ジムニーでサバゲーフィールドを走ってみた!!
写真&レポート YAS
ハイパー道楽のツイッターでアンケートを取ったところ、サバゲーマーの61%がフィールドへの移動に自家用車を使い、家族や知人の車を借りたり、レンタカーを借りるという人を含めるとなんと77%が移動手段に自動車を使うという結果でした。
ということで、今回は2018年7月に20年ぶりのフルモデルチェンジとなった、日本が世界に誇る軽自動車、スズキ ジムニーをレビューします。また、ハイパー道楽のチームメイトのジムニストにも協力してもらい、試乗の動画や感想をお届けしましょう!!
まずは旧型ジムニーと並べてみました。左からJA22、JB23、そして今回の新型JB64です。
こちらが先代のJB23(右)と、先々代のJA22(左)。新型が発売された現在でも人気モデルです。
今回試乗した新型ジムニーはXCという最上級グレードのマニュアル車です。丸いフォルムだった先代のJB23から先祖返りしたかのようなスクエアなフォルムに、丸目のヘッドライト。個人的には大好きな形状ですね。昨今どの車も流線形になっていく中、四角いデザインの車はとても貴重です。
この試乗車のボディーカラーはシフォンアイボリーメタリック × ブラック 2トーンルーフです。レトロ感ある色ですね。ボディカラーは全9色。ミリタリー好きにはたまらないジャングルグリーンもありますよ!! ついつい迷彩塗装したくなりますよね! え、そうでもない?
グレードは上からこのXC、XL、XGの3種類、それぞれ5MT、4ATが選択できます。価格はXGの5MTが145万8千円(税込)~XCの4ATが184万1400円となっています。
サイドシルエットも角っとしています。Aピラーがより立って、シルエットは2世代前のJA系に似てますよね。ボディサイズは全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,725mm、ホイールベースは2,250mmとJB23より少し背が高くなっただけで、基本サイズは変わりません。
リアハッチは横開き。そしてスペアタイヤを背負っているのもジムニーらしさを感じますね。
車両重量はMTが1,030kg、ATが1,040kgです。
タイヤはブリヂストンのDUELER H/T 684IIで、サイズは175/80R16 91Sです。上級グレードなのでアルミホイールが標準装備です。鉄チンホイールも雰囲気があって好きです。
ルーフエッジには雨水の進入を防ぐドリップレールがあって、ここにルーフキャリアを取り付けられます。また右後にラジオアンテナがあります。
迫力のあるフロントフェイスです。クラムシェル ボンネットフード、5スロットグリルに丸目ヘッドライト、斜めに配されたオレンジのウインカーもいいですね。フロントバンパーは樹脂製で角が斜めに切れ上がっていて、走破性を高めています。フォグランプはXCとXLに標準装備です。
XCにはLEDヘッドライトが標準装備となります。またこのXCには周りの環境に合わせてロー/ハイを自動的に切り替えるハイビームアシストも搭載しています。
エンジンは新開発のR06A型ターボエンジンを採用。縦置きレイアウトの水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボで、排気量は658cc、最高出力64馬力/6000rpm、最大トルク9.8kg・m/3500rpmです。インタークーラーはフロント部に配置されています。
実際にクロカンコースを運転してみた感じ、軽とは思えない低回転での粘りがあります。
最低地上高は205mm。山深い場所にあるサバゲーフィールドに行くときは林道みたいな未舗装で道幅の狭いところを通ることもありますが、ジムニーなら全く問題ありません!! どんな険しいフィールドでも到達できる絶対的安心感がありますよ。
XCにはデュアルセンサーブレーキサポートが装備されます。フロントガラス上部のセンサーと単眼カメラで車や歩行者を捉えて自動ブレーキが掛かります。また、最高速度や進入禁止の道路標識を認識してドライバーに知らせる機能や、誤発進抑制機能(4AT)、設定車速で走るオートクルーズ、車線逸脱警報、先行車発信お知らせ機能も付いています。
ドアミラーは大きくサイドアンダーミラー付き。また表面にはウインカーも付いています。
給油口は車体右側面にあります。レギュラー仕様で、燃料タンクは40Lです。気になる燃費は5MT車で16.2km/L※、4AT車で13.2km/L※と最近の軽自動車としてはあまり良くないですね。※WLTCモード
