ガスガンのカスタムパーツ! Vol.57
千葉県八千代市にある総合エアガンショップの「モケイパドック」にお邪魔して、技術主任の"でめちゃん"にカスタムガンのことをいろいろ伺ったので、連載で紹介しています!!
道楽「前回はガスガンの歴史を聞かせてもらいましたが、ガスガンのカスタムパーツってどんなのがありますか?」
じゃあ、今回はガスガン独自ののカスタムパーツ「バルブ」について紹介するよ。まずは「放出バルブ」と「注入バルブ」だね。
道楽「ガスの入口と出口ですね。」
こちらが放出バルブ。マガジンの背面にあるやつね。これらのカスタムパーツはポート径を大きくしてガスの放出量を増やすためのものが多いかな。カラーリングがノーマルの金色からカスタムカラーになるというドレスアップ効果もあるね。
これはCO2ガスガン用のマガジンだけど、これらは改造防止用に放出バルブが取り外せないようになっているよ。放出バルブは主にリキッドチャージ式のマガジン用だね。
こちらが注入バルブ。海外製の注入バルブはガスをチャージしにくいものが多いんだよね。だから日本仕様のバルブに換える人もいるよ。
道楽「あー、海外製のマガジンって、ガスを入れるときに無音で、入っているのか分かりにくいんですよね」
あとは、注入バルブの管の長さで入る量と気化スペースが変わるんだ。
バルブが長いと入る量が減り、その分気化スペースが多くなるから快調な作動が持続しやすいけど、ガスがすぐになくなる。短いとガスが多く入って沢山撃てるけど、その分気化スペースが減って圧力が下がりやすくなるといった具合。
道楽「なるほど」
バルブは緩むこともあるから、定期的に緩みが無いか確認して締めこんでおくと良いよ。
そのためのバルブレンチもあるんだ。もちろんバルブの交換時には必要なものだね。注入バルブ用やメーカーによってサイズが異なるから購入時は確認してね。
もう一つ、ちょっとマニアックなパーツだけど、フローバルブのカスタムパーツもある。
道楽「フローバルブ?」
スライドの中に入っているシリンダーノズルがあるんだけど、その中に入っているパーツだね。これはガスの流れを、弾を飛ばす方向か、ブローバックさせる方向に、ガスルートを切り替えるためのパーツだよ。
ガスブローバックって、ハンマーの力で放出バルブが叩かれてガスが出ると、このシリンダーに流れ込んで、まずはBB弾の発射にガスの力が使われる。弾がバレルから飛び出すとチャンバー内の圧力が一気に下がって、その負圧でバルブが動いて、ガスルートが変わり、今度はスライドを後退させる方向に流れるんだ。
道楽「こんな小さいパーツで制御しているんですね。」
フローバルブの穴の大きさや形状で、初速とブローバックの強さのバランスが変わってくる。
RATECHのNPASはガスを発射側か、ブローバックの作動側か、どちらに多くガスを流すか流量をレンチで調節できるパーツだよ。
ただね、結局のところ、ガスの放出量を多くすると、最初の数発はパワーアップするんだけど、一方で、燃費が悪くなったり、マガジンが冷えやすくなって、すぐに初速が落ちてしまうんだよね。マガジンの温度管理がシビアになるから、それだったらマガジンを人肌程度に温めて使用するほうが良いんじゃないかと思うよ。
もちろん、パワー上げ過ぎて初速オーバーなんてことが無いようにしないとね。特にガスガンは夏場に気温が上がると初速が急激にアップするから、カスタムには注意が必要だよ。
道楽「ガスガンのパーツはメリット・デメリットがはっきり出るんですね。」
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