MOA 2023 台北 イベントレビュー PART.3
久しぶりに台湾へ。アジア最大規模のトイガン・ミリタリー展示会MOAを見てきたぞ。
2023年12月1、2、3日に台北市の台北世界貿易中心で開催。主催は台湾のミリタリー誌 QRF.mag。
なお、海外のトイガンイベントなので、日本の銃刀法に適合しない製品もあるのでご了承いただきたい。
MAPLE LEAF
SOLO-HAND ML-44 GBB BLASTER。
AR GBB用のカスタムパーツキット。ミレニアム・ファルコン号の船長が使っていそうなスタイルに変身!
ショートストロークのボルトキャリアアッシー、リコイルスプリングも内蔵されているので、ストックレスにできる。また、ノーマルより高回転型となり、ガスの消費量も少ないそうだ。
MAPLE LEAFブース内に展示してあった、S.A.I.E.R.T.というブランドのARB-001。AR GBB用のブルパップコンバージョンキット。
長短、サプレッサー付きなど、カスタム例が展示されていた。AR用のブルパップキットは珍しい。
MEDUSA
カスタムパーツのPOSEDONと、電動ガンメーカーのCSIコラボによるMEDUSAシステム。
アプリと連携して電動ガンのバーストやトリガーストロークをコントロールできる。
電動ガンのチャンバーには紫外線LEDが内蔵されており、トレーサーとしての機能もある。
電動ガン+コントロールアプリとして販売するそうだ。
KIZUNA WORKS
KIZUNA WORKS。日本語の絆からとったという台湾のトイガンメーカー。
KW-15K GBB。ロシアのPL-15Kというストライカー式の9mm拳銃をモデルアップしている。
マズルにはサプレッサーを装着可能なねじ切りがある。
カラーバリエーションやスレッデッドなど、バリエーションからいくつかあった。
MKW GBB。ロングスライド+サプレッサー対応サイト。
AK用のヘキサゴンハンドガードや、フラッシュハイダーなども展示。
模動工坊 MODELWORK
模動工坊 MODELWORKではMWS用のCAR15コンバージョンキットが展示されていた。
最初期のショートカービンモデルでコルトの生産名はM607。
伸縮式ショートストックやノイズサプレッサーも再現されている。
VFC M249用のカスタムレシーバー。
模動工坊は台湾でLayLaxの輸入代理店をしており、Hi-CAPAのカスタムガンなども展示していた。
KING ARMS
TWS 9mm Carbine GBB Lite。PCCのガスブローバック。
GRIDLOK 11" / 15" RAIL AEG。
SIのレイルがカッコいい。
SAAのガスガンなどもあるがフルメタル。
ARCHWICK / B&T AIR
ARCHWICKがB&Tの正規代理店となって展開するB&T AIR。正式ライセンスに基づいたリアル形状のAPCシリーズのGBB。
APC9K PRO。
APC9 PRO。
APC9 SD。
APC9K SD2。
他社のAPC9よりリアル形状であることを強く宣伝していた。
SPR 300 PRO。
マガジンは2WAYとなっていて、一つはVSRサイズのマガジン、そしてその後ろにボックスマガジンがあり、ボックスマガジンの弾はVSRマガジンの中を通って給弾される。
ストックはフォールディング可能。
USW-G17 コンバージョンキット。グロック17/19用のカービンキット。VFC、UMAREX、TMなどに対応。
MWS用のカスタムパーツも展示していた。
ボルトオンのトリガーボックス。
CNCスチールボルトキャリア。
ホップアップセット。
PAF
T75K3 GBB。台湾軍制式拳銃のガスブローバック。まだ3Dプリントのモックアップで、クラウドファンディングで製作するそう。
40mmグレネードカートを使用する60mm迫撃砲。
半透明の樹脂によるカートキャッチャー。
マガジンハウジングにクリップオンする。自衛隊用に作りたいとのことだった。
RA-TECH
RE-TECHでは各社GBBのカスタムレシーバーを展示。久しぶりにANNYにお会いできた。
DDMK18 7075-T6フォージドレシーバー。MWS用。
こちらはNOVESKE N4-Gen3レシーバー。GHK用。
COLT M4 SOPMOD BLOCK I RISレシーバー。
M14 SOCOM GBB。WEベース。
DOUBLE BELL
DOUBLE BELLのラインアップがずらッと展示されていた。
JW4 Dracarys AEG。
某映画の4作目にも登場したドラカリス ショットガン。ドラゴンブレスを吐き出すかと思ったが、普通の電動ガン。
PEW LOGIC
カラフルなカスタムガンが展示してあったPEW LOGIC。
AZTECHのカスタム電動ガン。ベクターオプティクスの特別色フレンジー搭載。
ハンドガンもカラフル。
玉虫色のスケスケハイキャパ。
NINE DRAGONS
NINE DRAGONSのグレネードランチャー。肩に背負って撃つ。
40mmグレネードカートにガスをチャージ。先端にはプラスチックの弾頭!!
使用するガスはレッドガス14kg、ブラックガス18kg、威猛 22kgと日本では考えられないほどのハイパワーガスたち。弾頭は100mくらい飛ぶそうで、数メートル先の鉄板プレートに当たると硬質樹脂の弾頭が粉々に砕けていた。これはもう完全に武器。
SLONG AIRSOFT
台湾では6mmBB弾のエアソフトが主流だが、もう一つ水弾と呼ばれる弾が人気のようで、台湾のサバゲー場などでレンタルガンとして置いてあるそうだ。仕組みは電動ガンと変わりなく、水を吸収して膨らむグミのようなプヨプヨの水弾を使用して一般の人たちがサバゲーをすることがあるそう。弾はBB弾より遥かに安く、当たっても大して痛くなく、ナーフのように弾を拾う必要もなく自然に還るのでエントリー層向けのサバゲーとして確立しているそう。
水を吸収する前は1mm以下の小さい粒だが、水に浸すと20~30分ほどでこのような弾になる。
CL PROJECT DESIGN / AIRSOFT SURGEON
CL PROJECT DESIGNで何に使うものだろうと思ったら...