さて、インテリアを見てみましょう。スクエアボディのお蔭で先代ジムニー乗りのチームメイトからは「広くなった」と好評です。シート素材には撥水ファブリックを使用しています。
水平基調のダッシュボードやメーター回りはJA11を彷彿とさせます。また、今どきの車らしく、オーディオ・ナビスペースがダッシュボード上に配置され、なんと8インチモニターの大型ナビが取り付け可能です。
メーターは朱色でシンプルながら視認性が高くカッコいいですね。センターに平均燃費などを表示するマルチインフォメーションディスプレーがあります。
XC、XLにはフルオートエアコンが標準装備です。また、エアコンの下にはパワーウインドウ開閉スイッチとトラクションコントロール、ヒルディセントのオン/オフ スイッチがあります。ドアにはウインドウ開閉スイッチがないので慣れないと焦ります。
やっぱりジムニーで遊ぶにはMTでしょ!! という人もいれば、日常の足に使うんでATがいい!!というジムニストもいます。これはもう好き好きの問題ですね。シフトレバーの手前にあるのは、パートタイム4WDの駆動モードを切り替えるための機械式の副変速機レバーで、後輪駆動の2WD、四輪駆動ではハイモードと、より駆動力が増すローモードの2つがあります。舗装路では2WDで、林道に入っていく際には4H、さらにデコボコ道やぬかるんだ道を走るには4Lといった感じで使い分けます。
センターコンソールにはサイドブレーキレバー、シートヒーターのスイッチ、小物入れ、ドリンクホルダーがあります。ファブリックなのにシートヒーター付いているなんて最近の軽自動車はホント豪華ですね。※XGを除く
フットペダルは左からクラッチ、ブレーキ、アクセルです。久しぶりにマニュアル車を運転したので、エンストしないか緊張しました(笑)。普段バイクは乗るのですが、車とはまったく感覚が違いますよね。
ハンドル右側にはスタートスイッチ、各種セーフティ機能のオンオフスイッチ、ドアミラー操作スイッチがあります。もはやジムニーと言えどもキーレスエントリーの時代ですよ。※XGを除く
助手席側にはグラブバー(グリップ)が付いています。その下にはグローブボックスがあります。また、運転席・助手席SRSエアバッグ、SRSカーテンエアバッグ、胸部への衝撃を軽減するフロントシートSRSサイドエアバッグを全車に標準装備しています。
リアシートはこんな感じです。4人乗りですが、ジムニーの後席って狭いでしょ? って思う人、多いですよね。ところがどっこい…。
身長177cmの男性が余裕で座れます。頭上には握りこぶし縦1個分以上のスペースがあります。
フロントシートを適正にセットした状態で膝にも適度に余裕があります。
しかもひじ掛けスペースがあるので横幅に余裕を感じるのも良いですね。大人の男性2名が後席に座ってもなかなか快適でした。
ヘッドレストを外してシートを倒せばフルフラットになります。快適に車中泊できますよ、これは!
荷室を見てみましょう。横開きドアで、テールランプがリアバンパー部にあるので、開口部が広くなりました。
一世代前のJB23はテールランプの張り出しが大きかったのです。
もう一世代前のJA22は後席が跳ね上げ式でその分ラゲッジの奥行がありません。
JB64はリアシートを倒すとフラットな荷室が広がります。なお、後席シートベルトは脱着式で根元のバックルをイマージェンシーキーで押せば取り外してCピラーにまとめられます。
手前にはアンダーボックスがあります。
アンダーボックスは取り外せます。
さらにその下にはジャッキなどの工具が入っています。
ホイールハウスの張り出しが無く、すっきりしていますね。片側5ヶ所にあるユーティリティーナットに荷掛けフックを増設することもできます。
プローン射撃もできます。
リアハッチがあるとついついやってしまいます。あくまで妄想のイメージです。
ああ、もう止まりません。新型ジムニーをバリケにしちゃいます!!
角ばっているから隠れやすい!! 車高が高いのでモディファイドプローンで撃ちやすい!!
視界確保でクランク形状になったドアラインが射撃するのに便利!!
とか、脱線しすぎたので、元に戻ります。
積載性ですが、ペリカンのライフルケースでいうと、1700、1720は余裕で横置きできます。
ペリカンの1750は残念ながら横置きできなかったので、助手席を倒して縦置きしました。長尺物も結構いけます。
サバゲー装備なら2人分を搭載してフィールドへ行くには十分なラゲッジスペースです。
ビレッジ1のクロカンコースを走ってみる!!
