「運命ってのは、自分で切り開くもんだ」ってな具合に、氷上、沼、砂地、とにかくどこでも突っ走ってゆく珍妙奇天烈なるドリル装甲車「ZIL-29061」。
車輪の代わりにドリルがセットされたこの装甲車。
ぐるぐるドリルを回しながら進む様子はもはや特撮の世界です。が、本当にあった兵器なのです。このドリル野郎は1970年代、ロシアのZIL社で開発されました。
ZIL社は要人向けの装甲車などを作っていた会社ですが、現在は普通に車を販売する自動車会社です。こんなぶっ飛んだ装甲車を作っていたくせに、今は大手トラック・バスメーカーに落ち着いています。若いころはグレてても変われば変わるものです。
その動きは車両を完全に超越しており、我々の知るどの乗り物にも不可能かつ、意味不明で一種狂気じみた行動を予備動作無しでとります。道なき道をかきわけて進み、通った後にはドリルの痕跡だけが残ります。怖いです。大きさはちょっと大きい車程度みたいです。で、ドリルの回転を制御することによって、真横にスライドするように動くこともできるそうです。キモいっす(失礼)
まん丸のライトと発狂した行動が愛らしい、ロシアの珍兵器なのです。こうゆう車に対して的確な感想が、ジョジョの奇妙な冒険・単行本17巻冒頭にあります。このドリル装甲車そっくりの動きをする車に対し、「たとえるなら! 知恵の輪ができなくてカンシャクを起こした、バカな怪力男という感じだぜ」ごもっともです。