証言 自衛隊員たちの東日本大震災

自衛隊員たちの

震災3年目にして初めて語られる真実!

著者の大場氏は元空将補で、震災発生時はすでに自衛隊を退職しており、災害派遣活動には直接貢献することができませんでした。震災に際しての現役隊員たちの献身的な活動を目にし、何か後輩たちの力になることができないだろうかと考え、その活動を多くの国民に伝えようとインタビューを開始します。

取材は各地に及び、1年ほどかけて四十数名の隊員の証言を集めました。震災から3年近く経過していましたが、各隊員はいつかは誰かに話したいという強い思いを持ち続けており、それぞれ当時の心情を熱く語ってくれました。国民に期待されているならば、日本人として、自衛隊員として命の限り尽くしたい、そこに、自分たちの生きがいがあると、隊員たちは異口同音に語ります。まさに本書は汗をかいた人々の「肉声」です。

自らも被災しながら地域住民を支援した松島航空基地の隊員、嫌いや不発弾の処理を主な任務とするEDO(水中処分員)による水中での遺体捜索、歯科医官による身元不明遺体の検視、空輸支援や米軍との調整など後方支援に従事した自衛官、水船による給水支援、初の実任務召集となった即応予備自衛官等々…自衛隊の活躍は多岐にわたります。中でも原子炉容器内に真水を注入するため、原発からわずか200メートルまで近づいた横須賀港務隊の曳船による「オペレーション・アクア」の実際はほとんど知られていません。

航空自衛隊OBの著者が、それぞれの持ち場で懸命に任務を果たした四十数名の隊員の「生の声」を集め、被災地で活動した彼ら彼女らの献身的な活動を支えたものが何かを考察したものです。

 

証言 自衛隊員たちの東日本大震災
単行本: 362ページ
出版社: 並木書房
発売日: 2014/2/10