AIRSOFT INNOVATIONS “CYCLONE” インパクト グレネード
レポート:戸井 源太郎
2016年春、AIRSOFT INNOVATIONSからガス式BBグレネード、CYCLONE(サイクロン)が発売されます!
AIRSOFT INNOVATIONSといえば、あのTORNADE(トルネード)を開発したカナダのメーカーです。
2008年秋のTORNADE発売から約8年、そのTORNADEの後継となるグレネードが満を持して登場となります。
2016年の年明け早々、ネットで注目されているのが、これ!
AIRSOFT INNOVATIONSから動画も公開されており、サバゲーマーの多くが、このCYCLONEの性能はどうか? 使えるのか? 気になっているかと思います。
今回、一早く日本で構造、炸裂動画を含めてレポートしたいと思います!
ガス式BBグレネード CYCLONE スペック & 弾速データ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
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2016年1月に米・ラスベガスで開催されたSHOT SHOW 2016のZ-SHOTのブースにて、CYCLONEを大々的に発表していました。
今回、レポートに使用したCYCLONEは「SHOT SHOW」の会場にてご提供いただいたものと、国内の輸入代理店からサンプルとして送ってもらったものの2つで試してみました。
CYCLONEの本体、取説(英語)、本体貼付用のオレンジと黒のジャケットステッカー、ラバーパッチ(大小2枚)がセットになっています。
パッチは初回ロットのみ同梱。専用のオイルも同梱されるようですが、日本のみなのか、初回ロットのみかは不明です。また日本販売分は日本語の説明書になるようです。
CYCLONEは上部のインパクトヘッド、本体、エンドキャップ、スプーンレバー(セフティレバー)、ロッキングピンで構成されています。
BB弾を装填する場合は毎回、ここまで分解しなければなりません。
装填法
まずインパクトヘッドにある真鍮のファイアリングピンを傾けてセットする必要があります。
インパクトヘッドをテーブルなどに押しつけて、ファイアリングピンを押し上げ、指で傾けます。
コツはこのままテーブルから持ち上げてから写真でいう人差し指をゆっくりと離します。
上からみたインパクトヘッドの比較写真です。左は射出後(セット前)のファイアリングピンです。
ファイアリングピンの左に切り欠きがあるのがわかりますか? そこにファイアリングピンを斜めにして引っかけます。
右の写真はセット時です。真鍮のファイアリングが傾いているのがわかるでしょう。
インパクトヘッドを下側からみた比較です。
左が射出後のファイアリングピンで、突き出ているのがわかります。右が、セット時のファイアリングピンです。衝撃で、傾いたファイアリングピンがバネの力で落ちることでバルブを叩く仕組みとなっています。
ただ、このファイアリングピンの固定が非常にデリケートで、2つのうちひとつの個体はファイアリングピンがうまく固定できずに手を放すとすぐに落ちてしまう状態でした。指でピンを抑えながら、スプーンレバーで固定しておくと上手くセットできる場合もありました。どうやらこの部分は個体差があるようです。
スプーンレバーは非常に軽い樹脂製です。
レバー上部の下側にある出っ張りでファイアリングピンを抑え、暴発を防ぐようになっています。
またスプーンレバー先端には孔が開けられているので、紛失防止にテグスなどで本体と結び付けておくとよいでしょう。
ファイアリングピンを傾けた状態でスプーンレバーを上から乗せてロッキングピンをセットします。インパクトヘッドは柔らかい素材になっているので、ピンをセットしやすくなっています。
インパクトヘッドを本体にセットし、下からBB弾をジャラジャラと入れます。BB弾は約140発入ります。ガスは中央部分のバルブから行います。あとはボトムキャップを締めて装填完了です。
AIRSOFT INNOVATIONSの図によると独立したBB弾のスポットのようにみえますが、これが上部で繋がっており、1本のバレル構造になっているようです。
