イスラエル軍事史 終りなき紛争の全貌

本書は中東の一角をめぐるアラブとイスラエルの民族運動の紛争史です。1936~39年のアラブの反乱から2000年に始まるインティファダまで、イスラエル人とアラブ・パレスチナ人は十数度に及ぶ衝突を繰り返してきました。時には不正規戦の形を取り、ときには六日戦争やヨムキプール戦争のように正規軍どうしが激突しました。
本書では前12章より構成され、各賞それぞれ戦闘の原因、経過、結果が専門家によって記述され、全章を読むと70年に及ぶイスラエルの軍事史が総括できます。

編集責任者のモルデハイ・バルオンは、軍教育総監、国会議員(ピースナウ運動を主導)等の要職を歴任した人物で、シナイ戦争(スエズ作戦)時ダヤン参謀長の副官でした。原書は2004年刊行ですが、その後の軍事史につきましては役者の滝川氏が補足しました。

(著者のことば)本書で扱う紛争は、今なお続いているが、本質は一つの土地をめぐる二つの願望の衝突である。
ユダヤ人が、民族揺籃の地に自決権を確立したいと願えば、同じ土地に対する土着アラブ人の願いもある。
……これは、悪漢と正義の士との対決史ではない。自分の所属する民の安寧と繁栄のために身を捧げた人々の対決史である。
どちらが悪いというのではない。一つの小さい土地をめぐって二つの民族運動が衝突し、現代で最も複雑にからみ合ってしまった悲劇の歴史である。

著者について

モルデハイ・バルオン
ベンツビ(第2代大統領)研究所幹事、ワシントン平和研究所及びベングリオンセンターの各主任研究員、ピースナウ運動指導者。
シナイ戦争時ダヤン参謀総長副官、国防軍教育総監、国会議員等の要職を歴任。
主要著書『平和を求めて―イスラエル平和運動史』、『ガザの門―スエズへの往復路』

滝川義人(たきがわ・よしと)
ユダヤ、中東軍事紛争の研究者。イスラエル大使館前チーフインフォメーションオフィサー。
長崎県諫早市出身、早稲田大第一文学部卒業。主要著書『ユダヤ解読のキーワード』、『ユダヤを知る事典」など。
訳書にヘルツォーク著『図解中東戦争』、米軍公刊戦史『湾岸戦争』、オローリン編『地政学事典』、ヴィストリヒ編『ナチス時代ドイツ人名事典』、『イスラエル式テロ対処マニュアル』、ブライアン・リッグ著『ナチからの脱出』、アブラハム・ラビノビッチ著『ヨムキプール戦争全史』、M・オレン著『第3次中東戦争全史』

  • 大型本: 465ページ
  • 出版社: 並木書房 (2017/2/15)
  • 言語: 日本語
  • 発売日: 2017/2/15
  • 定価 3900円+税

 


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