千葉県四街道市にあるサバゲー場、ビレッジ1ではクロスカントリーコースもあって、気軽に森の中を走行できます。ゆったり走って1周約4、5分といったところでしょうか。チームメイトのジムニストがタイムアタックしてみたところ3分くらいでした。速い人は2分台で回るそうです。
やっぱりジムニーは森の中が似合いますね。
どんな悪路もグイグイと突き進めます。新設計のラダーフレームを採用してねじり剛性が高まっています。実際に先代ジムニー乗りのメンバーが乗っても「剛性半端ねぇ! めっちゃ半端ねぇ!」と叫んでいました。
もりあがった場所も難なくクリア! 片輪が浮いても空転したタイヤにのみ自動的にブレーキをかけて、走破性を高める「ブレーキLSDトラクションコントロール」を装備しています。
短いホイールベースに加え、アプローチアングル41度、ランプブレークオーバーアングル28度、デパーチャーアングル51度と、普通の車では動けなくなってしまうような悪路でもジムニーなら脱出可能です。
先代のジムニーではエアコンをつけると出力が2~3割落ちてしまうそうなのですが、この新型ジムニーはエアコンをガンガンにつけてもパワーの低下を感じさせない走りでした。
ステアリングダンパーが装備されるので路面からのキックバックが抑えられ、かつ高速走行時でも安定した走りができます。最小回転半径も4.8mと取り回しが良いのも魅力ですね。
丸太で行く手を遮られてもジムニーなら簡単に乗り越えられます!!
ビレッジ1での試乗の模様を動画でもどうぞ!!
ビレッジ1には高圧洗車機もあるので泥だらけになった車を洗って帰ることができます。
ビレッジ1
〒284-0032 千葉県四街道市吉岡1163
TEL 080-5683-0084
http://www.village-one.org
サバゲーマーに超おススメ!! 普段使いにも、山のお散歩にも
1970年に初代ジムニーが誕生してから48年。熟成に熟成を重ね、最先端の技術でフルモデルチェンジしたジムニー。試乗後にチームメイトのジムニー乗り達から感想を伺いました。
まず、全員が「格段に進化している、いい車」ということで意見が一致しました。
ただその反面「マイルドになった。唐突な部分が無くなった。」という意見がありました。
従来のジムニーはとにかくピーキーと言いますか、いい意味でも悪い意味でもダイレクトに反応して操る感覚が強かったそうですが、新型になってその部分が薄れたということです。
確かにエンジンは静かになったし、サスペンションも滑らかでよく追従し、ショックを上手く吸収して、トラクションの掛かりも抜群、脱出性も高まりました。舗装路でもバタバタ、ピョコピョコせずに実に快適だそうです。それはそれで良いことなのですが、やんちゃな部分もジムニーの魅力と感じている人もいるのでしょう。
また、舗装路での走り出しでジムニーにしてはちょっと重く感じたということです。確かに車重は60~80kgほど増えています。
そういう意味では全体的に普通の乗用車感が強くなったそうです。性能が向上して、誰が乗っても簡単に林道を走破できるのが新型ジムニーだと言えます。
続いて「トラクションの掛かりが凄い!」という話が出ました。ドノーマルのあのタイヤで悪路に良く追従して食いついてくるということでした。
もうひとつ「クラッチのつながりがヌルっと気持ち悪い」という話が出ました。カチッとつながらずにいつまでも半クラッチのような感触があるそうです。マニュアル車を乗り慣れているドライバーには強化クラッチのようなカチッと繋がる感触が好きな人もいますが、私のようなATしか乗ってないドライバーにはこのクラッチの感触はエンストしなさそうな安心感もあります。
その他の意見としてはリアサイドガラスがJA22のように開いてほしかった、とか、シートのホールド性がもう少し欲しかったといった意見がありました。
価格は先代に比べて少し高くなったとはいえ、この性能なら安いと感じました。軽自動車は税金面でも普通乗用車に比べて格段にお安いので経済的にもありがたいですね。
新型ジムニーは居住性も高まり、万人に受け入れやすいパッケージングに進化したと思います。
サバゲーマーにはもちろん、アウトドアでガンガン遊ぶにはベストな車だと思います。山道をトコトコ散歩するにも、クロカンコースをタイムアタックするのも楽しいですね。
気になっている方、ぜひ一度試乗してみることをお勧めします。
撮影協力 渡邊モータース、スズキ自販京葉 スズキアリーナ東金、ビレッジ1
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