ディロン・エアロM134D、ゼネラルエレクトリック社が開発した7.62mmガトリングガンで、いわゆる「ミニガン」というやつです。本動画内で挿入される映像の数々が、単品でも有名なものばかりということから、この銃の著名性がうかがえるかと。
全長900mm、連射速度は毎秒100発、弾薬やバッテリーなどを加えた総重量は約100キロもある銃なのに、なぜ「ミニガン」なんて呼ばれてるのでしょう?
その理由は開発経緯。この銃は同社開発の航空機関砲M61、いわゆるバルカン砲の小型モデルなのです。
よく混同されるのも無理はなく、バルカン砲もガトリングガンも見た目やらなにやら大変よく似ています。ただ、バルカン砲の全長約182センチに比べれば、このM134は90センチとほぼ半分なので、確かに「ミニガン」なのです。武装ヘリの装備として運用されることが主であり、地上目標に向かって掃射する様子はもはや異様です。
アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画「プレデター」で、シュワちゃんが隊長を務める精鋭部隊においてビル・デューク演じる黒人のマック軍曹とジェシー・ベンチェラ演じるブレイン・クーパーのコンビが、このミニガンを奥の手として装備していました。
ブレインはCIA職員ディロンに対し、噛み煙草で溜まったツバを吐きかけるなど、ずいぶん強気な態度でいたものの、前半のうちに死亡。
本作においてミニガンはプレデター相手に手傷を与えるという快挙を成し遂げました。重量百キロのミニガンをM16みたいに軽々振り回してたっけ。
また劇中でこの二人はミニガンを「無痛ガン」と呼んでいました。
この映画独特の呼び方なのかと思ったら、わりと一般的なあだ名みたいです。
痛みを感じる間もなく死に至るという意味合いをもち、このM134の連射性能をたとえたブラックユーモアです。
ちなみに別作品の「ターミネーター(2かな?)」では、今度はシュワちゃんがミニガンを片手で持ち運んでいました。何度も言いますが重量百キロです。
でもシュワちゃんは良いのです。シュワちゃんだから。
なお、アーノルド・シュワルツェネッガーがカリフォルニア州知事になった事は大変に有名ですが、ブレイン・クーパー役のジェシー・ベンチェラも後年ミネソタ州知事になりました。
出演者のうち二人が後の州知事だなんて、じつに変わった映画です。