ヘリコプターというものは、もともと物資や負傷兵の運搬などを行う、戦場においてはサポートのための存在でした。しかし、飛行機では出来ない特有の機動性から、ただの運び屋ではなく、なんとか「兵器」として活躍させることは出来ないだろうか、という発想は自然といえます。
その発想自体は昔からあり、第二次世界大戦末期にはアメリカ海兵隊による史上初のヘリボーン作戦が行われています。
ヘリボーンとは、ヘリコプターを用いて戦地に部隊を派遣する戦術を指します。空挺を使用したエアボーン作戦に比べてパラシュートなどが不要なことから迅速に部隊を兵を展開できるという利点を持ちます。しかし、まだまだヘリコプターを戦闘用に利用するまでにはいたりません。
完全に兵器として利用されるヘリコプター、すなわち攻撃用ヘリが本格的に完成するのは、そのしばらく後。1967年に運用開始となった、AH-1コブラが登場するまで待たなければまりません。その後、攻撃用ヘリは進化を続け、ついには戦車相手に渡り合う強力な兵器として認知されました。
本動画で紹介する機体、ユーロコプター社のEC665 ティーガーは、2004年に運用開始された最新のものです。全長15.80m、空虚重量3.300kg、最大離陸重量6100kg。機関砲をはじめ対戦車ミサイル・ヘルファイアや空対空ミサイル・スティンガー、ロケット弾など様々な装備を搭載した様は、ヘリが兵器としてまごう事なき「脅威」であることを見せ付けます。