日本代理店のリリースには、
『QUANTUM・DRIVE(クァンタム・ドライブ・エンジン)搭載! CYCLONEはガスの圧力だけで、強制的に後ろから押し出すようにBB弾を放出する構造のTORNADEと違い、本体ボディに収められたバレルユニットにBB弾を通過せながら回転をかけることで、ガスのエネルギーを無駄なくムラなくBB弾に伝達し、より強く安定した速度で最後の1発までBB弾を射出する』とあります。が、イマイチ、理解できません...。
この図をみるとエンドキャップ内側の窪みもバレルの一部となっていると思われます。
ボトムキャップの締め方はまず、2ピース構造になっているエンドキャップを押し込み、固定リングと面一にします。そして緑矢印の突起を本体側の窪みに合わせ、外側のリングをC字型の切り欠きに合わせ押し込み、時計回りにねじ込んで確実にロックします。エンドキャップを正しい向きで装着しないと弾残りする原因となります。
BB弾の射出口は1ヵ所です。弾ポロを防ぐためにインパクトヘッドが射出口に少しかかっています。
発射時はガス圧により強制的に射出されます。ホップパッキンみたいなものでしょう。
本体にもCYCLONEの装填方法が英語ですが、明記されています。
装填するのに専用の工具も必要もなく、手順さえ覚えれば、1分以内に再装填できるようになります。
さっそく、このCYCLONEをゲーム会で使ってみました。
投擲し、着地した瞬間に“バン!”と大きな炸裂音と共にBB弾をまき散らし、なかなか迫力があります。
動画でみると、インパクトと同時に射出口からBB弾と生ガスが勢いよく噴出され、そのガスの噴出力でサイクロン本体が回転しながら跳ねまわり、全方位にBB弾を射出しているのがわかります。
インドア戦ではかなり威力を発揮するでしょう。
BB弾の射出口が1ヵ所なので、2ヵ所あるトルネードのように回転はしないかと思っていましたが、サイクロンも体操選手のH難度の技以上の回転でBB弾を捲き散らしています。
ただ、射出口が1ヵ所なので、近くで炸裂しても、“あ、あれ? 当たった感じがしない”ということもありました。使用後にボトムキャップを開けてみると内部に何発かBB弾が残っていたときもありました。
これら現象はエンドキャップを正しくセットできなかったことが原因かもしれませんね。
あと、難しいのが投擲です。
距離2mくらいの敵に対してすぐ横の地面に向けて、下手で投げたのですが、手元が狂い、敵の脳天にCYCLONEが命中してしまいました。
インパクト式なので、転がせないのですよ~。申し訳なかったです。
図を見る限り、衝撃で、ファイアリングピンが落ちるだけという非常にシンプルな構造です。そのため、壊れにくく、完璧に作動します。
CYCLONEを実戦投入後から考察するメリット・デメリット
【メリット】
・TORNADEと比べて、軽量・コンパクト
・低価格
・単純な構造で破損しにくい
・ガスの消費が少ない
・インパクト式なので狙った場所で確実に炸裂されることができる
・炸裂音も大きく迫力ある
・装填に専用道具、工具が必要ない
・今後、各パーツが発売される予定でパーツの紛失、万一、破損しても安心
【デメリット】
・TORNADE比べて、装填が簡略されたといっても複雑な装填準備行程
・射出口が1ヵ所のため、BB弾の散布範囲が限られる場合がある
・投げるのが難しい
・インパクト式なので、地面を転がすことができない
エアソフトガン、サバゲを昔から嗜んでいる人間としては、このようなBB弾をバラ捲くグレネードも大好きです。
過去にも他メーカーからハンドグレネード、クレイモア、地雷などなど。機構もガス式、バネ式と、いろんなものがありました。
しか~し、ほんと今まで実戦で使えるものはTORNADEしかありませんでした。
確実な作動、軽量、コンパクトなCYCLONEは、充分、実戦に使えます。
アウトドアでは、まだ試していませんが、インパクト式なので、多分、使えるかと思います。
試しに使ってみたファーストインプレッションでは、非常に気に入りました! 今後、サバゲで2,3個は常に携帯したいですね。
撮影協力: バトルスポット