このようにリボルバーの6発クリップを差し込んで使用するクリップホルダーだった。マグネット式でクリップが固定される。
ASG
デンマークのトイガンメーカーASG。
Czの正式ライセンスでP-10C GBBを展示。
フレームに刻印があるように台湾製で欧州に輸出されている。
PTS
ZEV OZ9 ELITE ULTRA Ver GBBが展示、試射できた。
泰亨玩具(TTI AIRSOFT)
玩具問屋のTTIでは各メーカーのエアソフトを展示。
丸山製作所の新製品。
HK MP5A3 RAL8000と、HK243 S TAR。
BATTLE ARMS XIPHOS 9 GBB。
MARKSMAN K1A
GBB。
サムズミリタリ屋
日本のショップも出展。おさむさんいらっしゃいました。
台湾軍
台湾では、エアソフト市場と国防が密接な関係にあり、こういったトイガンの展示会においても軍が大きなブースで出展している。
四輪駆動突撃車が展示されていた。乗員4名のオフロード車両だ。
車載の74式排用機槍。もちろん実銃。
助手席の銃架には75式班用機槍の空挺用カスタムバージョン。もちろん実銃。
会場内では実銃を持った兵士達が普通に歩き回っており、撮影にも応じてくれる。
こちら実銃のT75K3。ベレッタM92FSの台湾バージョンといったところか。マイクロドットサイトが搭載されている。
野戦音響車。ルーフに360度回転式のスピーカーを装備し、平時には訓練や防災、戦時には敵への投降呼びかけ、偽音工作などを行うそう。
憲兵と爆弾処理ロボット。ロボットアームやウォーターガンを装備している。
憲兵のバイク。アメリカのIndian Motorcycle社のVツインモデル。
空軍のミラージュ2000-5にクマが乗ってた。これエンジン付きで走行できるそう。
日本と全然違う、台湾のガス事情
台湾ではガスガンが人気だ。日本よりも南に位置するので年中を通じて気温が高いというのもあるが、なんといってもガスの法規制が日本とは全く異なる点だ。日本で主流の圧力が8kg/cm2程度のHFC134もあるが、多くの台湾ユーザーが使用するのはGREEN GASと呼ばれる圧力12kg/cmのプロパンやブタンガス。同様の12kgでトップガス、14kgのレッドガス、18kgのブラック、エクストリームガス等呼び方も様々あり、さらに22kgのガスも存在する。もちろんこれらガスは日本では高圧ガス保安法違反となり、威力も0.98Jを超えれば銃刀法違反となる。また日本仕様のガスガンは、そもそもこれらの高圧ガスを想定した設計や強度になっていないので破損の可能性がある。これら高圧ガスを国内で販売しようとする事業者もいるが、ユーザーは手を出さないよう気を付けよう。
台湾のエアソフトユーザーもコスプレして会場を楽しんでいた。
台湾の食べ物
台湾と言えば食べ物も楽しみのひとつ。
MOAの会場は超高層ビル『台北101』のすぐ隣なので、地下にあるフードコートで食事するのが楽。
ド定番のディンタイフォン。
ここの小籠包はとにかく美味い。
ただ、有名観光地なだけに、昼時は混雑するし、ランチにしてもそこそこお高めなメニューも多い。マックやモスバーガーなんかもあり、朝からオープンしている。
夜市へいくと、美味しい屋台飯が安く頂ける。夜市は台北市内にいくつかある。
商店街の地元の人しか来ないようなお店に行ければラッキーだ。
台湾のソウルフード、魯肉飯(ルーローハン)に煮卵の魯蛋(ルーダン)やスープ、スペアリブの排骨(パイクー)、焢肉塊(コンロー)などを添えても驚くほどにお安く頂ける。
フルーツジュースも美味い。季節によって果物の旬があるが、マンゴー、パパイヤ、スイカ、アボカドなどなど。今回はパパイヤミルクジュースを頂いた。
台湾のトウモロコシも美味しいんだって。
今回初めて台北の地下鉄に乗ってみたのだけど、日本の地下鉄と変わりなく、路線や駅の表示もわかりやすい。
専用のICカードでも乗れるが、切符を買うと、プラコインが出てくる。これをタッチセンサーにかざして改札を入り、出るときにコインを投入する。
MOAを久しぶりに取材して
最後に自分でMOAを取材したのが2019年だから、じつに4年ぶりの台湾。
台湾のエアソフト事情は変わらず賑やかでエネルギッシュで、どのブースもエアソフトへの情熱が感じられる。しかし一方で、MWSなど、東京マルイの功績は大きいと感じる部分もあるのも確か。
ビジネスという点では、いまや世界のトイガンの中心地は台湾であり、世界中のエアソフトの製造を請け負っているのは台湾メーカーだ。
輸出ビジネスとして、また国防との連携も含め、大きな産業として独自の進化を遂げているのが台湾のエアソフト業界。その展示会の最も大きなイベントがMOAで、世界中のエアソフト関連業者、メディアが来場している。
以前の記事でも書いたが、台湾玩具銃協会によると、世界のエアソフト、エアガン(競技用、狩猟用のエアライフルも含む)の年間生産額は15億ドルの規模で、そのうちの10%を台湾製品の輸出が占めているそうだ。さらにエアソフトだけで言えば世界の7割が台湾製なのだそう。
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