルなにせ日本は多湿なため非常に曇りやすい。眼鏡を併用しているため、曇りに対する心配はいっそう深刻です。サバゲでは夏だけに限らず、一年中ファン付きゴーグルが手放せないのが現状だ。
スイッチとバッテリー一回押すと低速回転、もう一度押すとフル回転。ターボファンは日本のサバゲだけでなく、実戦の現場でも高評価を得た。しかし、実戦はサバゲと違って長時間の行動を余儀なくされる場合があり、バッテリーが無くなると普通のゴーグルと変わらなくなってしまう。購入しやすい単3電池仕様だが、砂漠やジャングルでは入手不可能。極限の現場で使い易い性能が求められた。



ESS “5B”SUNGLASS-ESS “5B”SUNGLASS-
ESS社のサングラスタイプモデル“5B”。2005年くらいからアメリカンポリスなどで使用されるようになったスタイル。

ESS “5B”Grayフレーム
-ESS “5B”Grayフレーム-
5Bのグレイフレームモデル。レンズはミラーコートされたグレイカラー。価格20,500円。

ESS “5B”デザートサージ フレーム
-ESS “5B”デザートサージ フレーム-
オークリーがミリタリー用に作ったカラーパターン“デザートサージ”を、セラコート™で仕上げたジャパンスペシャルモデル。レンズカラー:ミラーグレー。価格29,000円。

テンプル
幅広いテンプルがゴーグルのように使えて、タフな印象が魅力。ヒンジ部分はダブル仕様で充分な剛性を発揮。独特のテンションで型崩れしにくく使いやすい。

ESS “CREDENCE” SUNGLASS
-ESS “CREDENCE” SUNGLASS-
5Bの後発モデル“クリーデンス”。より幅広になり、ゴーグル感がいっそう強まったサングラス。インフラックやクロスボウが気に入ったら、普段使いにもESSが欲しくなる。そんな時にお奨めのモデル。

ESS “CREDENCE” ブラックフレーム
-ESS “CREDENCE” ブラックフレーム-
精悍な印象のブラックフレーム。レンズはスモークグレイ。

ESS “CREDENCE” デザートサージフレーム
-ESS “CREDENCE” デザートサージフレーム-
セラコート™による、デザートサージカラーモデル。レンズカラーはハーフミラー仕様のミラーカッパー。価格29,000円。

戦闘用の優れたデザインフレームが薄く、ヘルメットやイヤマフと組み合わせて使い易い。戦闘用の優れたデザインが、いかにもESSらしい。

オープンレンズタイプのアイウェア“アイス”
オープンレンズタイプのアイウェア“アイス”。テンプル幅が狭いナローモデル。

女性など小顔向きのESS
女性など小顔向きのESS。テンプルの長さが調整でき、フィット感が高められ使い易い。

実戦で磨き上げられたESS社製品の高性能をお楽しみください!

ESS JAPAN WEBサイト
http://esseyepro.jp/

2015/07/31