『漫画 マハンと海軍戦略』
元陸自1佐が描く戦略家シリーズ!
石原ヒロアキ(作・画)
四六判210ページ 定価1600円+税
いかなる国家も大陸国家であると同時に大海洋国家になることはできない──。帝国主義の時代から現代に至るまで大陸国家であるフランス、ドイツ、ソ連は海洋国家になろうとして失敗し、大日本帝国は中国大陸と太平洋を支配しようとして敗れた。「一帯一路」で世界制覇をめざす中国は、このマハンのテーゼを覆し、野望を実現することができるのか? 今も読み継がれる海軍戦略家マハンのシーパワー理論の真髄を描いた本格歴史漫画!
目 次
第1話 海国兵談
第2話 海上権力史論
第3話 四日海戦
第4話 ナイル海戦
第5話 トラファルガー海戦
第6話 日露戦争
第7話 日本海海戦
第8話 ドイツ帝国の挑戦
第9話 シーパワー
解説:中国はマハンのテーゼを覆せるか?(堂下哲郎・元海将)
作者ノート 203
主な引用・参考文献 206
アルフレッド・セイヤー・マハン(Alfred Thayer Mahan)
アメリカ海軍の軍人・歴史家。最終階級は少将。1840年ニューヨーク州ウェストポイント生まれ。59年海軍兵学校卒業。61年少尉任官。南北戦争ではフリゲート「コングレス」などに乗艦。1872年「イロコイ」の副長として幕末・明治維新の日本を実見した。85年論文「メキシコ湾と内海」が評価され大佐に昇進。海軍大学校の初代教官を務め、海戦術の教育を担当。86年海軍大学校校長兼海軍史・海軍戦略教授。86〜89年海軍大学校長。90年「海上権力史論」発表。92〜93年海軍大学校長。93年「シカゴ」の艦長としてイギリス訪問。退役後「ネルソン伝」「米西戦争の教訓」「フランス革命とナポレオン帝国におけるシーパワーの影響」「海軍戦略」等を発表。1899年、第1回ハーグ平和会議アメリカ代表団顧問。1902年アメリカ歴史学会会長。1914年死去。海洋戦略の古典的理論家であり、その著書は世界各国語で翻訳されている。大艦巨砲主義を助長したとして批判の矢面に立たされることもある。根拠地と交通線を重視したマハンの戦略を忠実に継承しているのはソ連海軍といわれる。
石原ヒロアキ(本名:米倉宏晃)
1958年、宮城県石巻市生まれ。青山学院大学卒業後、1982年陸上自衛隊入隊。化学科職種幹部として勤務。第7化学防護隊長、第101化学防護隊長を歴任。地下鉄サリン事件(1995年)、福島第1原発事故(2011年)で災害派遣活動に従事。2014年退官(1等陸佐)。学生時代赤塚賞準入選の経験を活かし、戦争シミュレーション漫画『ブラックプリンセス魔鬼』および自衛官の日常を描いた『日の丸父さん』(電子書籍で発売中)、2018年『日米中激突!南沙戦争』、2019年『漫画クラウゼヴィッツと戦争論』(並木書房)を発表。現在、名将グデーリアンを題材に執筆中。クラウゼヴィッツ学会会員。