日本帝国軍-TYPE-14.NAMBU[南部十四年式]

技術将校として、日本の銃器に多大な影響を残した南部麒次郎氏が1902年に開発した、南部式自動拳銃。その銃に改良を加えたものが、日本を代表する拳銃、南部十四年式です。

8mm南部弾を使用し、マガジン内8発、薬室内1発の合計9発を装弾し、全長230mm、重量890g。有効射程は50mほどだったようです。

ガバメントなどごく一般的な形状のオートマチックと比べ、その構造上マガジンを交換したら即座にスライドによって次弾が装填されることはなく、交換後あらためてボルトを操作し、弾丸を装填する必要がありました。また、これも構造上の特性とマガジンの脱落防止ためですが、マガジンを引き抜くのにいちいち苦労するようです。

さらにボルトが少々人間の手に気遣いのない形状のため、ボルト操作もコツをつかむまでは大変らしいです。こういった具合に海外の銃器に比べて垢抜けない部分も多いですが、細いグリップは日本人の手にもしっくり馴染み、宇宙戦艦ヤマトの「コスモガン」のモデルであったりと、なかなか我々には愛らしい銃なのです。

愛らしさとは、デザインの良さでも性能の優秀さでもありません。見た目がよくて成績優秀でも憎ったらしいヤツよりずっと素敵です。

元となった銃の開発者、南部麒次郎氏の名は、今も日本の警官が装備する銃「ニューナンブ」の名称の中に生きています。