一般に何処の国の兵士も国を背負って戦う以上、特に充分な栄養を採る必要があった。栄養即ち、彼等兵士のスタミナがなければ、当然戦闘能力や士気も落ちるからである。
WW2時のドイツ軍の場合はこれら食料を兵士に供給する管理部隊が存在した。それは3つの構成からなり、その一つの「兵站部隊」は師団兵士の食料の補給全体を管理し、更に「製パン部隊」は戦場でパンを焼くことを任務としていた。更に「屠殺部隊」は牛や豚を解体し、ソーセージやシチューに使用する肉の加工などを任務としていた。
また、ドイツでは兵士一人に対する1日分の食料配給量も下記の様に決められていた。
・パン(750g)・バター或いは料理用の脂肪(45g)・ソーセージ生、または缶詰め(120g)・マーマレード、または蜂蜜(200g)・ポテト、野菜や焼き料理(750g)・野菜、獣脂(45g)・ソース(15g)・コーヒー、または紅茶(8g)・キャンディ、またはチョコレート(1パック)・煙草(7本)・葉巻(2本)とされていた。ときにはソーセージの代わりに魚やチーズが支給される場合もあった。
一般的には中隊には2名の専属のコックと1名の助手がおり、彼等は移動式の調理レンジを用いてシチューを作り、コーヒーを温めた。前線へは各部隊の兵士らが野戦炊事場まで出向いて、暖かいコーヒーやシチューを専用の容器に入れて、前線を回って兵士等に配った。一般的に彼らは3名からなり、一名はシチューを背負い、1名はコーヒーを背負い、残る1名はパンを持っていた。これらの暖かい食事は、前線兵士の士気を高める効果があったと言う。
また、これら野戦炊事場から暖かい食事を受け取ることの出来ない場合も多かった。これらに備えて、兵士には3日分の非常食を持たせていたと言う。
これらの他に、酒の支給もあったが、ビールはなく、ワインやブランデーが主流で、4~5名に対して1本の支給だったと言われている。
だが、これらも戦線の安定していた時期のことであり、戦争末期になると当然配給量も守られることは無く、ジャガイモを生で支給されることもあったというが、そんな場合は兵士が各自で茹でたり調理していたという。
(藤原真)